様々なエフェクトやアンプモデリングが1つにまとめられていて、とても便利なマルチエフェクター。そのマルチエフェクターの中でも特に有名なZOOMのGシリーズから、今回はG3(Version 2.0)をご紹介します。
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1. ZOOM G3(Version 2.0)の購入理由
ZOOMのG3を買った当時(その時に買ったG3のファームウェアはVersion 1.12)、コンパクトエフェクターを買うべきか、それともマルチエフェクターを買うべきかで迷っていました。
コンパクトとマルチ、どちらの方が「沢山の種類の音を作ることが出来て」「荷物が軽くて」「コストパフォーマンスが良いのか」。当時の私が出した答えは、マルチエフェクターを買うでした。
フットスイッチが付いているので足元で操作でき、同時に最大3つ(ファームウェアがVersion 1.12の時の話)のエフェクト・アンプモデリングを使え、そして比較的小さく軽かったことが、ZOOMのG3を購入することに決めた理由です。
また、実売価格が1万円台と大変安かったこと、そしてファームウェアのアップデートというある種のアフターケアが存在することも魅力的でした。
2. ZOOM G3(Version 2.0)とは
大きくて見やすいディスプレイにアイコンが表示され、フットスイッチとツマミも付いているので、コンパクトエフェクターを扱うような感覚で音作りができます。
G3(Version 2.0)には94種類のエフェクトと22種類のアンプモデリングが内蔵されており、画面をPATCH SELECTボタンで画面をスクロールすることで、同時に最大6つのエフェクト・アンプモデリングを使用することができます。
また、オーディオインターフェースとしても使えるので、付属のSEQUEL LEというレコーディング・ソフトをPCにインストールすることで、宅録が可能になります。
それに加え、DI ボックスを使わずにPA システムやレコーディング・スタジオのミキシングコンソールに直接接続できるXLR バランスアウトの装備や、
徹底した超低ノイズ設計(S/N 比120dB、ノイズフロア-100dBm)、最長40秒のルーパー機能など、この価格帯では至れり尽くせりのスペックを誇ります。
3. ZOOM G3(Version 2.0)の良い点
名機のモデリングやZOOMのオリジナルで、エフェクトとアンプモデリングの種類が充実しているのがとても気に入っています。
空間系・モジュレーション系・フィルター系・SFX系のエフェクトは秀逸なものが多く、WarpPhase(一方向に効果がかかるフェイザー)やSeqFLTR(Z.Vex Seek Wah風のシーケンスフィルター)、Monosynth(入力信号のピッチを検出して発音するモノフォニック・ギターシンセサイザー)など面白いものが揃っているので、飛び道具として使うのには最適です。
また、演奏していない時のサーッというノイズを除去するZNRの効果には目を見張るものがあります。
このZNRの有無がG3の扱いやすさを左右するといっても過言はないです。ZNRは1つのエフェクトとして扱われているので、同時に最大6つ使えるエフェクトとアンプモデリングのうち1つが埋まってしまいますが、それを差し引いてもZNRの効果は魅力です。
因みに一般的にはノイズリダクションは歪み系の後、空間系などの前とよく言われていますが、私個人としては最初にノイズゲート(ZNR)、次に歪み系、その後に空間系などの方が良いように思われます。その方が自然な歪みを得られるような気がします。
ファームウェアがVersion 1.12の時は、エフェクトとアンプモデリングが最大3つしか使えず、ZNRを組み込むと使えるエフェクターが2種類になってしまうので、ZNRは殆ど使わなかったのですが、その時はハウリングが酷く、G3の扱いと音作りに苦しんだ記憶があります。
当時の音作りの腕が駄目駄目だったことも大いに関係しているとは思いますが……。当時のG3での音作りの難しさや、コンパクトエフェクターの購入などが重なり、G3を全く使用しなくなりました。
約2年間通電もせず放置していましたが、最近ひょんなことでファームウェアが更新されていることやその更新内容を知り、慌ててG3をPCに繋いでファームウェアを(Version 2.10に)更新し、再び使い始めました。
まさかもう一度使う日(しかも結構満足しながら)が来るとは思ってもみなかったです。
ファームウェアが更新されたことで、オートセーブのON/OFFを選べるようになったことも、G3をマルチエフェクターというよりはコンパクトエフェクターライブラリとして使っていた自分にとっては、非常に嬉しいことでした。
因みに、製品の名前としては、現在「G3 (Version 2.0)」と呼称されていますが、最新のファームウェア(Version 2.10)がリリースされています。新しいOSへの対応や、バグの修正をその都度行ってもらえるというのも、当然のことかもしれませんが、ユーザーにとっては心強いです。
4. ZOOM G3(Version 2.0)の悪い点
ここまで(ファームウェアがVersion 1.12だった時の愚痴も織り交ぜながら)G3の良さについて書きましたが、残念ながら、悪い点も幾つかはあります。
まず一つ目は、歪み系エフェクトがヌケの悪い音になりがちという点です。一人で弾いている分に関しては殆ど気になりませんが、バンドや音源と合わせてみると、モッサリした音になり、埋もれてしまうことがあります。
ただ、この点に関しては、イコライザを噛ますなり何なりで割とどうにかなります。次に、使用している6つのエフェクト・アンプモデリングを演奏中に踏みかえる時、ディスプレイが3枚しかないので、連続3つ分のON/OFFしか出来ないという点です。
例えば、ZNR→歪み系①→歪み系②→モジュレーション系→空間系→アンプモデリング、という繋ぎ方だと、ディスプレイに表示されている歪み系①・②・モジュレーションの連続3つのエフェクトしか瞬時にON/OFF出来ないという(私がG3でZNRを最初に持ってくるのは、この点も踏まえてのことです)。
筐体上部のPATCH SELECTのボタンで画面をスクロールすることが出来ますが、プラスチック製の極めて小さいボタンなので、演奏中に足で操作するのは、到底無理だと思います(おそらくメーカー側もそのような使われ方は考慮に入れていないでしょう)。
5. まとめ
ここまで、ZOOM G3の良い点・悪い点についてお伝えしました。演奏中の操作性についての評価はやや厳しめになってしまいましたが、それを差し引いても、(ファームウェアがVersion 1.12だった時はともかく)良い買い物をしたと思っています。
コンパクトにはコンパクトの、マルチにはマルチの良さがありますが、もし、1つマルチを持とうと考えているコンパクト派の人がいるのなら、スペックと価格、そして筐体の大きさから、ZOOM G3は一番オススメ出来るマルチエフェクターです。
6. メーカーサイトリンク
ZOOM
http://zoom.co.jp/
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