[レビュー]ABLETON LIVE 9について

ABLETON LIVE 9についてレビュー

DAWと言ったらCUBASE、PROTOOLS、SONARが定番でしょう。しかしながらこれらの以外のDAWでシーケンスソフトというものが人気を出してきています。その中の一つがABLETON LIVEです。ここでは最新のABLETON LIVE 9について説明いたします。



 ○ABLETON LIVE とは

[レビュー]ABLETON LIVE 9について

LIVE 9の性能はとても単純且つわかりやすいです。操作自体少し覚えるだけですぐに曲が作れます。難しい機能もありますが、それは使い続けるうちに覚えてきます。簡単だけど複雑なところがLIVEの良いところだと思います。それについて説明したいと思います

LIVEとは

LIVEはドイツのABLETON社が開発したシーケンスソフトです。ループ音源を自在に操れ、またリアルタイムに作曲、編曲、演奏が出来るソフトです。

・無限のシーケンス機能

1トラック20個のシーケンスクリップ(トラック内にある再生クリップ              )を作成でき、トラックは無限に作れます。

・高品質なインストゥルメント

インストゥルメントは5つシンセに、サンプラー、そして400近くのドラムがあります。シンセの音色もかなり数が多く、またMIDIループも多数あるため様々なジャンルに適応できます。ドラム音源はTR707,808,909のクローン音源が搭載されており、クラブ系の音楽には欠かせない音がLIVEには入っています。

・独特なオーディオエフェクト、DAW単品で出来るマスタリング

エフェクトは多種多様にあります。EQやリバーブ、ディレイはもちろんですが、それぞれのプリセットにはジャンルに合わせた設定値を選択することができ即座に音を加工するときにすごく便利です。

またAmpのエフェクターがあり、ギターサウンドやベースサウンドが作れるシミュレーターや、チューブサウンドを実現したコンプレッサーにリミッターがあり、マスタリングにも対応できる優れものです。

MIDIエフェクト

他のDAWにはあまり付属していないMIDIエフェクトです。アルペジエータ(信号の可変、分散機能)やMIDIディレイ(信号の遅延、分離機能)が存在し、それによってMIDI信号を加工するという独特なやり方です。 これを使用することによって新たなサウンド、ビート、が作り出せ、面白いプレイスタイルが実現可能です。

MAX FOR LIVE

どのDAWにも無い、自分だけのデバイスを作り上げられる機能です。これがあるからこそ、LIVEは選ばれるのではないでしょうか。


 ○ABLETON LIVE 9を選んだ理由

私はPROTOOLSやCUBASEといったオーソドックスDAWを使用したことがあります。ですが、DAWは単なる録音機材で留めて置くのは勿体無いと思い、何か無いだろうかと探した所LIVEに出会いました。

私はLIVEのMIDI製作の自由度、そしてシーケンスクリップが無限に作れることで操作幅が広がること知り、MAX FOR LIVEの存在で、自分だけのデバイスが作れて他のハードと同期させられるなんて素晴らしいじゃないかと思いました。

購入してからも色々と弄っている内にもっともっと面白いことが出来る。そんな可能性ばかりが膨らみ離せなくなってきました。他のDAWでは絶対出来ないこと、それをLIVEは実現させてくれるのだから、選ばずにはいられませんでした。


 ○LIVE 9のここがすばらしい

DAWなのに楽器。

[レビュー]ABLETON LIVE 9について

設定次第ではキーボード、サンプラーになり、おまけにこれ一台で演奏出来るのが最高です。

DAWなのにおもちゃのよう。

[レビュー]ABLETON LIVE 9について

LIVEはただ普通に使ってしまってはただのDAWです。LIVEは荒れた平地です。そこからどうやって平地を耕し、家を立て、道路を敷き、街を作り上げていくのか。そんな何処かであるゲームのような感覚で遊べるのです。LIVEには遊べる隠し要素がたくさん入っています。それを見つけるのがすごく楽しいです。


