音楽クリエイターにとって、Neve(ニーブ)と言えば誰もが憧れるアウトボード!そんなNeveのもっとも指示されているマイクプリ/EQで1073という製品があります。実機を購入すると中古で50~100万はしてしまう1073ですが、最近は様々なメーカーからこの1073をシミュレートしたプラグインが発売されています。今回はそんな1073プラグインの比較を実際の音を聴きながら、実機も経験している筆者の意見を交えてお届けしたいと思います。
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Neve1073シミュレートプラグインの紹介
それでは今回比較してみる1073を紹介します。
1.URS N4 Series
おそらくもっとも早い段階でNeveをシミュレートしたプラグインだと思います。正直最近はあまり話題にあがりませんが、前々からの個人的な印象としてはなかなかNeveの質感を掴んでいていいプラグインだなという印象はあります。
2.UAD-2 Neve 1073 Preamp & EQプラグイン
UADのプラグインはかなり定評があり、こちらのNeve1073もかなりいいと評判! なんですが筆者はこの機材を持っていなく今回は比較出来ていません。申し訳ないです。
以前Windowsで使っていたUAD-1なら持っているんですけどね、、、iMacだと使えなくて、、、ぶつぶつ、、
3.IK Multimedia EQ73
2014年の春に発売したIK Multimediaからの73シミュレートです。おなじくEQ81も発売されています。(写真はEQ81)IK Multimediaの製品はリーズナブルなイメージがありますが果たしてシミュレート具合はいかがでしょうか。
4.Waves Scheps 73
Wavesから2014年初頭に発売されましたScheps 73です。以前から V-SeriesというNeveシミュレートプラグインもありますが、こちらはルックスや色がNeveぽくないので(笑)今回はScheps 73を比較にしました。Neve好きはあのルックスも大事だと思うので。
5.Slate Digital VMR(Virtual Mix Rack)
最近なにかと評判がいいSlate DigitalのNeveシミュレートです。Slate Digital製品もIK Multimediaと同じようにリーズナブルなイメージがありますが、サウンド的にはなかなか評判がいいですね。
いざ、Neveシミュレートプラグインの比較!
自分が普段アウトボードでNeve1073を使っていたときはマイクプリとして使いEQは基本フラットにしてあとからEQをいじる事が多かったので今回もそのときと同じように基本的には
マイクプリとしてボリュームを上げたときのサウンド感を比較してみたいと思います。聴きやすくするためにリミッターはかけています。おなじマイクプリのシミュレート比較と言う事でかなり差が微量ですのでヘッドホン、イヤホンで試聴することをお勧めします。
比較はドラム音源BFD3を使っています。
それではまずはなにもプラグインをかけていないフラットな音です。
シンプルな音です。
それでは次はURS
ローが少し持ち上がってふっくらした感じがNeveっぽさを出していて印象的には悪くないです。
次にIK Multimedia EQ73を試してみましょう。
URSよりも少し上に伸びがある感じ、というか逆にURSが下に少がすこしもこもこした印象なのかもしれないですね。カラッとしたアタック感があります。
IK Multimedia EQ73はなかなかいいバランスな気がします。
次はWaves Scheps 73
最初いじった時に、Neveのマイクプリノブをまわしても音が変わらない???
ノブではなく右側のフェーダーでマイクプリレベルをいじるんですかね?
ちなみにDRIVEモードの時はノブが生きるんですが、、、今回はフラットなマイクプリの比較なので、、
音の印象はWavesの中域にまとまる印象がありちょっとざらつきが強いかな。でもNeveのふっくら感はありますね!
