二コ二コ動画等ではおなじみのVOCALOID(ボーカロイド)。今回はそんなVOCALOID(ボーカロイド)3 MEIKO V3レビューをお送りします。
・VOCALOID(ボーカロイド)とは?
VOCALOIDはヤマハが開発した音声合成技術でそれらを応用した製品の総称です。メロディーと歌詞を入力することにより、サンプリングされた人の声を元に歌声を合成することが可能となります。
ベタ打ちでもそれなりに歌っているように聞こえますが、いわゆる「調教」を行うことでよりリアルな歌唱へと変化が遂げられるので、ユーザー次第でさまざまな可能性を秘めたソフトウェアでしょう。
今でこそ初音ミクの人気によってVOCALOIDは世間的にも幅広く認知されていますが、意外にもその歴史は古く、2000年よりプロジェクトが開始され2004年に初めてVOCALOID技術を用いたパソコン向けのパッケージが発売されました。
2012年12月までにはヤマハのほか、日本国内外13社により商品化されています。
・VOCALOID MEIKOとは?
初代のMEIKOは2004年11月5日にクリプトン・フューチャー・メディアより発売されました。VOCALOIDを採用した初めての日本語版ソフトウェアです。
歌声のもとは、プロのシンガーソングライターの「拝郷メイコ」さんの音声データを元に作成されています。MEIKOの名称も拝郷メイコさんの名前が由来して名付けられました。
得意とするジャンルなどの明示は特にありませんが、幅広い楽曲をカバーできます。
パッケージイラストは当初マイクのイラストが候補でしたが、DTM初心者でも手に取りやすいようにと歌っている女の子をイメージ化されたイラストになりました。イラストは初音ミクなどのようにプロのイラストレーターではなく、クリプトン社員が描いたものです。このパッケージデザインはMEIKOのヒットした一因ともいわれ、キャラクターイラストを使用した路線が今後継承されていくことになります。
MEIKOはDTM業界では異例のヒット商品となりましたが、発売から2006年くらいまではDTMユーザーくらいしか名前は知られていませんでしたが、2007年以降ニコニコ動画への動画投稿や、初音ミクのヒットによりMEIKOの認知率も大きく向上することとなります。
しかし初代MEIKOのサポートはWindows XPまでとなり、対応パッチの発表もなくWindows7での動作保証はありませんが自己責任での使用となっている状況になっていましたがそんな中でVOCALOID3版のMEIKO V3の発表がアナウンスされることとなります。
・VOCALOID MEIKO V3について
Windows XPまでのサポートだった初代MEIKOでしたが、MEIKO V3のアナウンスがありどのようなバージョンになるのか、単純に初代をVOCALOID3に移植しただけなのかと色々思いましたが全部で5種類のボイスデータが収録されることが発表され、リリース前にその中の一つのPOWERボイスが体験版として無償配布されました。
その体験版を使用したところ、これは全く別物になると確信しました。実際に製品が手元に届き、それぞれのボイスデータを聞き比べましたが、初代の移植ではなく完全にMEIKO V3という新しい製品としての発表でした。
・POWER
力強くキレのある、爽快なパワーボーカルという説明通り力強い歌声で得意ジャンルはロック、メタルまでカバーします。
・STRAIGHT
キレと張りのある、本格派女性シンガーとの説明があり、パワーより若干力強さは抜けますがその分ロックからポップ、フォークと様々なジャンルが得意ジャンルとなります。初代MEIKOに一番近いボイスだという印象です。
・DARK
深い哀愁と悲哀、大人の魅力あふれる歌声とのことで、上記のボイスと大きく異なる歌声となります。初代MEIKOではなかったタイプのデータになり、得意ジャンルはジャズやバラードが得意ジャンルとなります。
・WHISPER
儚くも存在感のある吐息、ウィスパーボイスとのことで、先に発売されたIAに近い歌声となっています。これもまた初代MEIKOでは見られなかったボイスで、バラードやポストロックを得意ジャンルとしています。
・ENGLISH
張りがあり、芯の通った英語の声とのことで、MEIKO V3では英語にも対応します。ボイスはSTRAIGHTに近いもので、歌詞打ちは英語で行います。日本語ではうまく発音しないので注意が必要です。得意ジャンルはロック、ポップ、ジャズとなります。
また特徴としてすべてのボイスデータは得意なテンポや得意な音域がそれぞれ異なります。IAのようなクリアなウィスパーボイスなど、求める歌声によって変わるかもしれませんが同価格帯で5つのボイスデータを使用できるのでMEIKO V3だけでも様々なボーカルが作れるでしょう。
調教が難しいといわれる初代MEIKOですが、実際はベタ打ちでもそれなりに歌ってくれるのですがMEIKO V3はさらに違和感なくベタ打ちでも問題ありません。仮歌に使用する程度でしたら特に調教をしなくとも問題がないレベルです。
VOCALOID3 Editorは初代VOCALOIDと違い、複数トラックの編集ができるので初代MEIKOが気に入って使用している方にもより使いやすく、初代よりパワーアップしたMEIKOで楽曲作成ができるでしょう。
・バンドルソフト
「Piapro Studio」
クリプトン社が開発した次世代型ボーカルエディタで、プラグイン対応によりDAWアプリとの高い連動性を実現し、MEIKO V3を歌わせながら小節数の制限なくボーカルパートの編集が可能となります。
「Studio One ARTIST piapro edition」
DAWソフトです。これで音楽制作を行っていくことが可能です。
「PreSonusソフト音源」
200種類以上の楽器が用意されたソフト音源です。これで様々なジャンルの楽曲制作に役立つことでしょう。
まとめ
このようにあとはハードを揃えれば、MEIKO V3の購入だけですぐに音楽制作が始められます。
ボイスデータも5つあるMEIKOはVOCALOIDの入門用としても応用としても十分に機能を発揮することでしょう。
ジャンルも様々網羅できるMEIKO V3、オススメの一品です。
今回はVOCALOID(ボーカロイド)3 MEIKO V3レビューをお送りしました。
関連サイト
CRYPTON
⇒http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/meikov3.jsp
DTM Review
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