ソフトシンセ reFX Nexus2のレビュー

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Nexus2はカナダのソフトウェア音源ブランドreFXが販売するPCM音源。国内正規販売代理店が無いにも関わらず国内でも非常に人気が高い音源である。

今回はそんなソフト音源reFX Nexus2のレビューをお届けします。



国内正規販売代理店な無いこともあり日本語での情報は少なく、トランス向けの音源というイメージを持つDTMユーザーが多いが、実際はエレクトロ、ハウス、EDM、HipHop、POP、映画サントラまで様々なジャンルに対応するマルチ音源である。
標準で容量6G、1100を超えるプリセットが用意されており、エレクトロやEDMなどで必須なアルペジエーターやトランスゲート、その他主要なエフェクトも搭載されてい
る。

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主要なエフェクターの他にあるペジエーターも搭載している。

拡張ライブラリも豊富で、ここ数年流行のEDM向けのライブラリや、ハリウッド映画等で使われそうな壮大なオーケストラサントラ向けのライブラリなど、必要に応じてreFXのWebサイトからダウンロード購入が可能となっている。全ての拡張ライブラリにSoundCloudやVimeoのデモが用意されているので是非聴いてみてほしい。

対応するプラグインの規格はVST、AudioUnits、AAX、RTASとなっており、主要なDAWで使用可能となっている。

機材説明


Nexus2の人気の理由はいくつかある。一つ目は、誰でも手軽にクオリティの高い音を手に入れることが出来るという点。「シンセの醍醐味と言えば音作り」というユーザーも多いが、DTMユーザーの中には音作りに時間を掛けたくないユーザーが多いのも事実。
 
冒頭にも記述したが、Nexus2はPCMという技術を採用した音源。PCM音源とは、録音(サンプリング)した波形を発音するタイプのシンセサイザーのことで、いわゆるサンプラー寄りの音源である。利点としては、オシレーターから発音される波形を1から加工するアナログシンセサイザーやVAシンセサイザーで作り出すことが困難な波形の音を発音することが出来るという点。
 
この技術を採用することで、生楽器の波形を基にしたサウンドや複雑な波形のサウンドなど、アナログシンセよりもバラエティに富んだ音を発音することが可能となるわけだ。つまり、Nexus2には完成された音の波形がサンプリングされているので、誰でもすぐにハイクオリティな音を鳴らすことが出来るわけである。
 
「ちょっと待って! 最近はアナログシンセにもプリセットがたくさんついてくるから結局一緒じゃないの?」という声が聞こえてきそうだが・・・その通りである。
 
しかし、Nexus2にはPCM音源ならではのもう一つの人気の理由がある。それは、ノートを1つ鳴らすだけで”フレーズ”が再生されるサンプルが多く収録されているという点である。ループ素材を各ノートに割り当てた感じと言えば想像しやすいだろうか?アナログシンセ等の一般的なシンセサイザーの場合、1つのキーを押した時に発音される音は1つである。
 
もし1つのキーを押して何らかのフレーズを再生させたい場合は、アルペジエーター等を使用してフレーズを作成することになるのだが、PCM音源の場合、サンプルさえ用意できればどんなフレーズでも1つのキーで再生できる。つまり、ドラムのフレーズのサンプルを用意すればドラムのフレーズが、ボーカルのサンプルを用意すればボーカルのフレーズがたった1つのキーを押すことで再生することが可能なわけである。

ということは、例えばC1(ド)のキーにドラムフレーズの波形、D1(レ)のキーにベースのフレーズ、E1(ミ)のキーにギターのフレーズを割り当てられててあれば、C1、D1、E1の3つのキーを同時に押さえるだけでバンドの演奏が出来てしまうわけである。

Nexus2にはこういう使い方を考慮した様々なジャンルのサンプルが数多く収録されているため、複数のキーを押すだけで誰でも簡単に作曲が楽しめるというわけだ。2~3つのキーを押さえるだけで、ハリウッド映画で聴くような本格的なオーケストラの楽曲を流すことも可能、エレクトロで使われるようなトラックを作ることも可能なのだ。
といってもわかりにくいので、ちょっとデモを用意した。
以下のオーディオファイルを聴いてみてほしい。

 

これはNexus2で1つのプリセットを読み込んで、3つのキーをただ4小節押し続けたものだ。作曲初心者にとってはかなり面白い道具なのでなないだろうか?DTM歴の長いユーザーからするとちょっと反則じゃないのと言いたくなるような話だが、実際に触ってみると・・・結構面白い。その他にも、スキンを変更して見た目を変更出来るという面白い機能も搭載している。

 

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写真はスキンを黒に変更したインターフェース

 

残念なところ


そんなNexus2だが、やはりデメリットもある。
 
一般的に良く言われるのが、音作りの自由度が低いという点。
バーチャルアナログシンセのように1から音を作ることはもちろん、ここをもう少しこうというような調整もある程度の範囲でしか出来ない。
 
これはPCM音源なのである意味仕方ない部分ではあるが、同じPCM音源でも結構音を加工できるシンセサイザーもあるので残念なところである。
 
二つ目は、マルチアウトに対応していない点。
つまり、複数のトラックでNexus2を使用する為には、Nexus2をトラックの数だけ立ち上げなければならない。そんなに重たいソフトではないのだが、やはりマルチアウトに対応していたら便利なのにな~と思ってしまう。
 
三つ目に肝心の音質。
これは完全に個人的な意見だが、様々なハイクオリティ音源がリリースされている現在、Nexus2のサンプルの音はお世辞にも「凄く良い!!」とは言えない。誤解のないように言っておくが決して音質が悪い、クオリティが低いということではない。それなりのクオリティの音という印象だ。人によっては少し物足りなさを感じるかもしれない。

 

まとめ


アナログシンセ好きや、音を1から作り込みたいユーザーにとっては少し物足りなく感じる点があるかもしれないが、これはこれで面白い音源。
 
筆者の場合は、インスピレーションをかき立てる道具として使用しているが、やっつけで曲を作るにももってこいである(笑)。それなりのクオリティのものがサクっと出来てしまう。
 
価格は$299と、一般的なモデリングシンセに比べると高めではあるが、作曲に慣れていないユーザーにとっても手軽に作曲が楽しめるという点でもオススメできる音源である。

今回はソフト音源 reFX Nexus2のレビューをお届けしました。

 

メーカーサイト


feFX⇒https://refx.com/products/nexus/summary/



Chanoma

Chanoma

アレンジャー/サウンドクリエーター/作曲家
DTM/DAWに関する総合情報サイト「ChanomaのSound Laboratory」運営者。
Twitter: @chanomachanoma
URL : http://chanoma.realfreedom.jp
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