近頃、録音からミックス、マスタリングまで、全て自宅のPCで行い、ネット上に音源をアップロードするというやり方で音楽活動をするミュージシャンが増えてきました。
自宅のPCで一通りのことをするのに必要且つ強力なツールがDAWソフトです。
DAWソフトには、SONARやCubase、Ableton Live、Logicなど、様々なものがありますが、今回はCubase (Artist 8)をご紹介します。
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1. Cubase Artist 8を購入した理由
Cubaseは、旧バージョンからのバージョンアップや下位グレードからのグレードアップを行い、長く使い続けている方も多いと聞きます。私はそうではなく、今回ご紹介するCubase Artist 8で初めてCubaseに触れました。
従って、Cubaseに関しては全くの新参者です。Cubase Artist 8を導入するまで、Studio One 2 FREEやSONAR X1 LEなどのフリーのDAWソフトや、格安のレコーディングソフトなどを使用していましたが、動作の不安定さやトラック数などの限界、またWaveファイルへ書き出した時のノイズや音の途切れなどに悩まされていました。
悩んでいた時に、DAWソフト選びのアドバイスを貰ったこと、そしてDTMを行っている人々の中でCubaseの利用者が占める割合が大きいということから、Cubaseを選びました。最新バージョンのグレードは3つあり、上からPro、Artist、Elementsです。多くのバーチャルインストゥルメント(RetrologueとLoopMash 2とpadshopが欲しかった)やエフェクトが初めから入っていることと、自分の懐事情(Proの「近接コード表示」は必要なさそうだと判断したというのもある)とから、中堅グレードのArtistを選びました。
2. Cubase Artist 8とは
CubaseはSteinbergが開発・販売している、オーディオ/MIDI統合型のDAWソフトです。Windows・Mac OS Xの両方に対応しています。最新バージョンは8で、対応OSはWindows 7/8/8.1、MAC OS X 10.9 / 10.10(Windows/MAC OS X共に32/64-bitネイティブ対応)です。
トラックのレイテンシーをフレキシブルに調整し、CPU負荷を減らし、パフォーマンスを上げるASIO-Guard 2、そしてオーディオエンジンの刷新がこのバージョンの目玉です。最新バージョンにはグレードが3つあります。
それは上から順にPro、Artist、Elementsです。(この他に、AI、LEという無償のバンドル版がありますが、今回は触れません。)グレードによって、使えるトラックの数、バーチャルインストゥルメントやエフェクト、プラグインの数、使用可能な編集の機能などが異なっています。ProとArtistはアクティベート、そしてその後の使用にUSBドングルが必要です。
3. Cubase Artist 8の良い点
動作が安定していることが最大の長所です。私は、Cubase Artist 8を導入するまでCubaseを使ったことがなかったので、旧バージョンとの比較は出来ませんが、Cubase自体の動作が元々安定しているのか、ASIO-Guard 2の効果なのかは分かりませんが、起動してからの動作が安定しています。
一旦起動すれば、殆ど落ちることはありませんでした(一度だけ落ちたことはありますが)。バーチャルインストゥルメントなどを次々に起動しても固まったり落ちたりせず、サクサク動いてくれるのは非常に有難いことです。
また、WaveやMP3といったオーディオファイルへの書き出しも、極めてスピーディーな上、ノイズや音の途切れも起こらないので、変なストレスを感じずにDTMをすることが出来ます(今まで使っていたソフトは、こういったことが頻繁に起きて大変でした)。
インプレイスレンダリングによってオーディオやMIDIをイベント毎にバウンス出来るという点も、気に入っています。この機能を使ってバウンスする際、元のトラックに掛けたエフェクトを組み込んだ波形にするか、エフェクトの掛かっていない素の波形にするか、Masterトラックのエフェクトも組み込んだ波形にするかなどの様々なオプションから選択することが出来たり、パラアウトで使用出来たりと、大変便利です。
沢山のバーチャルインストゥルメントやプラグインが最初から入っているので、いつまで弄っていても飽きないということも、(モチベーションを保つという目的でも)良い点だと思います。
4. Cubase Artist 8の改善の余地があると思う点
Cubase Artist 8は非常に多機能なので、まだ30%も使えていないような気がします。なので、正直、自分がCubase Artist 8の真の良さ・悪さを理解出来ているとは到底思えないのですが、これまでの使用で分かる範囲で、改善の余地があると思う点を挙げます。
まずは、ソフト本体ではないのですが、USBドングルが端子剥き出しなので、何かの拍子に壊してしまいそうで怖いということ。こんなことを言うのは贅沢だと、百も承知なのですが、出来たら端子に被せるキャップが付いていれば尚良かったな、と。
あとは、一旦起動してしまえば、動作は非常に安定するのですが、起動中に落ちてしまうことが時々あります。これに関しては、今後のアップデートに期待しています。
今のところ、その位しか改善の余地があると思う点を挙げることは出来ませんが、もっと使い込んでいくうちに、新たな問題点(問題点だけではなく良い点も)を発見することもあるかもしれません。
5. まとめ・追記
今回はCubase Artist 8をご紹介しました。私は普段、(恥ずかしながら)「如何に安く良いものを買うか?」という点を重視して機材を買っていますが、Cubase Artist 8に関しては、「如何にお金を掛けるべきところに掛けることが出来るか?」という点を重視しました。
つまり、お金を掛けることで「動作の安定」を確かなものにしようとしたわけです。その結果、良い買い物が出来たと思っています。半分壊れかけの私のパソコンでも、動作が安定しているというのは本当に有難いことです)。
最後に、私のパソコン本体の簡単なスペックを載せておきます。ご参考までに。
[モデル] FMVA55GMG(FUJITSUのノートPC)
[OS] Windows 7 (64bit)
[CPU] Intel ® Core ™ i7-2670QM (2.20GHz)
[メモリ] 8GB
(備考:酷使の為、半分壊れかけ)
6. メーカーサイトリンク
Steinberg
http://japan.steinberg.net/jp/home.html
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