マルチ音源:HAlion Sonic 2 のレビュー

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DTMを始めたばかりの人はDAWに付属の音源を活用して曲を作るでしょう。いくつか曲を作っていると付属の音源では物足りなくなり、いろいろなジャンルの音楽にも対応するためにマルチ音源の購入を検討すると思います。

今回紹介するのはSteinberg「HAlion Sonic 2」で、Yamahaと共同開発した2500以上のライブラリーを持つマルチ音源です。

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・HAlion Sonic 2を使用し始めた経緯


僕がDTMを始めた頃、Cubaseに付属のマルチ音源HAlion Sonic SE(音源のサンプルサイズ3GB以上)だけでは満足できなくなり、いろんな曲を作りたいという欲求が高まりました。そしてHalion Sonicを実際に使っている人のインタビューを読み、Yamahaがライブラリーの共同開発をしているということで、世の中に名を轟かせるYamaha製シンセサイザーのプリセットのエッセンスを受け継ぐマルチ音源「HAlion Sonic 2」(以下、HS2)を購入しました。

 

・HAlion Sonic 2の特徴


HS2はマルチ音源(サンプルサイズ14GB以上)なので、あらかじめ録音されたオーディオファイルを元に発音するサンプルプレイバック方式が主ですが、それに加えてバーチャルアナログシンセシス、グラニュラーシンセシス、トーンホイールオルガンシミュレーターがあり、通常のサンプルプレイバック方式のシンセサイズと共に9つのインスツゥルメントモジュール(ディスクストリーミングサンプルプレイバックを含む)があります。

オーディオエフェクトは56種類(内、Halion 3のレガシーエフェクト28種類)あり、Cubase Proに付属のREVerenceというコンボリューションリバーブも内蔵しており、とても使い勝手が良いです。通常のサンプルプレイバック方式では音作りにPitch、Filter、Ampliferが設定できます(自分のサンプルをインポートして使いたい場合は上位機種のHalion 5の購入を検討してください)。演奏にはFlexPhraserという多機能なアルペジエイターがあってプリセットもあり、ビート・アルペジオ・または楽器フレーズに困ったときにも役に立ちます。

さらにプリセットを検索するにはサウンドマネージメントシステムMediaBayが採用されており、Category、SubCategory、Style、Characterで分類されたプリセットは非常に選びやすいです。また、スタンドアローンバージョンも同梱なのでライブ演奏にも安定して使えます。

ここで参考にSteinbergのHAlion Sonic SE 2の音色紹介動画を見てください。SE 2は下位バージョンですが音色を確認するのに大きく変わらないので参考になると思います。

 

・HAlion Sonic 2の気に入っている点


HS2の一番気に入っている点はクラブミュージック向け、エレクトリックミュージック向けのプリセットが多く収録されている点です。クラブミュージックやJ-POP、ボーカロイドのような音楽で分かりやすい音を使って制作している人、例えば本物に迫るようなギタリスト音源や、リアルな交響楽団の音源までは必要でない人にとってピッタリの音源です。もちろんギターやベースのような生楽器の音もあり、HS2は大まかなイメージとしての音に使えます。

これとは別にオーケストラの細かい演奏はHAlion Symphonic Orchstraがありますが容量が7GBほどですので、さらに豊かな表現を求める方には他社製の専用の高級音源を検討されたほうが良いでしょう。

そして前項で書いた9つのインスツゥルメントモジュールの内、Trip、Trium、Auron、Voltageが一からシンセサイズできるモジュールであり、Model-Cは通常のオルガンとして音作りができる点がお勧めしたいところです。この4つのシンセサイザーが操作できるパラメーターは専門のシンセよりも多くないのですが、シンプルで使いやすく、現在最新曲で使われるような音が出る音源だと感じました。

その中でTrium(近代的なバーチャルアナログシンセ)、Auron(最新のグラニュラーシンセ)、Voltage(名機へのリスペクトを込めたバーチャルアナログシンセ)のプリセットを聴いてください。HS2のアウトプットにWAVES L3 Ultramaximizerだけをかけています。

Trium

Trium Photo

 

Auron

Auron Photo

 

Voltage

Voltage Photo

どうでしょう。これらのプリセットは出来上がった音をオーディオとしてサンプリングしているのではなく、シンセサイザーのパラメーターを設定して発音しているので元の設定を自分で操作・修正できる点が優れています。

 

・HAlion Sonic 2の改善してほしい点


HS2は歴代から続く音源で完成度が高くあまり文句はないのですが、1つだけ言うとするならば、オーディオエフェクトが56種類とうたっていますが、それはレガシーエフェクトを含んだ数で重複があるので、それを整理して音を整えるエフェクトだけでなく飛び道具的なエフェクトも欲しいと思いました。

 

・HAlion Sonic 2のまとめ


HS2の良いところ悪いところを色々とあげましたが、リアルで細かい演奏には向いていないのですが、クラブミュージックやエレクトロニックな曲を制作したい人が1つだけ持つマルチ音源にはピッタリだと思います。Yamahaとの共同開発のライブラリはプロの作曲家も使っているそうで、上位機種HAlion 5よりもお手頃なのでぜひ検討してみてください。HS2を購入後、自分のオーディオをインポートしたくなった場合はHAlion 5へのアップグレードが用意されていますので、差額の一万円程度の価格で出来るので安心です!マルチ音源をまだ持っていない人は候補に入れてみてください。今回はマルチ音源:HAlion Sonic 2のレビューでした。

 

関連サイト

Steinberg HAlionSonic2 HP ⇒ http://japan.steinberg.net/jp/products/vst/halion/halion_sonic_2.html

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打ち込みでのエレクトロニックミュージック制作とブログをやっています。

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