DTMをする上でエレキギターの音は様々なジャンルで必要になると思います。しかしこの世にはギターを弾けないDTMerがたくさんいるはず。練習するにも、思い浮かんだフレーズをささっと弾けるようになるまで何年かかるか分かりませんよね。安くてリアルなギター音源はないものかと探していたら、このARCHTOP:HOLLOWBODY ELECTRIC GUITARを見つけたので紹介しようと思います。
スポンサーリンク
Archtop(フルアコ)ギターとはアコギのようにボディが空洞になっているエレキギターのことです。音の特徴は、よく「甘く太い」とか、「やわらかい」などと言われています。そのためジャズによく使われるギターです。
サスティーンがソリッドギターと比べて短いですが、長所とするか短所とするかは、音楽のジャンル次第でしょう。
購入理由
- 比較的安い
国内代理店での販売価格は¥18,813と安価ながらKONTAKT PLAYERで動作します。同価格帯のギター音源では、Real Guitarシリーズなどがありますが、このシリーズは動作が軽いこと、MIDIループがたくさん収録されていることが強みで、音のリアルさでは他のギター音源に負けていると感じました。
- 幅広いジャンルに対応できる
ジャズギター音源とは言われているものの、トーンmaxにしてあげれば十分ロックやポップスで使える音です。「フルアコってフィードバックが起きやすいからギンギンに歪んだロックサウンドは作れないじゃん」という悩みもソフト音源においては不要ですね。
主な機能
基本的な音作りはPERFORM画面のTONEノブとBLENDノブを使います。TONEのレンジは結構広めです。PICKUPスイッチの隣のSTEREOスイッチはフロントピックアップの音を左に、リアを右に送ります。
画面中央のARTICULATIONSで使用する奏法を選択します。
左から、サスティーン(ピッキング)、オクターブ(指弾き)、ブリッジミュート、スタッカート、ハンマリング、スライド、トレモロ(マンドリン奏法)、ハーモニクス、と実用的な奏法がずらりと並んでいます。指弾きのオクターブ奏法が入ってるのはジャズギター音源ならではですね。
奏法ボタンの下の文字を押すかARTICULATIONS画面で各奏法の調整ができます。ベロシティスイッチ、キースイッチの割当はもちろん、MUTEの効き具合まで変えられちゃいます。またビブラートはサンプリングとLFOの二種類から選ぶことができます。
その下にはアンプ、オーバードライブ、コーラスなどのエフェクターがあります。こちらもボタンの下の文字を押すとエフェクトのパラメータをいじることができます。
画面左下のSTRINGSを使えば鳴らす弦を強制することもできます。
FRETBOARD画面を見ながらMIDIキーボードでフレーズを弾けば人間が弾けるフレーズなのか確認できます(笑)
MIN MAX FRET PREFERRENCEでは、STRINGSの選択が自動の時、どの弦のどのフレットを使うかを調整します。MAX値を大きくしていけば高音を低音弦のハイポジションで鳴らすようになります。つまりジャズっぽくなるわけです。
メインのライブラリとは別に「Neck&Pick FX」というライブラリが付属していて、計28個のFXが収録されています。併用すればさらにリアルにすることが出来ます。
良いところ
- ベタ打ちでも十分リアル
むしろほとんどベタ打ちでOKです。フレットノイズ、ピッキングノイズなどが自動で鳴ってくれるし、ハンマリングもレガートしたときに自動的に鳴ります。ハンマリングは適応フレット間を1~3ぐらいにして少々大げさに使えば、よりギターらしくなります。
適当に鍵盤で弾いたものです。エフェクトは何もかけていません。
- 各奏法の調整の自由度が高い
ベロシティスイッチは自分で範囲を指定できるし、キースイッチもノートナンバーを指定できます。専用音源ならではだと思います。
さらに素晴らしいのは、オンにした奏法のサンプルのみをロードするというところ。総容量3.7GBとなかなかでかい音源ですが、使わない奏法はオフにすることで軽量化できるわけです。
- 画面下部のヘルプ
各パラメータにカーソルをあわせると詳しい解説が出て便利です。
邪魔にならないように画面下部にあるのもありがたい。
クリプトンでライセンス登録を行えば日本語PDFマニュアルもダウンロードできます。
注意するところ、残念なところ
購入してすぐ打ち込んでみて、レイテンシが酷い…と思ったら、EXTRA PICKがオンになっていました。強くピッキングしたときの音のタイミングのズレを再現する機能です。スローテンポなジャズやブルースには活躍しそうですが、ロックやポップスではオフにしておいたほうが良さそうです。
ディストーションやファズを通してもちろん使えるのですが、何しろサスティーンが短いのでロングトーンでは早い段階でノイズが目立ち始めます。
あと、どのギター音源にも言えることでしょうが、ストラムやカッティングは弱いですね。これからの技術の進歩に期待…
まとめ
あまり有名な音源ではないですが実力は確かです。impact soundworksはSHREDDAGE2というロック&メタル特化のギター音源も販売しているので、これからラインナップが増えてくると嬉しいですね。
自分の曲のギターパートにはLogicProの付属音源を使っていたので、あまり目立たせることが出来ませんでした。ARCHTOPなら存在感のあるギターリフも作れそうです。
個人的にはギター音源って、ギターを弾ける人も買ってみて良いんじゃないかと思っています。「弾ける」と言っても多くの人は限界があるはずですから。
安くてリアルなギター音源が欲しい、一本目のオールマイティなギター音源が欲しいという方におすすめなギター音源です。
リンク
クリプトン 製品詳細
⇒http://www.crypton.co.jp/mp/do/prod?id=96157
たくさんデモソングがあります。
スポンサーリンク
hagitaka
Twitter:https://twitter.com/hagidrum
youtube:https://www.youtube.com/channel/UCT2wD1QAB1MILm5YOh8n9YQ
Latest posts by hagitaka (see all)
- オーディオインターフェイスFocusrite Saffire PRO 14のレビュー - 2015年4月8日
- ソフトシンセをライブで使おう!Apple MainStage 3のレビュー - 2015年2月3日
- ギター音源:impact sound works ARCHTOP:HOLLOWBODY ELECTRIC GUITARのレビュー - 2015年1月14日
Speak Your Mind