モニターヘッドホンAKG K171 Studio のレビュー

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みなさんは音楽制作をするときに、どんなヘッドホンを使っていますか?使う用途や目的によって何台も持っている人もいるかもしれません。
今回はそんなみんな大好きなヘッドホンの中から、モニター用ヘッドホンの代表的ブランドAKGのスタジオモニターK171のレビューです。

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モニターヘッドホンAKG K171 Studio のレビュー

 

目次

  • 購入のきっかけ
  • いいところ
  • よくないところ
  • Sony MDR-CD900STとの比較

 

・購入のきっかけ


私がK171を使うようになったのは、PAのオペレーターを始めたころ、ライブのモニタリング用に遮音性の高いものが欲しかったからです。ライブだとスピーカーからの生音が大音量で鳴っているので、遮音性が悪いとヘッドホンの音なのか、外音(PAスピーカーの音)なのかわからないんですよね。
とりあえず楽器屋さんに行き、大量に陳列されているヘッドホンをひとつひとつ手に取り、何も再生せずにどれくらい周囲の音を遮音してくれるかを聴き比べしました。そして、一番遮音性が高かったのが、このAKG K171だった、というわけです。

・いいところ


音はいわゆる「モニター的」と言われる正確な音です。高域から低域までバランスよく再生してくれます。低域の鳴り方はとても上品ですが、ズンズン鳴るような暴力的なベースサウンドではありません。このヘッドホンに対して「低音が出ない」という評判を聞くことがありますが、けしてそんなことはありません。低域は過度に強調することなく、フラットな特性で、音源のあるがままの姿を見せてくれます。低域を強調することを前提に作られているような音楽、たとえば最近流行りのEDMなんかを聴くと、ちょっと物足りなく感じてしまうときはあるかもしれません。

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AKGのヘッドホンは交換パーツが豊富です。イヤーパッドは時間が経つにつれどうしても劣化してきますが、交換用のイヤーパッドもあります。ケーブルもミニキャノンタイプのコネクタで着脱が可能なので、ケーブル断線といった事故にも対処することが可能です。この辺はスタジオでのハードワークを意識していますね。私はAKG純正のケーブルを使用していますが、人によってはヘッドフォンから延びるケーブルを、より高級なものに交換してモディファイすることもあるようです。こうしたリケーブルが手軽に楽しめるのも、良いところですね。
また、モニター用ヘッドホンとしては比較的小型で軽く、持ち運びにも便利になっています。私はライブPA用に使っていたので、持ち出すことが多かったので、こういった点はとてもポイントが高いです。

・無骨な黒と銀のデザインも個人的には大好きです。ハウジングの曲面はとてもきれいで、ついつい手にとりたくなります。プラスチックのマットな質感も良く、安っぽく感じることはありません。

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・よくないところ


このヘッドホンがなぜ遮音性が高いかというと、いくつかの理由があります。まず密閉型である、ということ。そして耳に乗せるタイプであること、最後に、とにかく側圧が強い、ということ。
これらはモニター用途として周囲の音を聴かない分には良いのですが、密閉性が高いので、どうしても耳が蒸れてきます。ですので、長時間の連続使用には向きません。人によっては長時間つけていると、蒸れてくるだけでなく、高い側圧によって耳も痛くなって来たりすることがあります。イヤーパッドが少し固めなので、欲を言えばもう少し柔らかければいいのに、といつも思います。
しかしながら、やはりリスニング用途というよりも、やはり音楽制作・レコーディングやライブPAのモニタリングとして使うべきでしょう。

このヘッドホンには、ヘッドホンを頭から外すと再生されなくなる「ミュート機能」がついています。ヘッドバンドが引っ張られた時だけ音が出るような仕組みになっているのですが、これがけっこうおせっかいな仕組みなんです。例えば、片耳だけモニターしたいとき、単にハウジングの部分をずらして耳に当てるだけでは、ヘッドバンドが伸びていないので音は聴こえてこないのです。もう反対側のハウジングを頭にひっかけるなどしないと片耳モニターはできません。そして、女性など頭が小さいひとは、ふつうにつけてもヘッドバンドが伸びず、ミュートされたまま音が再生されないことがあります。

・Sony MDR-CD900STとの比較


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音楽制作用のヘッドホンとしては、Sony MDR-CD900STが有名ですが、AKG K171とは良い意味で対照的です。CD900STは、どちらかというと4kHzくらいの高音域に特徴があり、小さい音量でもボーカルやギターなどがはっきり認識できます。一方のAKG K171は250Hzくらいの中低域が特徴的で、ベースやドラムなどが繊細に表現されます。インピーダンスはCD900STの方が少し高く(CD900ST:63Ω、K171:55Ω)、ヘッドホンアンプのツマミを同じ位置にしたときには、K171の方が大きな音量になります。
CD900STはエージングによる音質の変化が少ないと言われていますが、K171はエージングによる違いが出てきます。最初は高域がすこし硬く立ち上がりが鋭い感じがしますが、使い続けていくうちに柔らかく耳馴染みの良いものに変わってきます。

K171は、900STに並ぶスタジオモニターヘッドホンの名器であり、これからも多くのひとに愛されることと思います。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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関連サイト

AKG K171 Studio
http://www.akg.com/pro/p/k171-studio

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