普段制作で使っているPC内部のソフトシンセやプラグインをライブでも使いたいと考えている方へ
本記事ではソフト音源やプラグインエフェクトをライブで使うためのMac専用ソフトApple MainStage 3のレビューをお届けします。
Ableton Liveのようにシーケンサを使ったライブパフォーマンスが出来るものではなく、キーボードやギターでの生演奏のサポートに特化したソフトです。
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購入理由
私はバンドでキーボードを弾いていて、Main Stage導入前はKORG M50というワークステーションタイプのキーボードを使っていました。しかし後継機のKROMEの存在を知ってから、この2008年製キーボードの音に満足がいかなくなってしまいました。(買った当時は)
しかし新しくキーボードを買うにも最新のものでは10万はかかってしまい、高校生の私にはとても手が出ませんでした。
そこで、いつも曲作りに使っているソフトシンセをそのまま使えないだろうかと考え、DAWよりも安定性の高いMain Stageを導入しました。
主な機能
Main Stage3には26GBを超える音源やエフェクトが付属しています。また、これらすべてにLogic Pro Xと互換性があるため、Logic Proで作ったパッチをそのまま読み込んで、さらにMain Stageでエディット、使用することも可能です。
音源のデモはAppleの公式サイトで聴くことが出来ます。
⇒https://www.apple.com/jp/mainstage/plugins-and-sounds/
今回はこの付属音源についてが本題ではないので深く紹介はしませんが、どの音色も最新のPCMシンセに負けてないサウンドだと感じました。これだけでも3000円以上の価値があると思います。
起動すると、各楽器の様々な演奏スタイルのテンプレートが表示されます。今回はキーボードを選択します。
編集ページでは主にパッチのエディットと、コントローラのアサインをします。パッチを変えたいときは、左側のパッチリストから変更したいパッチを選択することで、画面下のパッチライブラリからプリセットやLogic Proで作成したパッチをロードできます。
パッチの細かいエディットをしたいときは、右側チャンネルストリップで各プラグイン画面を開くことができます。
他社のプラグインを使って新しくパッチを作る場合は、パッチリストの「+」ボタンで空のパッチを作成しチャンネルストリップを画面右上「+」ボタンで追加して「インスト」を選択すれば、プラグインを選択できます。
一つのパッチに複数のチャンネルストリップを追加すれば、「レイヤーエディタ」をつかって複数の音色を重ねたり、複数の音色を一つのキーボードで別々に使用することができます。キーボードの左半分をバッキング用に、右半分をリードにしたりできるわけです。
面白いのが「フローティング」という機能。例えば「ここの鍵盤はほとんどバッキングに使うんだけどキーボードソロのときだけリードに使いたいんだよなぁ」なんていうとき、リードの元のレイヤー範囲で弾いている
音の1オクターブ下まで、自動的にレイヤー範囲を拡張してくれます。簡単にいえば空気を読んでくれる機能です(笑)
上手く設定をしておけば、多少のアドリブなら対応することができるので便利です。
また、オーディオパッチを追加しておけば、ギター演奏へスムーズに移行できます。「ライブでは少しだけギター弾きます」というキーボーディストも多いと思うので、キーボードもギターも一括で管理できるのは便利だと思います。ギタリストも、ハードウェアには無い飛び道具的なプラグインを使えて便利かも。
レイアウトページでは「スクリーンコントロールパレット」の追加や編集ができます。パレットの追加やリサイズ、削除も難しい操作はなく、ドラック&ドロップを中心に感覚的にエディットが可能です。テキストで歌詞を表示することもできます。
MIDIコントローラでパラメータ操作をするには、ここでパレットの追加をして編集ページでアサインをする必要があります。もちろんMIDI Learn対応なのでスムーズにアサインすることができます。
実際ライブで使ってみているソフト音源
・Ivory II Italian Grand
FAZIOLIの最高モデル「F308」をモデリングしたグランドピアノ音源。 Steinwayのモデリング音源と比べて癖のないはっきりした音が鳴り、どんな ジャンルでも扱いやすいと思います。
・Scarbee JAY BASS
スラップ、指引きのジャズベース音源。とてもリアルで太い音です。 さすがにこれで一曲ベースを担当したわけではないですが、スラップ音色 でベーシストとソロの掛け合いをしてみたり有名なベースリフを弾いてみた りすると盛り上がりました(笑) こういった制作用の音源も気軽に飛び道具的に使うことができるので、面 白いですね。
良いところ
・自分に合ったステージキーボードができる
各電子楽器メーカーから、高い安定性と高品質な音源を持ったステージキーボードが販売されていますが、キータッチやボタン、ノブの位置などは人それぞれ好みがあると思います。Main Stageなら好きなMIDIキーボード、好きな音源、好きな画面のレイアウトのステージキーボードを作ることができます。
・DAWより安定性がある
演奏に必要な機能だけがそろっているためDAWより動作が軽く、レイテンシも短くできます。私の環境(MBP13 mid2012/2.5Ghz/16GB)ではフリーズしたり落ちたことは無いです。
悪いところ
・VSTは使えない
Main Stageで使えるプラグインはAudio Unitのみです。Logic Proを使用している場合は問題ないのですが、普段VSTを使って音楽制作している方は気をつけてください。
まとめ
正直、購入する前は「べつにLogic Proでプラグイン開けば演奏できるじゃん」と思っていましたが、安定性が段違いですしパッチのエディットもスムーズに行えるので今は重宝しています。
特に難しい操作もなく、Logic Pro使用者でなくてもすぐ使いこなせると思います。
「ソフトシンセは安定性が心配…」という方もぜひ使ってみてください。すぐにライブで使いたくなるはずです。
リンク
Apple MainStage 3製品概要
https://www.apple.com/jp/mainstage/
Mac App Storeで3000円で購入可能です。
https://itunes.apple.com/jp/app/mainstage-3/id634159523?mt=12/
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