モニターヘッドホンSENNHEISER HD600のレビュー

IMG_7676「いつかは手に入れたい。。」みなさんにもそんな憧れの機材がひとつやふたつあるのではないでしょうか。
私にとってはSENNHEISERのヘッドホンがそうでした。今回はSENNHEISER HD600を私が手に入れた経緯や、ヘッドフォンの芸術品ともいわれる音質の感想を交えてレビューしたいと思います。

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モニターヘッドホンSENNHEISER HD600のレビュー

 

目次

  • SENNHEISER HD600とは
  • 導入のきっかけ
  • いいところ
  • よくないところ
  • おわりに

 

SENNHEISER HD600とは


ドイツのSENNHEISER社の豊かな音場感が魅力の開放型ヘッドホンです。低域に柔らかさと奥行があるのがとても魅力的です。
リファレンス・ヘッドフォンとして知られるSENNHEISERのHDシリーズのうちのひとつであり、クラシックやポップスに限らず音楽制作者の想いまで感じ取ることのできるヘッドフォンです。

 

・導入のきっかけ


ゼンハイザーのヘッドフォンは、楽器店やオーディオショップに行くと、必ずといっていいほど置いてありますよね。私もそうしたショップで試聴する中でHDシリーズ、特にHD600は素晴らしいなぁ、と感じていました。

オーディオ好きな先輩とたまたまヘッドフォンの話になったときに、その先輩がHD600を持っていることを知り、「いいな、羨ましい!僕も欲しい!」と騒いでいたのです。
それからしばらくして、その先輩が引っ越す際に「荷物になるから」と、なんと憧れのHD600を譲ってくれることになったのです。「棚から牡丹餅」ではありませんが、こんなラッキーなこともあるんですね(笑)

 

・いいところ


そんな経緯で我が家に来たSENNHEISERのHD600。
それは、私がそれまで持っていたどんなヘッドフォンよりもランクが違いました。
まず、ヘッドフォンの箱が「木箱」です(笑)。それはまるで、高級なワインでも入っているかのような黒い木箱であり、もう開けるまえからそこらのヘッドフォンとの格の違いを見せつけてきます。

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高級感あふれる木箱を開けると、そこには夢にまで見たHD600が鎮座しています。
べロア地のイヤーパッドに大理石調のヘッドバンド。もはやオーディオ機器というより、高級家具のような佇まいを醸し出しています。

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耳に装着してみると、強すぎず弱すぎず適度な自然なホールド感で、頭を優しく包み込みます。開放型ということもあり、ときおりヘッドホンをつけていることを忘れてしまうくらいです。

特にクラシック音楽を聴いたときの音像や広がりの正確さは今まで聞いたなかで一番精確でした。ヴァイオリンひとりひとりの場所がの違いがわかるようです。HD600は聴覚研究の試験用ヘッドホンとして選ばれることがありますが、その精確さは研究者も認めている、ということでしょう。

音楽制作用に使ったときでも、その繊細な表現力は素晴らしく、EQやリバーブ調整のわずかな違いが聴き取ることができます。

高域の伸びは申し分なく、スペック的にも再生周波数帯域は「12~39,000Hz」となっており、ハイレゾ音源にも十分対応可能です。
低域は本当に柔らかく、まるでシルクのベッドに包まれているような豊かな響きです。こんな低音を出すヘッドホンを、私は他に知りません。

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・よくないところ


しかしながら、HD600も実際に使っていくと、いくつか気になる点もできます。
まず、ケーブルのモジュラーコネクタの接触が不安定なことです。ヘッドホン本体でケーブルの脱着が可能になっており、ごくたまにですが、ここが接触不良になるときがあります。少し触れば復活したりしますが、必要に応じてリケーブルするのがいいのかもしれません。

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そして、ヘッドホンのインピーダンスが非常に高いことも、使う場面を制限します。

インピーダンスとは、ヘッドホンの交流抵抗のことで、簡単に言うと、インピーダンスが低いと非力なアンプでも音量が出ますが、インピーダンスが高いヘッドホンは、強力なアンプがないと十分にドライブさせることができません。インピーダンスが高い方が、ノイズに強かったり音質は向上するのですが、非力なヘッドホンアンプでは十分鳴らし切ることはできないのです。

そして、このHD600は、インピーダンスが「300Ω」とケタ違いに高い。参考までにSONY MDR-CD900STは「63Ω」、AKG K271は「55Ω」です。
実際、iPhoneのヘッドホンアウトにそのままHD600を挿しても、再生はできるのですが、音量感は物足りません。やはり真価を発揮するためにはヘッドホンアンプやオーディオインターフェースのヘッドホン接続がおすすめです。

HD600はなんといっても価格も高価なので、バッグの中に裸でつっこんだり、カフェの席で置いてトイレに離れたり、、そういう風にラフには扱うのはどうしても気がひけます。耳全体を覆うほどのハウジングの大きいので、ポータビリティも良くはありません。

 

まとめ


服にたとえるなら、普通のヘッドホンはカジュアルなジーンズ。
モニターヘッドホンは既製品のドレス。
HD600は 完璧なオートクチュール。
もしHD600が擬人化されたら、きっとオートクチュールドレスを素敵に着こなす、知的でスタイルも完璧な金髪美女でしょう。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

SENNHEISER HD600
http://en-de.sennheiser.com/best-audio-headphones-high-end-stereo-hifi-hd-600
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