今回はとてもお特なバンドルソフトシンセ Arturia V Collection3のレビューをお伝えします。
==機材の説明==
Arturia V Collection 3は、アナログシンセサイザーの名機をソフトウェアで再現した各製品MINI V、MODULAR V、ARP 2600 V、CS-80V、PROPHET V、JUPITER-8 V、OBERHEIM SEM V、SPARK VINTAGE、WURLITZER V、 ANALOG LABORATORYをバンドルした製品です。
==購入理由==
昔憧れていたシンセがソフトウェア音源になっていると知り、いろいろ調べ始めると富田勲氏が使っていた数千万するMOOGシンセがわずか数万円で鳴らせる??? YMOの坂本龍一氏が愛用していた当時数百万するProphet-5が数万円で弾ける??? さらにいくつもセットになって5万円ほど??? これはもう買うしかありませんでした。
80年代のテクノ世代と、アナログシンセを触ってみたいという方にはお薦めです。
==機材のいいところ、問題点==
■MINI V
ベースやリードで一世風靡したMini MOOGが元。当然、昔よく聞いた音がサンプルにたっぷりあります。本家よりうれしいのは、ボリフォニックで演奏できること!でもやっぱりベースで渋く使うことが多い音源です。かなりぶっとい音が出ます。そしてパラメータ類はアナログシンセの基本中の基本なので、音作りの入門にはもってこいでしょう。
■MODULAR V
オリジナルモデルの説明は不要でしょう。GUIでパッチ配線による音作りを再現しています。8ステップのシーケンサーモジュールまで使えてしまいます。アナログの基本は知っていますが、取説読まないと使い方がわかりませんでした。でも、有名な曲のテクノサウンドなんかもあって、いろいろ聞いているだけでも楽しい音源です。本家と違い、ボリフォニックで演奏できます。本物にはない便利な新機能(モジュール)も追加されています。
■ARP 2600 V
Modular V同様、パッチ配線による音作りや、シーケンサーを再現しています。当時のライバル機をわざわざ揃えなくてもと思いましたが、フィルター類がちょっと違うとかあるらしいです。確かにModular Vに比べて煌びやかな音のサンプルが多い気がします。やっぱりボリフォニックで演奏できます。これまた取説読まないと使い方がわかりません。
■CS-80V
元はYAMAHAさんですね。ヴァンゲリス氏が使っていたのが有名だとか。伸びのいい透き通った音が印象的でした。本家のパラメータ以外に、追加されているパラメータが膨大で、覚えるの大変です。スリットの裏からガバッと現れるんです。
実はGUIの遊び部分が面白いんです。スリットを開けるとクーラーファンがくるくる回ってるという。。。。
■PROPHET V
こいつは凄いです。Prophet-5、Prophet-VS、さらに二つのハイブリッドモードがあります。プリセットを聞いてみると、本家に近い音が出ていると思います。ここにも有名な曲のテクノサウンドがあるのでかなり楽しめます。ボリフォニックも本家と同じ5音はもちろん、それ以上の音数出せます。
SONAR X2でVSTで使うと、ダンパーが入りっぱなしになってしまう不具合があります。コントロールチェンジで対応してますが、直してほしい。
■OBERHEIM SEM V
鳴らせばわかるオーバーハイムです。太いざらついた音が出ます。アルペジエーターはシンプルですが、オーバーハイムサウンドと組み合わせるだけで、80年代へトリップできてしまいます。これも本家と違い、ボリフォニックで演奏できます。
■JUPITER-8 V
むかーし、初めて買ったのがRoland SH-2だったので、Rolandなインターフェイスがとても使いやすく、一からの音作りするときによく使います。大好きなModulationのDelayパラメータもありました。矩形波のポコポコ音はほんとまんまって気がします。
■WURLITZER V
エレピの音源。アナログシンセが欲しくて買った人には、興味のわかない一品。私もその一人。エレピはローズ系のが好きだったんですが、ウーリッツァーって有名だったんですね。気にしはじめるとあちこちで聞ける音でした。そんな私がラジオ聞いてて「あ、これ、ウーリッツァー」て判別できるくらい、本家な音を鳴らしてくれます。
■SPARK VINTAGE
いろんなドラムマシン音源を積んでいます。リズムマシンとも呼ばれていた時代の音源もあります。一世風靡したテクノサウンドや、最近のEDMでよく使われる音を網羅しています。DR-808はTR-808似なので、欲しい音を探すのは楽です。ポコポコ懐かしい音から、90’のサンプリング系まで。ステップ入力とソング機能で単独シーケンスも可能になっています。キーアサインもGMを選べるようになっています。
DAWでVSTとして使うときに、勝手にソングやパターンが走るので、止めるのに苦労しました。[Top]のPreferenceからAuto-Song StartをOFFにすればOK。
レビュー書いてて気づいたのですがクレジットに「UVI SoundBank]のロゴがあります。機能次第ではUVIのBeatBox Anthologyでも同じような音が出せるでしょう。
■ANALOG LABORATORY
上記音源のプリセットからいくつかまとめて、使いやすくしたのがラボラトリーです。エンジン自体は同じですから、同じ音が出ます。エディットはそれぞれの音源を呼び出して全パラメータを編集できます。バンドルなので全音源がありますから。単品でラボラトリーを買うと、編集パラメータは絞られます。プリセット音をいろいろ聞いたり、イメージに合う音を探したりするときに便利です。あと、なにげに弾きたいときにも結構使えます。
==他の機材との比較==
UVI Vintage Vaultという、これまた懐かしい音源、Emu EmulatorII、フェアライトCMI、シンクラビア、KORG M1、Roland D-50などをサンプルしたバンドル製品があります。こちらはサンプル音源です。インターフェイスデザインは本家に似せてありまずか、パラメータは本家とは異なります。よく使うフィルターとかエンベロープが触れる程度です。が、サンプルプリセットをちょっといじって使うには、十分です。さらにビンテージマシンの「特に個性的な音」が詰め込まれているので、当時の雰囲気出すにはもってこいです。オーケストラヒットなんか涙ものです。
音をいろいろいじりたい人、アナログの基礎を学びたい人はV Collectionを、懐かしい音がちょっと欲しい人はVintage Vaultを、シンセ大好きな方は両方買いましょう。
今回はソフトシンセ Arturia V Collection3のレビューをお送りしました。
こちらでサウンドをチェックできます!
関連サイト
Arturia
⇒http://www.arturia.com/evolution/en/products/v-collection/intro.html
代理店:HOOK UP
⇒http://www.hookup.co.jp/products/arturia/vcollection/
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