最後にSlate Digital VMR(Virtual Mix Rack)
ふむふむ、.Slate Digitalっぽいバランスよく広がる印象があります。倍音が多いというか心地よく伸びていく感じ。ハイファイだけどいたくない今っぽいサウンドという感じです。
比較してみて感想
すべてのプラグインに言える事ですが、Neve1073っぽさは、確実に持っていますね。実際使ってみて、「おーNeveぽくなったぞ!そうそう!この感じこの感じ!」という印象は受けました。
ただ73のアウトボード自体に個体差があるので一概には判断出来ないのですが、僕個人の印象ですが、使いやすいなと思ったのはSlate Digital VMRが一番バランスがいいなと思いました。
ただこの判断はNeveっぽいという判断と言うより、この後のミックス作業、音の作り方がしやすそうだという意味です。
それに次いでIK Multimedia EQ73もなかなかいい印象でした。IKの方がSlate Digital VMRよりアタック感がある印象です。アタック感があることで前に出したいときや個性を出したいときはこっちの方がいいのかなと。
1073っぽいと言う意味ではSlate Digital VMRよりIKの方が近い気がします。
URSも悪くはないですが、Slate/IKと比べると少しこもる印象でミックスがしにくいかなと言う印象がありますが、そこはEQ処理でなんとかなるかもしれません。Neveっぽさは全然持っていると言うのと、
かなり昔からシミュレートしていたという点でなかなか優秀なプラグインだなと思います。
Waves Scheps 73は僕がうまく使いこなせていないのか、というのも今回はDEMOを試したので音をうまく作れきれなかったかな。右側にフェーダーがあるのがシンプルな見た目でなく、なく個人的にはNeve1073のシンプルさとは少し違う印象になってしまうがあるプラグインかなと。比較した中では一番個性的な印象です。
見た目の判断!
先ほどルックスも大事と言いましたがScheps 73は色はNeveですけど、赤いノブの形は73ぽくないんですね。
左上 IK
左下がURS
真ん中がSlate digital
そんなささいな事でも意外と使う方の気持ちは変わってくるんだなぁとちょっと我ながら勉強になりました。
右はWavesなんですけど赤いノブの形がIK Slate digitalの方が実機に近い感じです。そういう意味でIK MultimediaとSlate Digitalの方が好印象です。これは実機を触っていない人にはあまり関係ない事ですが、実機ファンとしては意外と大事なんです!
値段で比較
Slateはいくつかのアウトボードシミュレートがセットになったプラグインバンドルなのでお得ではありますが2万前後と少し高いのですかね。(昔の事考えれば全然安い時代ですが)
IK MultimediaはEQ73が単品で1万ほどなのですが、
私はIKのよくある1つ買うと5つのプラグインをゲット出来ると言うセールにまんまと流され購入したのでなかなかリーズナブルに購入出来ました。もちろん購入してよかったなと思える製品でしたよ。
Waves Scheps 73も単品では安いですが、Wavesはサポート受け続けるには定期的にお布施をしなければいけないシステムがどうも嫌でちょっと考えてしまいますね。
UAD2は本体DSPを購入して、NEVEプラグインをを追加で購入すると考えると他のNeveプラグインと比べると圧倒的に高価になってしまいます。その分DSP処理でのCPUの分散処理と他の1176などのプラグインも使えるし、圧倒的に評判のいい73シミュレートも手に入りますけど、(実際筆者の周りの第一線で活躍しているクリエイターはUAD2を使っている人が多いです)
まとめ
今回はNEVEのシミュレートプラグイン比較を行いましたが、気になっている方は実際どの製品も優秀だと思うので個人的にどのメーカーが好きか、どれが自分にとって使いやすいか、値段と比較して是非取り入れていただけたらと思います。
実機のNEVEシミュレートアウトボードもたくさん出ているのでそちらも是非トライしたいですね。(もしくはどなたかお願いします。笑)
今回UAD2を比較出来ないのが非常に残念で申し訳ないのですが、いつか追加で比較したいと思います。
以上NEVE1073シミュレートプラグインの比較レビュー ~Slate Digital/IK/waves他~をお送りしました。
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takahide azuchi
ゆるーく時に真面目に音楽やってます。
ベース弾き/作曲/アレンジ/マニュピレート
Studio One/Ableton Liveなど使用
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