ボーカルブース DIY 講座

皆さん、こんにちは!サウンドクリエイターの櫻井慎吾です。
今回の記事はレビューではなく、私のプライベートスタジオ…もとい自宅自室にあるボーカルブースの紹介です!
“自宅にボーカルブース!?”と思われるでしょう(笑)。昨今は「だんぼっち」に代表されるよう気軽に防音できる環境を整えることが可能な時代になってきました。これは“歌ってみた動画”などでご自身の歌声を披露しようとした際に、できるだけベストな状態(=声を張れる状態)で歌いたいというニーズに答えたもの言えます。もちろん 歌ったり生放送をしたりするのでしたらこれでよいのですが、中には楽器を弾きたい方や、効果音を作りたい方、それこそ人間の声以外も防音したいという方もいらっしゃるようで、簡易防音室ではこれらのニーズにはなかなか対応しきれないのが現状です。そのような中で、私なりに調べたり考えたりした結果、これは自分好みに作ったほうがより効率的・経済的だなと判断し、“ボーカルブース DIY”に至った訳でございます! 今回は、あくまで私が実践した内容を参考程度にしていただく前提で、ボーカルブースDIYのあれこれを紹介しようと思います!

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【1.DIY の経緯】


マイク購入理由と重複するところもありますが、私自身に歌もの楽曲を制作する機会がありました。その中で「仮歌」と呼ばれる楽曲の雰囲気を伝えるため人間の歌声を乗せるという段階があるのですが、だいたいはプロの歌い手の方や、あるいは本歌(仮歌ではない本番の歌レコーディング)の方が決まっているならその方にお願いする場合が多い中、どうせ仮歌だしお願いするのにもお金や時間を使うなら、自分で歌ってしまえ!と思ったことがきっかけです。もう少し言えば、仕事で楽曲のデータを編集する機会があったのですが、普段作曲家として活動されている方がボーカルも務めていた作品があり、自分で作って自分で歌うのもいいなあとも思ったからです。
さて、実際ボーカルブースがほしいなあと思った際に部屋のどこかに作ろうとも思ったのですが、私の自室には物置にしていたクローゼットがあり、サイズ的にもちょうどよかったので、この中に作ろうと即断しました(笑)。実際、壁に色々増設していったので、クローゼットでよかったなあと後から思いました!(※部屋のどこかに作るなら、まず壁や天井を作らないといけませんからね!)

【2.防音の仕組】


ここで、防音の仕組みになりますが、音には「固体音」と「空気音」の2種類があります。「固体音」は振動から伝わる音のことで、例えば足音や壁ドンした音(笑)なんかがこれにあたります。一方で、「空気音」は空気を介して伝わる音で、まさに人間の声がこれです。
多くのレコーディングスタジオはこの2つをしっかり防音しているのですが、私の場合は音声収録をメインと考えていたため、固体音は捨て、“空気音のみ”を防音することにしました。
次に、防音の方法になりますが、一口に防音といっても実は3種類の方法があります。
それが、「吸音」「遮音」「防振」です。
1つ目の「吸音」は字の通り音を吸収します。吸収して小さくするということですね。
2つ目の「遮音」も音を遮断することですが、実際には音を跳ね返して通らないようにすることだそうです。そして3つ目の「防振」ですが、こちらは振動を防いで音を小さくすることです。お察しいただけるかもしれませんが、「防振」は固体音に属するため、私の場合はこれを捨て、“吸音と遮音に絞って”作りました。

【3.DIYの工程】


さて、ではここからは実際にどのように施工(笑)したかです!上記の通り、私は「空気音」を「吸音・遮音」することにしましたので、以下の材料が必要となりました。

■吸音材
→スポンジのような形状で、吸音してくれる素材です。素材にもよりますが大きさや枚数、厚さにそれぞれ種類があります。厚い方が吸音効率があがりますので、大きさを見ながら検討するとよいです。
また、非常にもろく触るとかゆくなってしまうのですが、表面を触れるように加工されたものもあるので、コスト面と相談ですね。ちなみに、吸音材には「グラスウール」と「ロックウール」の2種類があります。ロックウールの方が、遮音性が高いようなので、私はこちらを選んでいます。