 ○LIVEの改善点

ここまでベタ褒めしてきましたが、それと逆に駄目なところはいっぱいあります。LIVEが駄目な理由を6つあげましょう。

1.エフェクトはあまり使えないのが多い。

デジタル過ぎるナチュラルでは無いエフェクトが多いです。作り方によるのでしょうかが、リバーブなんか粉っぽさがザラザラと残って気持ち悪いです。

2.DAWとしては操作しづらい

セッションビュー(録音、再生画面)とアレジメントビュー(演奏情報画面)をいちいち切り替えをしなければならないので、MIX作業は大変に面倒臭い。LIVE 9.1からデュアルスクリーン対応になるが、個人的には合体するか、別ブラウザを準備して欲しい。

3.チュートリアルが簡易的。

良い点でもあるのですが、逆に悪い点でもあります。メーカーがYOUTUBEで操作方法を後悔しているのですが、基本操作のみで、そこから出来る応用的な部分の情報はありません。自分で見つけ出して行くしかないようです。

「あの機能とこの機能でこんなことが出来るよ、へっへー♪」

みたいな裏技がたくさんあります。本当にゲームの裏技を探すようです。ABLETON  LIVE用のアルティマニアが欲しいです。切実に。

4.情報が多い?少ない?

国内でのLIVE情報は少ないです。DAWやDTMとして使用している人は多数いると思うのですが、実践的にLIVEをフル活用している人は少ないと思います。その為か、ネット内の情報も実践的な情報は少ないです。逆に海外だと、実践的に使用している人が多いため、情報や動画が多数あります。

5.VSTが読まなかったら諦めろ!

VSTの保存場所やアクティベーション以外で読まなかったら何しても駄目です。REWIREツールや32⇒64bitVSTなんてLIVEに通用しません。素直に諦めた方がLIVEの為です。

6.オーディオ録音は出来るが、処理が面倒。

LIVEはDAWですが、その中のシーケンスに特化したDAWというところだけを見れば聞こえは良いです。しかし、DAWはオーディオレコーディングも含め波形を弄れる部分も評価の対象になります。しかしLIVEはオーディオ音源に対しては波形を処理する特化した機能は持ち合わせておりません。ノイズ処理やノーマライズ、波形の切り貼りは手作業でこつこつしなければなりません。それを行うには多くのプロジェクトファイルを何個も用意しなければならなくなります。

もっとあるのですが、大まかなところはこんなところでしょうか。どのDAWでも駄目な点はあると思いますが、似たようなLIVEも似たようなものだと思います。


 他のDAWとの比較

ABLETON LIVEは他のDAWとは全く違います。今まで書いてきた記述通り全く異なる使い方で、異なる操作性を持っています。他のDAWの操作性は大体似ていたりするのですが、LIVEに関しては全くの別物と見た方が良いでしょう。 それでも比べるところがあるとしたらMIDIの編集でしょうか。

CUBASE程使いやすいわけでは無いですが、CUBASEには無いMIDIエフェクトがあります。MIDIエフェクトがある事によってMIDIの細かい技術が可能になります。

SONARにも同様のエフェクトがありますが、VSTやWIN機との安定性を考えたらLIVEに軍配あがります。ただし、使いやすさを選ぶのであればSONAR、VSTの互換性を狙うのであるならばCUBASEを使用したほうが無難な選択です。

必ずしも「LIVEが優れている」という点であればオーソドックスなDAWには適いません。あくまでLIVEはシーケンスソフトであり、DAWに特化したものでは無いということを忘れてはなりません。 今後のアップデートでDAWとして特化した機能が増えればそれに越したことは無いですが、根本的な部分を変更せざる終えない内容でもあるので、今後のLIVE10,11に期待すべきだと思います。


 最後に

ABLETON LIVEは確かに優れています。そして常に進化し、ユーザーを満足させてくれます。それは今のLIVEのベースの中で日々進化してくれるからでしょう。使い方は自由ですが、他のDAWソフトに比べれば奥が深いソフトだと思っています。

~ライター紹介~
HAGA
PA,レコーディング、ノイズ屋


参考サイト Ableton AGURL ⇒https://www.ableton.com/ja/




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