DTMをやっているとコンプレッサーによる音色の変化にハマる人も多いでしょう。既に使えるコンプが あるのに新たにコンプを購入するというのはDTMerあるあると言えるのではないでしょうか。今回は nomad factoryのコンプレッサープラグイン、Bus driverについてレビューします。
スポンサーリンク
1.購入理由
1年前のゴールデンウィークにメディアインテグレーションでNomad Factoryのプラグインがセールしてました。中でもBus driverは格安でセールしていたので、ついで買いしてしまいました。既に持っていたWAVESのコンプレッサーでも十分に音作りが出来ましたが、違う質感のプラグインを試してみたいと思っていたところなのでちょうど良いタイミングだったのかもしれません。
2.機材の説明
~Nomad factory Bus driver~
・TUBE DRIVER:サチュレーション・レベルを設定(0〜10.0)
・METER:中央のVUメーターの表示を切替(ゲイン・リダクション/入力レベル/出力レベル/オフ)
・RATIO:レシオ(圧縮比率)を設定(2:1/4:1/8:1/リミッター)
・COMPRESSION:コンプレッション・レベルを設定(0〜10.0)
・Input:入力レベル(ゲイン)を設定(-12〜0〜+12dB)
・Output:出力レベル(マスターボリューム)を設定(-12〜0〜+12dB)
・Mac OS X 10.8.5-10.11
・Windows 7, 8, 10
・AU、VST (2.4)、各32/64bit、RTAS (Pro Tools9〜10)、AAX Native(32/64bit)
※インストーラのダウンロード、およびオーサライズ時にインターネット接続環境が必要。
3.機材のいいところ
3-1.絶妙な塩梅のサチュレーション
いわゆる音質調整のためのコンプレッサーとは違い、このBus driverはコンプによる色付けを加えたり、歪みを得るためのプラグインといっても過言ではありません。ちなみにTUBE DRIVERが0だとクリーンなサウンドになります。サチュレーションとコンプは完全に別と考えて良いでしょう。
TUBE DRIVERを時計回りに回していくと徐々に歪み始め、3~5ぐらいで適度なサチュレーションが得られます。近年のレコーディング機材は技術の進歩により比較的綺麗に録れます。しかし録音したテイク をDAW上に並べて、ミックスで混ぜた時に綺麗がゆえに目立って馴染まないということがあります。そういった際にこのBus driverをトラックに挿入し、TUBE DRIVERで淡い歪み:サチュレーションを加え ることで、音にいい意味で汚しが入りアンサンブルに馴染みやすくします。無機質な印象のベースのライン録りテイクやコンデンサーマイクで録音した綺麗でダイレクトなボーカルやアコギなどに有効です。ちなみに8~10ぐらいに設定するとバリバリと歪み、サチュレーションとしては結構歪みが強い印象です。
3-2.ざっくりとしつつもまとまりのよいコンプレッション
通常のコンプレッサーに搭載されているアタック、リリースはありません。またスレッシドもInputの ゲイン量で調整する仕様となっています。さらにRATIOの圧縮比率は2:1/4:1/8:1/リミッターの4パ ターンのみで細かい調整に向いているとは言えません。
しかし意図してコンプで作り込んだ音を狙う場合についてはその効果を発揮します。コンプレッショ ン・レベルを上げることで大きいところが潰れつつ、小さいところの音量が上がるため、音圧が上がります。またアタックは比較的遅め・リリースは早めのため、楽器本来の発音を保ち、コンプを通すことによって音が鈍くなる、音抜けが悪くなるということがありません。圧縮比率が8:1もしくはリミッターの時は音がぐっと締まった感じになり、ドラムの太鼓類(バスドラム・スネア・タム)に使うとロック系の太いサウンドに仕上げることができます。音色としては浅はかですが「男らしい」という言葉が似合います。 笑
4.使用例
4-1.スネア
スネアにBus driverをかけると胴鳴りが強くなり、音が太くなりました。さらにTUBE DRIVERでサチュレーションを加えることにより、スナッピーのシャリ成分やスネアヘッドのアタックがより際立たせることが出来ます。ロック・ラウド系のカンカンしたスネアサウンドを作りたい時はBus driverを使うことを想定してマイクを鋭角に立てているぐらい、レコーディングの時点でBus driverでの音作りを意識しています。効果が分かりやすいドラムに挿すことがコンプレッサーの醍醐味ですが、Bus driverはキャラクターの強いプラグインであるため、特にその面白さを感じることでしょう。
4-2.エレキギター
JC-120から出るエレキギターのカッティングの音をコンデンサーマイクで収録しました。何も手を加えない状態でも、ある程度音にハリがあったのですが、楽曲の中でもう少しパンチを出すためBus driverを挿入してみました。コンプによって音が厚くなり、TUBE DRIVERでサチュレーションを加えることにより、足りなかった歪み成分が追加し、チャッキっとしたカッティングになりました。
5.注意点
バスドラムや5弦ベースなど、レンジの低い低音とサチュレーションはあまり相性がよくありません。サチュレーションで歪ませることにより、中音域が厚いサウンドになりますが、その分ローエンド、ハイエンドが削られてしまうため、バスドラムや5弦ベースは迫力が失われてしまいます。そのため、これらの低音パートに使用する場合、TUBE DRIVERは0にする必要があります。
ちなみにハイハットやシンバル類などがドラム全体からみて飛び出ている場合にサチュレーションをかけると角が取れた印象になり上手く馴染みます。
6.まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか。
Nomad factoryのプラグインはアナログ感があり、効き方の強いのでトラックをガンガン追い込んで音作りしたい方にオススメです。チューブ感を付加することにより、楽曲を温かい印象に出来ますので、DAWに取り込んで試してみて下さい。
•国内代理店:Media Integration, Inc.のリンク
http://www.minet.jp/brand/nomadfactory/bus-driver/
スポンサーリンク
宮脇拓也
現在作曲に没頭中。
Latest posts by 宮脇拓也 (see all)
- iPhoneで作曲!iOS Garagebandのレビュー - 2018年1月10日
- ボーカルブース DIY 講座 - 2017年10月29日
- Vegas レビュー - 2017年10月25日
Speak Your Mind