SYNTHOGY Ivory IIシリーズは、ピアニストをもうならせる最高峰ピアノソフト音源
との声名高い音源である。
今回紹介する「Grand Pianos」の他にも、「Italian Pano」、「American Concert
D」もリリースされているがその全てが各方面で高い評価を得ている。
機材説明
Ivory II Grand Pianosには、
- Bösendorfer 290 Imperial Grand
- German Steinway D9′ Concert Grand
- YAMAHA C7 Grand
合計3台のグランドピアノを最大18段階のダイナミック・レベルで贅沢に収録。
合計容量は77Gにも及ぶ。
ストリング・レゾナンス共鳴、ハーフ・ペダル、キーノイズやペダルノイズなどもかなりリアルに再現されており、実際にピアノを弾かない人にはわからないような細かな部分まで徹底的にこだわった仕様。その音はまさに本物のピアノである。
ベロシティカーブも自由に設定可能で、リアルタイム演奏も自分好みに調整出来る。
エフェクトも搭載されており、非現実的なピアノの音色を作ることも可能。
収録されている3台のピアノは、どれも名機と呼ばれる高級ピアノ。
その音が1台あたりわずか1万数千円で手に入れることが出来る夢の音源である。
ここで、3台のピアノについての説明をしておく。
・YAMAHA C7 Grand
YAMAHAはピアノを弾いたことのないユーザーでも一度は聞いたことのある名前ではないだろうか?
国内のピアノブランドで、YAMAHAのピアノは世界でもかなり高い評価を得ている。
筆者も幼稚園の時からピアノを習っていたが、自宅にあったピアノもYAMAHA、通っていた音楽教室もYAMAHAの音楽教室だった。
Ivory?に収録されているモデル「C7」はそんなYAMAHAの高級ラインナップで、お値段は約200~400万円。
高音の煌びやかな響きは個人的に大好物である。
最高峰のピアノ音源と言われるIvoryシリーズに国内ブランドであるYAMAHAのモデルが入っていることを日本人として誇りに思う。
・Bösendorfer 290 Imperial Grand
Bösendorfer(ベーゼンドルファー)は、オーストリアのピアノ製造会社で、後の説明で出てくるスタインウェイと並んでピアノ製造御三家と呼ばれているブランド。
1800年代に創業した老舗ピアノブランドだが、実は現在はYAMAHAの子会社である。290は、そんなBösendorferの97鍵盤のグランドピアノで、クラシック等に向いた温かみのあるやわらかい音色が特徴。
一般的なアマチュアピアニストが触る機会はほとんど無いに等しい代物で、定価は・・
・2,000万円。
地方なら土地付きの中古の家が買える金額である。
・German Steinway D9′ Concert Grand
続いてSteinway。こちらはアメリカはニューヨークのピアノ製造会社。おそらく世界で最も有名なピアノメーカーである。ドイツにも生産ラインを持っており、「New York Steinway」と言われたらニューヨーク製、「GermanSteinway」と言われたらドイツ製のSteinwayをさす。
Ivory?収録されているのはドイツ製のD9。非常に豊かな響き。こちらもお値段は1,000~2,500万円。筆者のサイトでピアノ音源の聴き比べアンケートをした時も、栄えある1位がこのGerman Steinway D9′ Concert Grandだった。
Bösendorfer 290 Imperial Grand
German Steinway D9′ Concert Grand
YAMAHA C7 Grand
情報元サイト:結果発表!ピアノ音源聴き比べ。
どうだろう?
単純に考えて、総額5,000万円の名機が約40,000円で手に入ってしまうと考えただけでにやけてしまう。
是非、試していただきたい。中でも筆者の一番のお気に入りはYAMAHA C7。このデモは筆者がマウスで適当に打ち込んだものだが、その辺のピアノ音源とはやっぱりわけが違う。作っていて気持ちい音源というのもなかなか巡り会えないものである
残念な点
正直、このIvory?については音、機能共に100点満点。文句のつけようがない。強いて言えば、収録されている3台のピアノをばら売りして欲しかったという点くらいである。
実際のところ、筆者はほとんどの場合YAMAHAのC7を使い、たまにSTEINWAYを使うくらい。Bösendorfer 290はほとんど使わない。
現在、Ivory II Grand Pianosは約4万円程度で販売されているが、必要なものだけ買えればもう少し買いやすいのにな~と思う。また、本格的なピアノ音源が故、使用できるジャンルは限られてくる。
残念な点というわけではないのだが、用途を考えず評判だけで購入すると失敗する場
合もあるので注意が必要だろう。
まとめ。
最高峰ピアノ音源と呼ばれるIvory?。リアルタイムで演奏するピアニストも打ち込みメインのDTMerも、是非そのクオリティの高さを体感してもらいたい。
今回はピアノ音源 SYNTHOGY Ivory II Grand Pianosレビューをお送りしました。
Chanoma
DTM/DAWに関する総合情報サイト「ChanomaのSound Laboratory」運営者。
Twitter: @chanomachanoma
URL : http://chanoma.realfreedom.jp
Latest posts by Chanoma (see all)
- ベース音源SpectrasonicsのTrilianレビュー - 2014年10月27日
- ストリングス音源 EASTWEST QUANTUM LEAP Symphonic Orchestra Gold Completeレビュー - 2014年10月5日
- ピアノ音源 SYNTHOGY Ivory II Grand Pianosレビュー - 2014年9月17日
Speak Your Mind