僕の周りでも使っている人が多いSpectrasonicsのソフトシンセ、Omnisphereをレビュー致します。
以下オフィシャルサイトより、「グラディエイター」、「トラフィック」、「Xファイル」、「タイタニック」など、大音量のシアターで再生された時、圧倒的な迫力で客を包み込むサ ウンドを必要とする映画には必ずといっていいほど使われている、Spectrasonicsサウンド。Omnisphereは、エリック・パーシングを中 心に、シンセを愛し、熟知したSpectrasonics精鋭チームがこれまでの経験、アイデアを注ぎ込んだ、現在考えうる限り最も強力なシンセサイザー です。
電球フィラメントの振動、燃えながら朽ち落ちるピアノ、電気のスパークなど、あらゆるものを素材としながら、一級品の サウンドに仕上げるノウハウ。古今東西のシンセの歴史から学んだ強力なアルペジエイター。レイヤー、パッチ切り替えまでシームレスにコントロールできる、 ライブ・パフォーマンス仕様。開発には数年間がかかりましたが、使い尽くすには一生かかるでしょう。
「使い尽くすには一色かかるでしょう」と、書いてありますが、これは大げさではなく莫大なプリセットや音の組合わせ、つまみのコントロールまで使い尽くすことは一生かかってもないと思います。(笑)
★Omnisphereとの出会い
僕とOmnisphereとの出会いはある先輩クリエーターさんの作業場で酔いつぶれて寝ているときでした。(笑)
二日酔いの寝ぼけ眼で先輩の作業を眺めていたのですが、目が覚めるようなシンセサウンドが耳に飛び込んできたのです。真っ先に「この音なんですか?」と聞いたところOmnisphereだ、と。
帰宅後、NETで調べたり他のクリエーターにも聞いてみたところ、やはり音のよさに定評があり、シンセ買うならこいつだな、と思うに至りました。
実際に購入したのはそれから数ヶ月してからでしたが、最初に聞いた時の感動は忘れていませんでした。
★Omnisphereの高すぎるサウンドクオリティ
まず最大の売りとなっているのは間違いなくサウンドのクオリティです。
Omnisphereのサウンドは主に2つのレイヤーを組み合わせて作られています。各レイヤーにアサインされるサウンドソースはシンセベースとサンプルベースで出来ています。通常のシンセサイザーの音と生々しいサンプリングサウンドを組合わせて出来ているのがOmnisphereのサウンドの特徴です。
その結果、圧倒的なクリアで太いサウンドになっています。やはりこのサンプリングのサウンドがOmnisphereのサウンドクオリティの肝になっているんだろうと思います。最初は太すぎたり抜け過ぎたりで実感馴染みづらいくらいでしたが、慣れれば使いやすくなると思います。
今ではシンセ系=Omnisphereというくらいどんな制作にも必須のアイテムとなってしまいました。
★Omnisphereの膨大なプリセット集
シンセというのは慣れないと音作りが難しいものですが、Omnisphereはプリセットがとてもよくできているので、プリセットを選ぶだけでも十分満足のいくサウンドを鳴らすことができます。
ただ40GB以上(PATCH数5000以上!!)の容量を誇るサウンドライブラリーから望みのサウンドを見つけるのは少々時間がかかります。(笑)
PAD系、コーラス系は非常に優秀で他のソフトが必要なくなりました。
ストリングス系もかなりナチュラルです。僕は今までEASTWESTのQLSOを使っていましたが、Omnisphereの方が最初から使える音にできていてラクです。(笑)
あと個人的にガッツのある歪み系サウンドがとても好みです。元々ギタリストなので歪みにはうるさいのですが、やっと求めていたディストーションシンセの音を出すことが出来ました。これは重宝します。
またループシーケンス系のプリセットやアルペジエーターを駆使したサウンドも気に入っています。
アタックやサステインなどは少しいじれば変えられるので、それだけいじればどんな音楽の中でもうまく使えるでしょう。
逆にあまり深いサウンドメイキングを必要としないため、使いはじめて数ヶ月たった今でもつまみに効果などはよくわかっていません・・・(笑)
キーボーディストやシンセに詳しい方からしたら邪道なのかもしれませんが、元々ギタリストの僕にとってはプリセットだけで即戦力になるOmnisphereはとても有能な制作パートナーという解釈をしています。
★操作性
プリセットPATCH数は莫大にあるものの、サウンド志向やジャンルなどによって細かく分けられているためサウンドライブラリーの検索は非常に便利にできています。
また一度使ったPATCHを忘れないようにしておくために5段階の☆マークで使用頻度を記し、忘れないようにしておくこともできます。
サウンドEDITに関してはほとんどしないのですが(笑)、2つのレイヤーのサウンドバランス、やエフェクターの操作などはわかりやすく、アナログライクな人にも取っ付きやすいかと思います。
マルチ音源としてOmnisphere側にもミキサーを搭載しており、1つ立ち上げるにつき、8個のステレオトラックで8種類のサウンドを鳴らすことができます。これも他のソフトに比べ、割とわかりやすい操作かと思います。
★デメリット
重い!それに尽きます。(笑)
僕は購入後、準備期間もなく制作現場で使いはじめたのですが、マルチアウトのセッティングをする間もなく制作が進んでしまい、いくつもOmnisphereを立ち上げた結果、コンピューターが全く動かないという苦い経験をしました。(笑)
マルチアウトでそこまでの負荷はかからなくなったものの、やはり重くて100%スムーズに進められるわけではありません。
特に映画等のBGMの制作ではOmnisphereのサウンドを何重にも重ねてOmnisphereのみで作ることも多々ありますので、そういう時は完成したサウンド、フレーズはマメにAudioデータに書き出して対応しています。
割と普通にやることみたいですが、僕は制作途中で書き出しするのはOmnisphere使い出してからが初めてでした。(笑)
★総評
一家に一台Omnisphere。間違いないです。(笑)
シンセバリバリのエレクトロミュージックからロックやポップスの味付け、ドローンサウンドやノイズを駆使した映画のサウンドトラックまでどんな音楽を作る方にも使えるシンセだと思います。
作り込まなくても良質なサウンドが得られるという点で、普段あまりシンセになじみのないバンドサウンド中心にやっている方に特にオススメです!
関連サイト
Spectrasonics
⇒http://www.spectrasonics.net/index.php
Media Integration, Inc.(代理店)
⇒http://www.minet.jp/spectrasonics/
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