チャンネルストリップAVALON DESIGN VT-737spのレビュー

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DTMをしていて楽器やマイクから直接インターフェイスに繋いで録音している人が、[もっといい音でレコーディングしたい!]という時にマイクプリアンプやコンプレッサーを意識するのはよくある事だと思います。今回はそんな方のためにマイクプリ/コンプ/EQを備えたチャンネルストリップAVALON DESIGN VT-737spについてレビューしたいと思います。



 そもそもチャンネルストリップって?

チャンネルストリップとはモジュール方式で組み上げられているミキサー卓の1モジュール分を抜き出したものを言う事が多いです。だいたいプロスタジオのレコーディングではSSLとかNEVEの卓ミキサーのマイクプリやらコンプやらEQを通してレコーディングする事が多いのですが、自宅でもその回路を通して気軽にレコーディングできるように、卓モジュールから抜き出したものを基本的にはチャンネルストリップと言います。

ですがここ最近はDTMやそういったモノをモチーフにオリジナルのチャンネルストリップとして売られているものもあります。AVALON DESIGN VT-737spはファンタム電源やGAIN調整など非常に使いやすく設計されています。


 AVALON DESIGN SP737の購入理由

まさに、自分も今の音よりもよりいい音質でレコーディングをしたいと思った時に楽器からインターフェイスに繋ぐ前にマイクプリやコンプを通したいと思っていたのですが、コンプやプリを一個一個買うより、どうせならマイクプリ/コンプ/EQの全部が合体しているチャンネルストリップを買おうと思ったのです。自分の中ではそこからいくつか気になる機器が出てきました。近い価格帯のチャンネルストリップだと

Drawmer(ドローマー) 1960

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とか

UNIVERSAL AUDIO ( ユニバーサルオーディオ ) / 6176

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なども候補にあがっていました。Drawmer(ドローマー) 1960の印象はわりとアナログ感がありふっくらしてあたたかい感じ(ベースを通した音は結構好きでした)

ただ 個人的にはベーシストで普段AVALON U5というDIを使っているのでAVALONに対して信頼となじみがあったのと、当時ハイファイサウンドを求めていたので 1960よりSP737の方が好みでした。

UNIVERSAL AUDIO( ユニバーサルオーディオ ) / 6176も気になっていたのですが、UNIVERSAL AUDIOのコンプは1176じゃないとやだなという安易なミーハー心があり 結局SP737を購入しました。


AVALON DESIGN SP737の仕様

チャンネルストリップAVALON DESIGN VT-737spのレビュー

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・寸法:482×89×305 mm
・重量:10kg

2つの三極真空管カスケードを備えたクラスAプリアンプ・イコライザー・コンプレッサーそれぞれ1ch分を2Uサイズに収めたシグナルプロセッサーです。入力はMic/Line/Instの3つを持っていて一番左からマイクプリ,真ん中左がコンプ、VUメーターを挟んで右側がEQという並びになっています。


 VT-737spを使ってみて

マイクプリ

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ちょっと写真が見にくくてすみません。MODEの所のボタン上から

  • HIGH GAIN こちらで音量が小さかったらボタンををして音量をあげたり大きかったらボタンは入れずにその2つ左のダイヤルでマイクプリボリュームは調整します。
  • PHASE こちらで別のマイクをたてたりした時にもう一個のトラックとの位相が気になッ多場合等、位相を反転させることが出来ます。宅録ではあんまり使わないかも。
  • ファンタム電源 こちらでファンタムをオンオフできるのでコンデンサーマイクも問題なく使えます。
  • ローカット アコギ等でローが気になる時等に入れて使うとすっきりします。

コンプ 

チャンネルストリップAVALON DESIGN VT-737spのレビュー

その右側にあるのがコンプレッサーです。VCAではなくOptical Comp。いわゆるコンプレッサーに基本のattack/releaseは可変式でhresholdとRaioもきちんと付いています。Theresholdは-30dB~+20dB,Ratioは1:1~20:1まで連続可変。

 

EQ

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Bass : switched 15Hz, 30Hz, 60Hz, 150Hz, +/- 24dB レンジシェルビング 固定

Low mid : variable 30Hz~450Hzスイープ、300Hz~4.5kHzスイープ、+/- 16dB レンジ、Hi/Low Qポイント切り替え式

High mid : variable 200Hz~2.8kHzスイープ、2kHz~28kHzスイープ、+/- 16dB レンジ、Hi/Low Qポイント切り替え式

Treble : switched 10kHz, 15kHz, 20kHz, 32kHz, +/- 20dB レンジシェルビング 固定


 SP737を使ってみての感想

まず見た目がかっこいい!!ギンパネ!近代的!これだけでもAVALONの良さが際立ちますね!ちょっと前に限定のブラックカラーver.もでましたがそちらもかっこいい!

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そしてマイクプリの音の印象は先ほども書きましたがハイファイな印象。上の方にふっくら持ち上がる感じで前に張り付く印象、曲ジャンルにもよりますが歌やアコギ等を前に張り付かせたい時に向いてるなといった印象です。打ち込みトラックやR&Bなども1つ1つの音がくっきりはっきりしているトラックに合いそうな印象です。

コンプの印象は1176のようにそんなにガッツリかかるという印象はないですが、逆にナチュラルにかかっているとも言えます。マイクプリと共にわりとヌメッとした印象。 VUメーターの揺れはあんまりついて来れてないような感じです。
EQはそこまで使ってませんが(録りの段階であまり色づけして後からミックスしにくくなるのが怖くて、、汗)こちらもナチュラルにかかる印象です。

自分が制作している音に関してSP737を使いはじめた後は明らかに音圧が上がって迫力がましました!かなり前に張り付く感じで,なんかプロっぽくなった!という印象です。いままで使っていたインターフェイスのマイクプリも悪くはないのですがVT-737spのプリの方が太い感じです。

不満点と言う程ではないですが、先ほども述べましたコンプがかかっている感じが薄くわりとナチュラルなのでガッツリかけたいという方にはちょっと物足りないかも。自分は後にUREIの1176黒パネを購入したんですが、VT-737spのマイクプリに1176のコンプを繋いだバランスはとても使いやすく良かったです。それから音圧があり全体に広がる印象はありますが、NEVE系のプリのようなザラついたアタック感みたいなものはそこまで感じません。これはキャラクターの違いなので好みの問題ですね。ですのでこの辺りは力強いざらつきとあたたかさがあるNEVE系とハイファイに広がるAVALONという感じで使い分けていくのがいいのかなと思っております。


 まとめ

自分は最初のマイクプリとしてチャンネルストリップVT-737spを購入しましたが、最近はapiに代表されるランチボックス等結構リーズナブルにマイクプリやコンプも出てきているので選択肢も増えてきていますが、なかかなおすすめのチャンネルストリップだと思います。プリやコンプを今持っていないけどほしいって人は是非検討してみてください。今回はチャンネルストリップAVALON DESIGN VT-737spのレビューでした。


関連サイト

AVALON DESIGN
http://www.avalondesign.com/vt737sp.html

代理店:M•I•D
http://www.miyaji.co.jp/MID/product/avalon_design/




takahide azuchi

takahide azuchi

DTM Reviewサイト発起人
ゆるーく時に真面目に音楽やってます。
ベース弾き/作曲/アレンジ/マニュピレート
Studio One/Ableton Liveなど使用
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