エレキギター:EDWARDS E-FV-100Dのレビュー

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品質の高いギターをもう1本欲しいが、懐事情が厳しい。エレキギターを初めて買うが、どのギターを買えば正解なのか分からない。そのような方々にオススメなのがEDWARDSのギターです。そのEDWARDSのギターから、今回はE-FV-100D (Flying Vタイプ)をご紹介します。

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1. EDWARDSとは


EDWARDSは、ESPのブラザーブランド(廉価版)です。ESPは比較的高額であり、安くて35万円程度、基本的には40~65万円します。

ESPのギターに使われている木材やパーツなどをより安価なものに変更したり、異なる生産体制をとったりすることによって生産コストを削減することで、EDWARDSはESP譲りの高い品質を保ったまま、(基本的には)9~15万円という比較的安い値段で店頭に並んでいます。

廉価版とはいっても、パーツや木材は値段に見合ったものかそれ以上のものが使われており、ESPのものと比べると些か音は違うかもしれませんが、EDWARDSはコストパフォーマンスに長けたブランドだと思います。

ESPのブラザーブランドといえば、EDWARDSよりもさらに廉価なGrass Roots(基本的には4~8万円)がありますが、スペック表を見ている限りだと、EDWARDSに比べると、一気にパーツのグレードが低くなる(とはいっても、決して粗悪なものではないですが)ので、懐に余裕のある場合はEDWARDSを選んだ方が無難なように思われます。

 

2. E-FV-100Dを購入した理由


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メインギターが故障した時の為にサブギターが欲しくなり、赤色のFlying Vタイプで、あまり高額でなくて品質の高いものを探していたところ、EDWARDSのE-FV-100Dに辿り着きました。サブにFlying Vタイプが欲しかったのは、単にFlying Vの見た目が格好良いからです(はっきり言ってそれだけの理由です)。

定価は10万円でしたが、実際に買った値段はもっと安かったです。また、安い値段なのに、ペグにGOTOH、ピックアップにSeymour Duncanが使用されていることも魅力的でした。

 

3. E-FV-100Dについて


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E-FV-100Dは、N-FV-440 LTDの廉価版と言えます。N-FV-440 LTD は、ESPが展開しているNavigatorというフェンダーやギブソンのトラディショナルモデルのコピーモデル中心のブランドの一機種であり、こだわりの木材(マホガニー)の使用や、熟練した技術でラッカーフィニッシュを施すことによって非常に高品質なギターとなっており、その分値段も定価が46万円と非常に高額です。

しかし、E-FV-100Dはパーツの幾つかを変更し、ラッカーフィニッシュを施すのではなくポリウレタン・ポリエステル系の塗料を使用することで、定価10万円という驚異的な低価格を実現しました。

そして、そのようなコストダウンを行っているにもかかわらず、木材はマホガニー、ピックアップはSeymour Duncan SH-1n(フロント)・Seymour Duncan SH-4(リア)と、サウンドの中核を成す部分はN-FV-440 LTDと全く同じものが使われています(ピックアップに関しては、金属カバーはありませんが)。

 

4. 気に入っている点や使用した感想など


気に入っている点は、見た目と品質の高さと軽さです。見た目に惚れ込んで購入したので、見た目を気に入っているのは当然のことですが、買ってから今までの1年半、ネックも殆ど反らず、ペグも全く軋まなかったのは品質の高さによるものだと思われます。作りの良さ・パーツの良さが相俟った結果であるとも言えます。

また、Flying VタイプのギターはE-FV-100Dを含め全長が非常に長いのですが、その割にはとても軽いので取り回しはし易かったです。

ナット幅が40mmのためか、握りこみ易かったです。ヘッド落ちはFlying V特有の問題ですが、E-FV-100Dも勿論ヘッド落ちはします。

しかし、右腕と胴体でボディーを挟み込むような意識で構えると、案外ヘッド落ちは気にならないです。音については、見た目に反して、尖った音ではなかったです。

フロント・リア共にやや角の取れた丸い音で、ほぼ全てのジャンルに適すると思います。但し、コモり気味になることが多く、前に出にくい音になりがちなので、音作りをきっちりする必要があります(ジャンルや弾き方の問題なのかもしれないので、これを悪い点に含める気はありません)。

 

5. 改善の余地がある点


改善の余地があると思う点は、ストラップピンの位置の(決め方の)中途半端さです。

以下の写真は、上からEpiphone の1958 Korina Flying V(本家Gibson “1958”リイシューモデル)、Gibson USA Flying V(現行モデル)、E-FV-100Dです。

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本家Gibsonが世に送り出しているFlying V(現行モデル)のストラップピンは、ネックジョイント部中央・ボディーの股の内側にあるのですが、E-FV-100Dの場合、ネックジョイント部中央・ボディーの股の先端にあります。本家Gibsonのストラップピンの位置を完全に踏襲するのではなく、半分、それも悪い方のみを踏襲した上、良い方は変えてしまっているのです。ネックジョイント部中央にあると、ハイポジションが弾き辛く感じます。因みに、本家Gibsonが1958年に発売したFlying Vは、ストラップピンがボディーの左肩に付いています。(Gibson “1958”のオリジナルモデルの写真で分かりやすいのが見つからなかったので、Epiphone の1958 Korina Flying Vの写真を載せましたが)

また、ボディーの股の先端にあると、ギターを地面に立てかけた時に、やや不安定になりますし、個体差や各人の弾き方もあるので何とも言えませんが、重量バランスの関係でヘッド落ちが起きやすくなるような気もします。何らかの事情でGibsonのストラップピンの位置を完全に踏襲出来なかったのかもしれませんが、中途半端に踏襲してしまったせいで、弾き易さや扱い易さが減じてしまっているように思われます。

 

6. まとめ


ここまで、E-FV-100Dの気に入っている点や使用した感想、改善の余地がある点についてお伝えしました。ストラップピンの位置という些末な点を大きく取り上げ、辛辣な評価をしてしまいましたが、やはり、弾き心地(ハイポジションの弾き易さ)は大事だと思います。

しかし、それを差し引いても、良い買い物をしたと思っています。手に取りやすい価格であるにもかかわらず、ESP譲りの高い品質を保持しているのは素晴らしいことです。

もう1本高品質なギターを欲しい方や初めての1本を探している方に、EDWARDSのギターはオススメです。(E-FV-100Dに関しても、改造してストラップピンの位置を変えると、とても弾き易いギターになるはずなので、改造に抵抗のない方にはかなりオススメです)

 

7. メーカーサイトリンク


EDWARDS
http://www.espguitars.co.jp/edwards/

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森井裕

森井裕

ギター弾き。シンセサイザーも時々弄ります。
ディレイの発振音とうどんが大好物

≪連絡先≫
Twitter @yymolly(https://twitter.com/yymolly)
森井裕

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