今回は、VOCALOIDを上手く聞かせる7つのポイントを2回に分けて自己流で紹介致します。
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VOCALOID(以下、ボカロ)に関しては、あまりにも有名になり、いまさら説明する事でもありませんが、「MEIKO」「KAITO」等のシリーズから、「初音ミク」で大ヒットし、色々な声キャラクターに発展した音楽の1つのジャンルとして完成されているコンテンツと実感しております。
さて、上手く聞かせる7つのポイントとしてタイトルを付けましたが、ボカロは奥が深く、制作者それぞれによってポイントが異なると思います。
今回紹介しますコンセプトとしましては、「ボカロの設定を極力行わないポイント」で行いたいと思います。
ボカロの設定は細かく、必ずとも「この設定を行えば良し」というものでも無いので、今回はボカロ設定の紹介は割愛します。
まずは、7つのポイントタイトルから紹介します。
- その歌詞は大丈夫?
- ハーモニーをつけよう
- 僅かなピッチが肝となる!?
- ボカロの拘束時間は無限大 その1
- 主役は歌
- 右へ左へ、奥へ手前
- ボカロの拘束時間は無限大 その2
前半①~④までは、ボカロのソフト中心
後半③~⑦までは、MIX中心のお話です。
違いをわかりやすくするため、デモソングを用意しました。
ポイント毎に音源を反映して行くので、上手く聞かせて行っている感じを掴んで貰えればと思います。
まずは、ベタ打ちのデモソングをお聞きください。
①その歌詞は大丈夫?
ボカロと言うことで、ほぼ詞を考えることになります。
「大丈夫?」という意味は、歌詞の内容のことではありません。
いくらロボットとは言え、人間が歌う事をシミュレートされています。
人が歌いづらい歌詞は、ボカロも歌いづらいのです。
大切なものナイフとフォーク
美味しいよね、お肉最高だよね
なんとも締まらない歌詞ではありますが、これを基に紹介します。
さて、実際に声を出してみると分かることですが、「あ」と「ん」を大声で出そうとする場合、明らかに
「あ」の方が大きく聞こえます。
「エジプ…」「南ア…」だと、最後まではっきり聞こえなくとも、前者は「エジプトかな?」と予測出来ますが、後者はもう少し情報がほしい所です。(南アフリカ 南アメリカ 南愛という名前かも…)
人間の声に近いボカロとは言え、はっきりと発音出来ない歌い方もありますし、ボカロだけではなく人間であっても、言葉を完全に理解出来るような歌い方は、よほど訓練を積まないとできません。
歌詞の伝えたいことがしっかりしているのであれば、「わかりやすい歌詞・聞こえやすい歌詞」に変更することが大切だと思います。
デモソングでは、「お肉が好き」という事を伝えたいので、それを崩さないように歌詞を変更します。
「ナイフとフォーク」の部分、フォークの部分がメロディーに乗り切れていないので、「ナイフとフォーク」を逆にしてみようと思います。
また、「フォークとナイフ」でも「フ」の部分がやはりメロディーに乗りきれないよう聞こえるので、メロディーを変更しました。
大切なものフォークとナイフだーよ
美味しいよね、お肉最高だよね
②ハーモニーをつけよう
ハーモニーは和音。異なる音を重ねる事を意味します。
残念ながら、ボカロにはパワーが無く、単体では後のMIXで埋もれてしまう可能性が大です。
ボリュームやリミッター等で大きくしても、張り付いた感じになってしまい、あまり上手くは聞こえません。
楽曲コンセプトとして、「この曲は初音ミクが1人だけで歌っている様を表現したい!」という事であれば、それを大切にしてハモリを加える必要は有りませんが、特に無いのであれば、ハーモニーを追加して、歌にパワーを付けましょう。
ハモリ…と思うと、どうしても「メロディーから下の音を付けなくては…」「3和音?どの部分につければいいの?」と思う方もいるかも知れません。
しかし、思いつかない場合は、次のハーモニーを付けてみましょう。
- 全く同じメロディーで、1オクターブ上、或いは下のハーモニーを付ける
- 全く同じメロディー、同じ高さで、ボカロキャラクターを変える
この2点を試してみてください。どれもコピペで行ける簡単な作業です。
ほとんど同じ MIDI ファイルをコピペしているだけ。これだけで上手く聞かせられる!!
ボカロを2キャラ以上持っていないと、ボカロキャラクターは変えることは出来ませんが、ボカロの設
定に「ジェンダー」と呼ばれる設定があります。この設定法は割愛しますが、ここを変化することで声質を若干変更することが出来ます。
ボカロエディタ:左下のパラメータは、色々な調整が可能。「GEN」と書かれているパラメータで声の性質(性別)を変更できる。
一見、「同じメロディーを用意して、意味があるの?」と思いますが、後のMIXで活躍しますので、デモソングでも準備することにします。
大切なものフォークとナイフだーよ
美味しいよね、お肉最高だよね
- メインメロディー(初音ミク)
- メインメロディー(メグ)
- ハモリメロディー(メグ)
計3トラック作成
MIXしてないので、グチャグチャですが、完成をお楽しみに
③僅かなピッチが肝となる!?
これは、上記②と同じような考えになるのですが、ハーモニートラックの最終仕上げとして、「まったく同じのボカロトラックをコピペ。その後ボカロのピッチをフリーハンドで入力する」を行います。
これも一見全く意味がないように思える作業ですが、これも後々のMIXで役立ちます。
なぜこれを行うかというと、わざと下手に調整して自然にする目的があるのです。
??
上手く聞かせるためのポイントでは?と思ったでしょうが、これには理由があります。
例えば、どんなに歌唱力の高いアーティストでも、完全にピッチを合わせて歌うことは不可能です。というか、私達の聞いている人間の歌は、ピッチが完全に合ってしまうと逆に不安になる。はずです。
ボカロはあくまでもロボットなので、完全にピッチを合わすことができます。しかしそれが無機質で気味が悪いという方向に働いてしまう場合があるのです。
あくまでも持論ですが、歌詞の内容が人間的であるのであれば、ピッチは不自然の方が良いと思います。例えば「怒ったぞー」という歌詞があったとし、その部分を完全なピッチで歌ってしまっては、「ん?怒っているのに、やけに冷静だな…」と感じるかもしれません。
歌詞が人間くさい、日常を思わせる内容であれば、ボカロとは言え感情を加えてやるのが、上手く聞かせるための隠し味(?)なのでは無いでしょうか?
とは言え、ピッチ調整を極めて細かく行う必要はありません。本当にフリーハンドで、1回で書ききってしまった方が、効を成す場合もあります。
歌詞に合わせて、細かくピッチの調整を行いたい方は、それでもOK。用は完全なピッチが適しているのかどうか、これも楽曲のコンセプトに沿って調整してみてください。
このように、適当なピッチでも大丈夫。出来上がりを聞いてみると分かるけど、音痴という感じはしない。
大切なものフォークとナイフだーよ
美味しいよね、お肉最高だよね
- メインメロディー(初音ミク)
- メインメロディー(メグ)
- ハモリメロディー(メグ)
- メインメロディー(ピッチランダム ミク)
計4トラック作成
まとめ
今回はVOCALOIDを上手く聞かせる7つのポイント パート1をお送りしました。次回はこの続きをお届けします。
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CubaseCreate
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アミューズメント関係のサウンドを制作しています。Cubaseを用いて、作曲や効果音の制作を行っています。家ではバンドや結婚式用の楽曲や映像制作を行っています。楽器はキーボードを担当です。
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