モニターヘッドホン:AKG K240MKⅡのレビュー

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今回はモニターヘッドホンの一つ、AKG K240MKⅡ(以下K240MKⅡ)について、私が所有しているSONY MDR-7506(以下7506)との比較を交えながらご紹介していこうと思います。

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AKG K240MKⅡ購入理由 


私がDTMを始めて最初に購入したヘッドホンは7506です。このヘッドホンは日本では定番と言われるSONY MDR-CD900ST(以下CD900ST)のいわば兄弟機といえる存在で、確かにいい音を鳴らしてくれるものではありましたが定位がやや掴みにくく、全体的にフラットではあるものの少しですが低音が膨らんでいるような感じでミックスの際に少々苦戦しました。

また、部屋の壁が薄く近隣住人に迷惑を掛ける恐れがあったのでモニタースピーカーを使用できませんでした。そこで音場が広く、かつフラットでスピーカーに比較的近い聞こえ方の(ついでに価格がリーズナブルな)ヘッドホンを探し、その結果K240MKⅡが最も適していると考え購入しました。

 

AKG K240MKⅡについて


K240MKⅡのカタログスペックは以下のようになります。

  • 再生周波数特性:15~25000Hz
  • 最大許容入力:200mW
  • 重量:約240g

再生周波数特性は7506とCD900STの中間ですね。この値は高いにこしたことはないと思いますが、体調などに左右されたり、そもそも人間の耳の可聴域が「20~20000Hz」とされていることを考えると十分であると思います。最大許容入力はヘッドホンに瞬間的に加えてもよい値を指します。

このヘッドホンでレコーディングをするということはおそらくないと思いますので気にしなくても大丈夫です。重量に関しては着けていてもほとんど気になりません。長時間装着していて重くて疲れる、といったことはないでしょう。

また、コードは着脱式となっていてコード断線時の交換も容易です。お値段も取り扱っているお店によって異なりますが2014年10月現在で最安値でおよそ13000円ほどで購入できます

さて、このK240MKⅡはリスニング、モニター用含め他のヘッドホンにはなかなか見られない特徴があります。それは「半開放型」であることです。

半開放型とは、ハウジング部(耳を覆う外側の部分)が開放型と同じように音を外に逃がすように作られているものの、開放型よりはその抜け道が少ない構造をしているもののことです。簡単に言えば開放型と密閉型のいいとこ取りをしたものと言えばいいでしょうか。

この特徴から開放型と密閉型の中間に位置しますが、開放型の特徴を持つことから使用していると音が外に漏れます。なので自宅・スタジオ以外の他者に迷惑をかけるような場所では使用を控えた方がいいでしょう。音質、音の特徴などに関しては後に詳しく述べたいと思います。

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最後に、直接K240MKⅡに関係することではありませんが付属品に関して述べたいと思います。K240MKⅡにはベロア製イヤーパッド1組、カールコード(最大5m)1つ、ステレオミニ/標準変換プラグ1つ、AKGのマークのステッカー1枚が付いています。

用途不明のステッカーは置いておきまして(笑)、予備のコードとイヤーパッドが1つずつ付属しているので価格のわりにはなかなか充実しているのではないでしょうか?なお、開封時は標準で合皮製イヤーパッド、ストレートケーブルが装着されています。ど

れを使うかは好みの問題になりますが、私は最初の状態が一番いいかと思います。

 

音質、音の特徴など


音の一つ一つの輪郭がくっきりとしていてとてもわかりやすいです。また、半開放型ということもあり音抜けの良さからとても広い音場があるように感じることができ、そのおかげでとても定位が掴みやすいです。

音域ごとでは中~高音域では抜けの良さからとても上品に鳴らすことができ、シンバルなどの残響音の減衰も音が溶けていくかのように最後まで表現してくれます。低域の音も出ていないわけではなく、キックの音もしっかりと芯のある音で鳴るので低音が弱いということではないと思います。

