作曲したいDTM初心者のためのDTM入門〜その3

前回までの『vol.1 DTMでできること』ではDTM/宅録とは何かを説明し、『vol.2 DTM機材の紹 介とその使用例』ではDTM/宅録に必要な機材について紹介しました。今回は実際に宅録を進め ていくにあたり基本的な操作や方法の一例をご紹介します。今回はボーカルや生楽器の入 らない、完全なソフトウェア音源(プラグインシンセ)を使用した音楽の作曲例をお伝えしてみます。最初はわかりづらいかもですが、出来るだけシンプルにわかりやすく説明していきますね。



作曲準備   

まずはどんな曲を作りたいか、作るべきかを考えて紙に書き起こしましょう。お仕事の楽曲制作なら、クライアントからの要望や提案を聴きながら曲のイメージを膨らませてい きます。自己満足やアートとしての音楽を作りたいなら、「子犬が可愛らしくピョンピョン 跳ねている愛くるしくてたまらない」や「荒れ狂う荒波の中を誇り高く勇ましく働く漁師 を応援したい」、「初恋のもどかしさや楽しさ、切なさ、若々しさが織りなす様子」など具 体的な文章にして書き起こします。この時「クールな私の理想像」といった曖昧なもので も構いませんが「ハードな立ち居振る舞いをする女性の理想的な恋愛哲学」のようにより 具体的にしておくことで曲の構成がブレるのを防いだり、途中で作曲を放棄しても気が向 いた時にリスタートしやすくなります。

次にその曲の構成を考えます。メロディーラインは曲の顔になるので、メロディーから 考えていっても良いし、曲の背骨となるコード進行を先に考えていっても良いです。絵の 描き方に似ていますね。特に正解は無く、これ以外にも自分の得意なギターフレーズから 考えたり、パーカッションのリズムを先に考えるのももちろん OK です。今回はよく使わ れる基本的なコード進行である C|F|C|G を基本に曲作りを行なってみましょう。

曲の骨組みを作る   

コードが何か分からない人も問題はありません。宅録ソフトにはそれを補える心強いソフトウェアシンセもたくさんあります。しかしコードの基本となるベース音が何かは解っ ておいて損はありませんのでそれだけここで説明します。既にご存知の方は読み飛ばして 下さい。日本では現在一般的にはドレミファソラシドと音階名を呼んでいます。それと同 じようにドを C、レは D、ミは E、ファは F、ソは G、ラが A、シは B と表記しています。 つまりラから ABCDEFG となっています。コードとは和音の構成を意味するのでいくつか の音を組み合わせた和音名を表すのがコードですが、そのベースとなる音が上に説明した 音です。今回は基本的な C|F|C|G というコード進行を基に曲作りを行なってみるので ベース音はド|ファ|ド|ソという流れで曲作りを行いましょう。

それでは早速パソコンから宅録を行うためのソフトウェアを立ちあげてみましょう。今 回は私が愛用している SONAR を使って説明しますが、他のソフトでも操作や手順に少し

違いはあるものの、やることは同じですので参考にしてみて下さい。

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ソフトウェアを立ち上げて「新規作成」を行い、ファイル名(曲名でも OK)を入力する と基本的な操作画面が立ち上がります。

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今回はボーカルや楽器の生演奏のレコーディングは行わず、全てソフトウェア音源(プラ グインシンセ)を使って曲の 8 小節分を作ってみましょう。DAWソフトごとに使えるトラ ック数が違いますが、ほとんどのソフトではかなりの数のトラック数を扱えます。トラックとは 何かというと、トラックごとに1つずつ楽器を割り当てられるとイメージして下さい。

今 回はトラック 1 にベースギターを、トラック 2 にピアノを、トラック 3 にストリングス、 トラック 4 にスチールギターを、そして最後のトラックにリズムを奏でるドラムを設置し てみます。ソフトウェアを立ちあげた状態では 1 つもトラックが追加されていないので、まずはトラックを追加してみましょう。

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SONARの場合は「挿入」から「MIDIトラック」を追加します。すると1:Track 1と いうトラックが追加されました。この Track 1 と書かれたところをダブルクリックするとト ラック名が変更できます。これはしなくても良いですが、名前を付けておけばどのトラッ クがどの役割をしているのかがすぐにわかりやすくなります。トラック 4 まで追加しまし ょう。

