DTMソフト:Steinberg Cubase Pro 8.5 のレビュー

Cubase Pro 8.5 のレビュー1

本記事では,音楽制作においてもっとも多く使われているDAWソフト、Steinberg Cubase Pro 8.5のレビューをしたいと思います。

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ソフト昨今、様々なメーカーから DAW ソフトが発売されていますが、DAW 界の老 舗中の老舗が Steinberg 社の Cubase です。Cubase は 1989 年にシリーズ初と なる Cubase1.0 が発売されました。
当時はまだ、自宅にパソコンがある家庭は ごく一部で、OS も Windows すら搭載されていないパソコンばかりでした。

そんな時代よりコンピューターによる音楽制作ソフトを作ってきた Steinberg 社ですが、Cubase で使われてきた機能の中には、業界標準となった 機能もいくつかあります。その代表が VST や ASIO と言った機能です。

VSTとはVirtual Studio Technologyの略で、ソフトウェア音源やプラグイ ンエフェクトの規格の事です。いまや当たり前になっていますが、DAW ソフト は市販のソフトウェア音源やプラグインエフェクトを買い足して DAW をカス タマイズ出来ます。この様に違うメーカーで作られたソフトでも、DAW 上で扱 える様にした規格が VST になります。

また ASIO は Audio Stream Input Output の略で、音を再生する為のオーディ

オドライバーの規格なのですが、この規格が搭載された一番のメリットは低レ イテンシーが実現出来た事です。レイテンシーとはコンピューターが音を出そ うとした時に、実際に音が鳴るまでのタイムラグの事です。MIDI キーボードで DAW 内の音源を鳴らす時に鍵盤を押した瞬間に音源の音が鳴ると思いますが、 ASIO が発表される前は鍵盤を押した後に少し時間をおき音が鳴る事がざらで した。

この様に、「いまや当たり前!?」となっている機能が Cubase では先行して導 入され、その後発売された DAW ソフトにも波及していきました。歴史が長い ソフトなので当たり前と言えば当たり前なのかも知れませんが、様々なメーカ ーから DAW ソフトが発売されている中、ユーザー数もトップクラス、プロア マ問わず第一線で使われ続けているのは,Cubase ならではの大きな強みがある からだと思います。

では私の視点ではありますが、他メーカーと比べて Cubase の強みを紹介してい きたいと思います。

 

 

Steinberg は YAMAHA の傘下


Cubase Pro 8.5 のレビュー2

まず強みの一つと考えられるのは、Cubase は日本の音楽メーカーYAMAHA の子会社となった事です。Steinberg はドイツのソフトウェア会社です。

2005 年に YAMAHA が Steinberg を買収し、YAMAHA の 100%子会社となりまし た。実は DAW メーカーは Steinberg に限らず、買収される事は珍しくありま せん。Logic も元々Emagic 社が Apple に買収され現在に至っておりますし、 SONAR に至っては Cakewalk 社が Roland のグループ会社となり、2013 年に Roland が Cakewalk 社をギターメーカーの Gibson に売却し、現在は Gibson 傘下の TASCAM ブランド名義で販売されていて、かなり複雑な状態になってい ます。

この様に DAW メーカーは買収される事が多い、と言う事が分かったと思いま すが、親会社が変わるとカスタマーサポートの対応が悪くなったり、ソフトの 使い方が若干変わってしまい今まで使い続けていたユーザーにとっては使いに くくなってしまったりと、多くの場合ユーザーにとっては悪い事が多いのです が、実は Cubase に関しては良い事ばかりでした。

まず、ご存知の通り YAMAHA は業界トップクラスの音楽メーカーで、シンセ サイザーやエフェクターなども以前より開発に力を入れておりました。

Steinbarg 社も YAMAHA の子会社となったので、当然 YAMAHA で培われた 技術は Cubaes にもつぎ込まれ、Cubase の標準ソフト音源の HALionSonicSE の音色に、YAMAHA のシンセサイザーMOTIF の音色が加わり音質と音色のバ リエーションが向上しました。

また、カスタマーサポートも YAMAHA で行い、 困った時に電話やメールで問い合わせする事が出来ます。私も以前メールで問 合せを行った事があったのですが、翌日にはしっかりとした返答があり大分助 かりました。

Cubase Pro 8.5 のレビュー3

それと、何といっても VOCALOID との連携がスムーズになったのは大きな利 点です。もともと VOCALOID は YAMAHA が開発した音声合成技術ですが、 VOCALOID の歌声と Cubase 上で作ったオケを混ぜるには、VOCALOID Editor で歌声を WAV に書き出し、それを Cubase にインポートして混ぜ合わ せる必要がありました。

この場合、VOCALOIDO の歌声を修正するには、もう 一度 VOCALOID Editor 上で修正を行い、また WAV に書き出して Cubase に 持って来ると言う作業を繰返し行わないといけませんでした。ところが、2013 年 1 月に VOCALOID Editor for Cubase が発売され、ソフト音源と同じ要領で Cubase 上で VOCALOID を動かせるようになりました。

この技術は革新的で、 私自身も驚いた事を記憶にしています。また現在は VOCALOID Editor for Cubase NEO も発売され、Windows 上でしか動かなかった VOCALOIDO が Mac 上でも使用する事が出来る様になり、VOCALOID ユーザーも格段に増え たと思います。

 

Windows も Mac も両対応


もう一つ強みとしては Cubase は Windows と Mac の両方のプラットホーム 上で起動すると言う事です。SONAR や Ability、FL Studio などは Windows 上でしか起動しませんし、Logic は Mac 上でした起動しません。

この様にどち らかのプラットホーム上でしか起動出来ない DAW は数多くあります。もちろ ん、起動出来る OS が限られていると言うのは特別悪い事では無いのですが、両 方対応していれば当然ユーザー数も多くなり、ユーザーも多くなればメーカー 側も潤い、安定的にサポートや開発が行われる様になります。

Cubase が他のDAWと比べてユーザー数が多いのはそう言った理由もあると 私は考えます。

また、私自身 DTM 教室の講師をしているのですが、生徒にオススメの DAW を 聴かれたら、特別こだわりが無ければ自信をもって Cubase を進めています。

そ れは Windows でも Mac でも動くので、わざわざパソコンを買替える必要もあ りませんし、相当パフォーマンスが低く無ければ今のパソコン環境で起動出来 るからです。

DAWもパソコンも購入しないといけないとなると、オススメし ている側の人間としては心苦しくなってしまいますしね。

以上 [DTMソフト:Steinberg Cubase Pro 8.5 についてのレビュー]をお届けしました。 最後までお読み頂き、ありがとうございました。


Steinberg
http://japan.steinberg.net/jp/home.html

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