ドラム音源:Steven Slate Drums 4 Platinumのレビュー

[レビュー]ドラム音源:Steven Slate Drums 4 Platinum

ドラム音源:stevenslatedrums4のレビュー・はじめに

「ドラム音源」と聞くと、音楽に詳しくない人は「?」と思う場合が多いと思います。しかし、ミュージシャン、特にDTM中心に制作作業をしている人にとってはかかせないアイテムです。なぜなら、本来だったらレコーディングに何十万円、何百万円かかってしまう+使える音にするために何時間も費やさなければならないドラムサウンドが瞬時に組み立てられて、好きなだけ使用できるわけですから。 そんな中、僕が作品作りで愛用しているドラム音源「Steven Slate Drums 4 Platinum」を紹介します!



・Steven Slate Drums 4を使用し始めた経緯

Steven Slate Drums 4 Platinum (以下SSD)を使用する以前は、さほどドラム音源にこだわってはいませんでした。作っていたデモもプリプロレベルのものがほとんどで、「わかればいい」程度のクオリティで大丈夫、と思っていた自分もいたので。正直、スタジオで生のドラムをレコーディングしない限りはどう頑張っても打ち込み臭くなっちゃうし、本当にリアルな音源は手が出ないぐらい高価なものだと思っていました。 ですがある日、僕自身が曲を作り、ミックスも自分で仕上げる、という仕事をいただきました。しかもかなりの低予算で(苦笑)。ドラムをレコーディングする予算なんてもちろん無い上、手元にあるドラム音源では納得できるサウンドは作れそうになく、かなり焦りました。そしてドラム音源の重要さを痛感しました(笑) その日を機にドラム音源を探し回っていたある日、知り合いの先輩ギタリスト兼アレンジャーが某SNSでSSDを絶賛していたので、SSDのホームページで音源の試聴をしたところ、「こんな生っぽい音のする音源がこんな安価で購入できちゃうんだ!」と驚き、即購入してみました。 最初は音源数が少なく価格も安い「Steven Slate Drums 4 EX 定価:約¥10000」を使用していましたが、大変気に入ったためすぐにフルバージョンの「Steven Slate Drums 4 Platinum 定価:約¥25000」にアップグレードしました。以来、愛用し続けてます。


・Steven Slate Drums 4の特徴ドラム音源:stevenslatedrums4のレビュー

SSDはLAで活動するプロデューサー、ミキシング・マスタリングエンジニアのスティーブン・スレートが自分のドラムサウンドの理想を追求して作り上げたドラム音源です。 ドラムの種類は100以上あり、ロック系を中心としながらジャズ系やエレクトロニック系も備えており、幅広いジャンルで使用することができます(画像参照)。といっても、比率からすると主にロック、ポップス向けだと感じます。 ドラムキットの名前には「Zep」、「Green」等、明らかにツェッ○リンやグ○ーンデイ等の有名アーティストのドラムサウンドを意識したキットもあります。キット名を見るだけでも、ロック、ポップス寄りなドラム音源いうことが明らかです(笑) キック、スネア、シンバル等、各楽器の好みのものを選んでオリジナルキットを作ることもできます。各楽器のチューニング、コンプ、パンの調整も可能です。プリセットキットの中では、予めかなりEQとコンプで加工された「すぐにCDのドラムサウンドが出せる」音源と、レコーディングしたての用な生々しいドラムサウンドから選べます。僕は簡単なプリプロは前者を使用し、じっくり作り込みたかったり、別のエンジニアに提出する場合は後者を使用します。 他に、予めプリセットされたグルーブもかなり用意されているので、気に入ったパターンをDAWにMIDIとして貼付けて使用することもできます(画像参照)。個人的にこの機能はあまり使いませんが、グルーブを繋げるスタイルのドラムパターン作りをする人にとってはかなり使いやすい仕様になっています。こちらに音源サンプルをアップしておきましたので是非聴いてみてください。 http://youtu.be/7pnXYf5JFSU