■遮音シート
→ゴム生地のような比較的薄いシートです。幅も長さもだいたい同じようなものが販売されています。ロール状で配達されてきて、結構重かったです。
これだけでもよいのですが、私の場合はコストを重視した結果、上記吸音材の表面が未加工でスポンジむき出しのものを購入してしまいましたので、表面にさらにもう1素材追加しました。それが以下です。

■有孔ボード
→小さな穴がたくさん開いている木の板です。ホームセンターなどで一枚サイズで販売されていると思います。
皆さんは学校の音楽室を憶えているでしょうか。音楽室の壁は、小さな穴がたくさん開いていたのですが、まさにこれと同じことを有孔ボードで再現しようとしています。なぜかと申しますと、実はこれ、この小さな穴から音を吸収することができます。音楽室の穴は防音(もっと言えば吸音)してた訳ですね!確かにピアノの音とか、壁越しには聞こえづらかった気がします。開いていた窓越しにはよく聞こえてましたが(笑)。

で、材料が揃ったところで、これらをクローゼットの壁全面に取り付けていきました。壁から、遮音シート < 吸音材 < 有孔ボード の順番ですね。 私の場合は、天井も作りました。クローゼットの天井ではなく、壁に近い位置に天井を作ったイメージですね。構造は同じですが有孔ボードが内側を向くように取り付けました。

それでは、施工後のクローゼットが、ーカルブースに生まれ変わった図をご披露いたします!!


↑マイクを見下ろしています。下の方に見えるのは照明です。


↑マイク付近から上を見上げています。

ちなみに入口は出入りを考慮するとふさげなかったので、遮音シート+羽毛布団を垂らしています(笑)。なお、毛布を垂らすと、入り口は完全にふさがります。


↑黒いのがマイクスタンドの足です。羽毛布団が上に折りたたまれている状態ですね。

また、遮音シートが結構余ったので、自室の入口ドアの隙間を埋めたり、それこそドア 自体に貼ったりしています。
↑これはドアノブ付近ですが、こんな感じでドアの隙間という隙間に貼っています。

【4.防音効果】


ここで、実際どのくらい防音できているかを発表します!機器を使っての測定などはしていないので非常にアバウトな結果にはなりますが、まず夜中に大声で歌っていても隣の部屋で寝ている家族には聞こえていなかったようです。また、ブースの中に掃除機を起動したまま突っ込んで自室のドアの前に立ってみたところ、掃除機の音とは認識できない音が部屋の中で鳴っているように思える程度でした。むしろ、自室横のトイレの換気扇の音とか、外から聞こえてくる車や犬の鳴き声の方がよく聞こえました(笑)。以上のことから、防音室としては十分な出来となっているのではないかと結論づけることができるかと思います。
特に、入口の羽毛布団はとても遮音効果が高いです。貧乏な(失礼!)ボーカルさんは“毛布を被ったり壁にかけたりして歌うときに遮音する”という話をどこかで聞いたので、より厚い羽毛布団を使用しました。マイクが奥に向いてるので、声は奥に向かって発せられますし、入口側から漏れるだろう音も両サイドの壁で吸収されているようです。