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やっとトラック追加ができましたがこのままでは音は出ません。MIDI というのは MIDI 規格(Musical Instrument Digital Interface)の略で、電子楽器の演奏データのことです。 小節・拍の上で、どのタイミングでどのキーをどの位の強さ、長さで押したかというノー ト(音符)情報を記録するデジタル楽譜のようなものです。楽譜だけでは音は出ないので、 この楽譜をどの楽器に演奏させるかを指定しなければ音は出ないのです。今回音を出すの はソフトウェア音源(プラグインシンセ)なので、それを追加しましょう。

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プラグインシンセは「挿入」から「プラグインシンセ」を追加します。今回は SONARに予め付属のSI-Bass Guiterというベースギターの音源を使います。もちろん他のプラグ インシンセでも OK です。プラグインシンセの追加時にどの様なトラックにするかという 設定画面が出てくることがありますが、そのまま OK で構いません。今回は「シンセのプ ロパティページの表示」にチェックを入れて「OK」をクリックします。

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するとトラック 5 に SI-Bass Guiter というプラグインシンセが追加され、プロパティペー ジが表示されました。これで音が出るようになりました。プロパティページの下部にある ギターフレットをクリックしてみると音が出ます。

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ただしまだこの状態では、トラック 1 の MIDI とトラック 5 のプラグインシンセは関連付 けられていません。そこでトラック 1 を選択し、IN/OUT から OUTPUT(出力)を SI-BASS GUITER にしましょう。

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これでMIDIトラックで指定した音がSI-BASS GUITERの音源から音が出されるようになります。

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これで実際に音を打ち込んでいくための準備が整いました。まずはベースギターのフレ ーズを記録してみましょう。トラック 1 のベースギターをクリックして色が付いた(選択 された)状態で「表示」→ピアノロールビューを表示しましょう。するとピアノの鍵盤が 表示されます。試しにここでも鍵盤をクリックしてみて下さい。すると押さえた鍵盤の音 が出ます。ここで音が出ない場合は、ソフトウェアの環境設定でどのデバイスから音を出 すかがうまく設定されていない可能性があります。「編集」の「環境設定」から MIDI 項目 内の「デバイスの選択」をクリックし、音を出したいデバイスにチェックを入れて「適用」 →「OK」で設定します。

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今回は C|F|C|G のコード進行を基本に曲を作っていくので、8 部音符のベース音を ドドドドドドドド|ファファファファファファファファ|ドドドドドドドド|ソソソソソ ソソソと入力してみます。左上のフリーハンド入力ツールを選択し、その下の 1 音の長さ を16分音符を意味する1/16を選択します。この時、右側にあるスナップ機能をオンにし、 楽譜の長さも右クリックから 1/16 と指定しておけば、小節内の基本的な 16 分音符の位置 に音を設置しやすくなります。


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それではフリーハンドツールで第二小節から実際に音をいれていきましょう。ドドドドド ドドド|ファファファファファファファファ|と音を入れた後で選択ツールを使って最初 のドドドドドドドドをマウスカーソルをクリックしながら移動させて選択しコピーします。

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そして第 4 小節の上部をクリックしてペーストを押すと、既に入力したドドドドドドドド をコピーすることもできます。全ての音の入力ができたらどのような感じになったのか再 生してみましょう。

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マウスで「ゼロに戻る」ボタンをクリックし、再生ボタンをクリックすると再生されます。同じようにコピーとペーストを使って、今入力した 4 小節分を次に繰り返すように入力し てみましょう。ベースの基本的な演奏ができました。

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ここで曲のテンポを考えましょう。ベース音を実際に聴いてみるとテンポがどんな速さ なのかがよくわかりました。今回はもう少し早いテンポにしたいので画面中央のテンポ部 をダブルクリックして 140 にしてみましょう。これで再生させると、曲のテンポが少し早 くなりました。
音はこんな感じです。(秒数の左側をクリックすると再生されます)

このように一つ一つの楽器を順に重ねていって曲を作っていこうと思います。。次回はこのベースの上に簡単にストリングスとドラムの組み立て方をお伝えしようと思います。今回は作曲したいDTM初心者のためのDTM入門〜その3〜でした。



Shunsuke Mizutani

Shunsuke Mizutani

水谷俊亮
作曲家・メディアクリエイター
(バングラデシュで貧困問題解決に取り組む一貫で)メディア製作会社スタジオパドマ代表。

facebook:facebook.com/shunsukemiztany, ブログ:bangla.jugem.jp
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