・Steven Slate Drums 4の気に入ってる点

SSDの一番気に入っている点は、キック、スネア、タムの音色が非常に太く、リアルなところです。僕みたいにJ-POP、ROCKを主に制作する人にとっては曲の中のキック、スネアの存在はとても大きく、二つの音がしっかりしてればしてるほど曲の「軸」がはっきりし、一番聞かせたいボーカルのノリもはっきりします。 逆に、キックとスネアの音が細かったり埋もれがちな音源だとキックはベースに負けて、スネアはアコギ等に埋もれて、曲全体のノリがぼやけてしまいます。SSDはポップスやロックはもちろん、グルーブが命のファンクやR&B、リズムの音圧が大事なハードロック、メタルにも十分対応できます。 僕がドラムを打ち込むときは、人間的なダイナミクスを打ち込みでも出来るだけ再現するためにYAMAHA DTX MULTI12というパーカッションパッド

yamaha-dtx-multiにMIDIキックドラムを繋げて、実際に叩きます(ライブで演奏出来る程うまくは無いですが、、、(笑))。そして叩いた後、ずれた箇所やニュアンスを変えたい部分を手動で調整します。

SSDは楽器一つにつきベロシティに応じたサウンドが何段階もあるので、生のプレイに沿ったダイナミクスが再現できます(もちろん、生のドラム程ではないですが)。SSDはこういった打ち込み方法に気持ちよく反応してくれるので、おかげ満足行くドラムサウンドを短時間で作り上げることができます。 SSDを使用する前まではSonar 8に付属しているSession Drummerや、Toon Tracks EZ Drummer、Toon Tracks Superior Drummer、Native Instrunments BATTERY 4 等を使用していました。劣っている部分はあったりもしますが(カスタマイズの細かさ、ジャンルの幅広さ等)、僕は細かいドラムのカスタマイズ(マイクの距離や種類の調整、部屋の大きさ等)はあまりこだわらないタイプなので、全体的な使用感ではSSDが一番使いやすいです。民族楽器や、少し変わったパーカッションサウンドが出したい時は、違う音源を使います(笑)


・Steven Slate Drums 4の改善してほしい点

サウンド面で改善してほしい点を敢えて言うならば、金物系(シンバル、ハット)の音質ですね。もちろん使えるサウンドではありますが、もっとリアルなシンバル音のする音源は存在します。あと、クローズドリムショットのサウンドバリエーションが無いところでしょうか。バラードで結構使うので。 仕様面で改善してほしい点は、ミキサー部分ですね。エンジニアにドラムトラックを送る時に、多くの場合各楽器をバラバラに送るのですが(スネア、キック、ハット、等)、ドラムキットによってはオーバーヘッド(ドラムの上のほうにあるマイク)にしか入ってないシンバルがあったり、ルーム(部屋鳴りを再現するマイク)になぜか入ってない楽器があったりして、エンジニアに突っ込まれたりして焦ります(笑)キットによってはキックドラムにマイクを3つ使ったりと本格的な設定もあるのに、たまに雑な設定があるのが難点です。 あとは、SSDプレイヤー自体のデザインがやたらいかつくてあまり好みではないところでしょうか(笑)


Steven Slate Drums 4のまとめ

SDの良いところ悪いところを色々とあげましたが、僕が今まで使用したドラム音源では一番しっくりきてます。ロックポップス系の音楽を制作していて、かつ細かいカスタマイズにはあまりこだわらず、すぐに「使える」いい音を出したい人にとってSSDはぴったりだと思います。本格的な作品でも使用できるサウンドだと思いますし、ちょっとしたプリプロで使用するだけでもリアルなドラムサウンドが作り出せます。 そして何より、安い(笑)しかも、さらに半額セールもたまにやっちゃうぐらいの太っ腹。Steven Slate Drums 4 Platinum、 オススメです! 今回はドラム音源:Steven Slate Drums 4 Platinumのレビューでした。


関連サイト

Steven Slate Drums HP
http://www.stevenslatedrums.com



Gentaro Futatsugi

Gentaro Futatsugi

ライター:二木 元太郎(フタツギ ゲンタロウ)
ユニット「fromnou」のギタリストとして活動中。
コンポーザー、アレンジャーとしても活動中。

Twitter:https://twitter.com/fromnou_gentaro
fromnou official website:http://www.fromnou.com
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