【5.費用】


では、ここまでのブースを作るのに、どれくらい費用がかかったのかもお伝えします!
工程のところで紹介した各パーツごとに値段を出してみました。

■吸音材
17000円程度。
ロックウール製16枚入りです。

■遮音シート
4000円程度。
10mロールのものです。

■有孔ボード
8000円程度。
3枚買いました。ホームセンターでしたら希望サイズにカットもしてくれます。

■その他備品
2000円程度。
釘や両面テープなどを相当量買いましたので、これくらいで出しておきました。

■総額
約31000円。
こちらが上記の合計です。概算ではありますが、ここから大きく変動はしていないと思います。なお、入口をふさぐと真っ暗になってしまうため照明が必要だったり、そもそもマイクを立てるためのマイクスタンドやポップガード、ケーブル類といったものは、今回は除外しています。全てを一度に揃えようとすると費用面ではもっとかかってしまうので、そろえる順番や優先順位は予算事情と相談がよいでしょう。

【6.最後に】


終わりは、今回紹介した製品のリンクを載せておきます。比較してしまって非常に申し訳ないのですが、最もスタンダードな「だんぼっち」よりも安価で済んでますし、自宅に増設ということで、色々カスタマイズが可能な点も利点だと思います。ただ、私も人のことを言えたものではありませんが、寸法や形などをかなり正確に計算しないと綺麗にできないかもしれませんので、設計図が大事です!!

■だんぼっち公式
http://www.danbocchi.com/

■Amazon吸音材
※私が購入したのはそのものではありませんが、同じシリーズです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8B%E3%83%81%E3%82%A2%E3%82%B9-%E 3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%AB%E3 %83%9C%E3%83%BC%E3%83%89-%E8%A3%B8%E5%93%81-%E5%90%B8%E9% 9F%B3%E6%96%AD%E7%86%B1%E6%9D%90-MG%E3%83%9C%E3%83%BC%E 3%83%89-150-%E5%AF%86%E5%BA%A6150K-%E5%8E%9A%E3%81%9550-605- 910mm-6%E6%9E%9A%E5%85%A5%E3%82%8A/dp/B006WSU8BU/ref=sr_1_51?ie =UTF8&qid=1504755789&sr=8-51-spons&keywords=%E5%90%B8%E9%9F%B3% E6%9D%90%E3%80%80%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A6%E3 %83%BC%E3%83%AB&psc=1

■Amazon遮音シート
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E5%BB%BA%E5%B7%A5%E6%A5%AD-%20%E9%81%AE%E9%9F%B3%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88-940mm-10m-1%20%E5%B7%BB-GB03053E/dp/B06XC19T7F/ref=sr_1_1?s=diy&ie=UTF8&qid=15047%2056079&sr=1-1&keywords=%E9%81%AE%E9%9F%B3%E3%82%B7%E3%83%BC%%20E3%83%88

■Amazon有孔ボード
https://www.amazon.co.jp/WAKI-%E7%A9%B4%E3%81%82%E3%81%8D%E3%83% 9C%E3%83%BC%E3%83%89-%E5%A4%A9%E7%84%B6%E6%9C%A8%E4%BD% BF%E7%94%A8-%E5%B9%85450mmX%E9%AB%98%E3%81%95600mm-ANB-002 /dp/B01ASRVLIO/ref=sr_1_7?s=diy&ie=UTF8&qid=1504756181&sr=1-7&keywords =%E6%9C%89%E5%AD%94%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89

<執筆者自己紹介>
櫻井慎吾
1982年生まれ。現在遊技機のサウンドクリエイター・サウンドディレクターとして活躍しています。幼い頃、ゲーム音楽に感動し音楽に興味を持ち、以後ゲームに限らず音楽に浸ってきました。大学を卒業後に本格的に音楽クリエイターになることを志してDTMを初め、独学で音楽理 論等を学びながら制作を続けて現在に至ります。音楽電子事業協会「AMEI」が主催する「MIDI 検定」の2級資格及び4~2級指導者資格保持、また日本作編曲家協会「JCAA」の非正規会員です。座右の銘は「成せば成る」「継続は力なり」です。皆さんも、好きなことをとことん突き詰めていってください!
努力は、いつか必ず実を結びます!

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宮脇拓也

宮脇拓也

webエンジニア兼ライター、DTM REVIEW編集部。
現在作曲に没頭中。
宮脇拓也

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