ただパンチ力というは点では7506に軍配が上がります。ギター主体のメタルやロックなどでは気持ち元気がない印象なのでそう考えると低音は少し逃げやすいといえるかもしれません。全体としての聞こえ方はフラットでよくも悪くもモニターヘッドホン、といった感じでバランスよく仕上がっており、ミキシング用途であれば特にジャンルを絞ることなくオールマイティに使えると思います。

 

MDR-7506(密閉型)との比較


それでは、今度はK240MKⅡと7506を装着感、デザイン、持ち運びやすさ、音質の4つに分けて比較したいと思います。

 

・装着感

7506の場合は密閉型ということもあり、側圧が強めに作られています。したがって音漏れはありませんが2時間ほど作業をしているとつらくなってきます。余談ですが900STよりもやや強めに作られているようです。K240MKⅡの場合は強くもなく弱くもないちょうどいい装着感なので長時間の作業も苦になりません。また着けるときに頭の大きさに合わせて自動でスライドする機能も装着感の良さにつながっていると思います。

 

・デザイン

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比較した写真のように7506は無骨で業務用といった感じで無駄を削ぎ落としたスマートなデザインとなっています。K240MKⅡは対照的に大型でなかなかデザイン性に優れていると思います。

 

・持ち運びやすさ

7506は折り畳みが可能で、しかも標準で収納ポーチが付属しているので簡単に持ち運ぶことができます。それに対してK240MKⅡは折りたたむことができないので少々不便です。

 

・音質

7506は全体的に見ればフラットですが音の分離感の境界がほんの少し甘く(といってもそこまで神経質になる必要はありません、充分です)、やや低音が膨らむ印象で定位が少し掴みにくいです。K240MKⅡは分離感、音場感もよく中高音域がきれいに伸びてくれますが低音はやや逃げやすい印象です。

 

注意点


ここまで書いてきてK240MKⅡに割と好評価ばかりつけている気もしますが、ここで2点ほど注意しておきたいことを書こうと思います。

 

・K240MKⅡだけでミックスを完結しない。

当たり前といえば当たり前ですね(笑)ただK240MKⅡだけではミックス最初のフェーダーワークとパンニングの時に音場が広いので自分では大丈夫と思っていてもあとで密閉型で聞いたときにあれ?左右に広げ過ぎ?と思うかもしれません。実は私は買った当初K240MKⅡすごい!、と過信していてこれをしてしまいました。なので私のようにマヌケなことにならないように必ず他のモニタースピーカーやモニターヘッドホンを併用するようにしましょう。

 

・エージングをしっかりすること。

エージングに関してはしっかりやった方がいいという人もいれば、ただのプラシーボだという方もいて様々な意見があります。私個人としては効果があるのではないかと思っています。というのも商品が到着してから楽しみにしながら曲を聴いてみたらあまりにひどくて思わず絶句してしまいました。しかしAKGのヘッドホンはしっかりエージングをした方がいいという意見がありましたのでエージングをしたところ、今まで書いてきたとおりの素晴らしいヘッドホンになりました。参考までに、私の場合は30~40時間ほどしました。

 

最後に


リーズナブルな価格のわりに頭一つ抜けた性能をもつK240MKⅡ。適切に使用すれば心強い味方になってくれると思います。もし壊れても私はまたこのヘッドホンを買うつもりです。また、このヘッドホンはミックスに限らずリスニングにも使うことができると思います。もしリスニングに使うのであれば、あくまで私の主観ですが、女性のしっとりとしたバラードに向いているでしょう。適材適所、自分の目的に合ったヘッドホンを探しているときにこのレビューが参考になってくれれば、とてもうれしいです。

今回はモニターヘッドホン:AKG K240MKⅡのレビューをお送りしました。

 

メーカーサイト

http://www.akg.com/Home-793.html

 

商品ページ:

http://www.akg.com/K240+MKII-827.html?pid=1194
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