USBオーディオインターフェイスSteinberg UR44のレビュー

UR44_front

CubaseでおなじみのSteinberg 社から発売されています、初心者にもおすすめのコンパクトUSBオーディオインターフェース「UR44」のレビューを行います。



1.購入理由


今まで使っていたオーディオインターフェース(以下オーディオ I/F)から年月が経っており、音源 の再生などに支障が出始めたことをきっかけに UR44 を購入しました。

又、DAW ソフトに Cubase を使用しているため、同じ Steinberg 社に揃えたかった事、iPad 購入に より、iPad を用いてのレコーディングが可能だったことも、購入理由に挙げられました。

 

2.機種の説明


UR44 は、下記の性能を有したオーディオ I/F です。

  • 4 基のマイクプリアンプ
  • 24bit192kHz レコーディング対応
  • 6in 4out
  • MIDI 入出力
  • 内蔵 DSP ミキサー&エフェクト
  • iPad 接続対応
  • CubaseAI7 バンドル 価格は3万円内で購入することが出来ます。

サイズは 1U ハーフラックサイズで、宅録には場所を取らない、良いサイズだと思います。

 

3.各種機能の説明と、おすすめポイント


3万円以内で、これほどの機能を持つ UR44 は、コストパフォーマンスに優れています。各種項目 を詳しくご説明致します。

UR44_front

UR44 フロント写真(フロントには、左部4 Ch 分のプリアンプ入力が搭載)

UR44_rear01

UR44 リア写真(左から、【AC アダプタ】【USB】【MIDI OUT】【MIDI IN】【MAIN OUT】 【LINE OUT×2】【INPUT】

UR44_rear02

UR44 リア写真アップ(ステレオフォーンがささっている箇所が、【MAIN OUT】 【LINE OUTPUT】として4 Ch 右端の【LINE INPUT】2 Ch とフロントの 4 Ch プリアンプ合わせて、6 Ch の入力 4 Ch の出力という 構成になっている。)

・4 基のマイクプリアンプ
・6in 4out
UR44 の全面には、4基のコンボジャックが搭載されており、XLR ケーブル、フォーンケーブルの両 方がさせる用になっています。

宅録メインでの使用を考えると、歌の録音やギターの録音等、1基(多くとも2基)あれば十分だと 当初は考えておりましたが、4基あれば4基なりの使い方が出来るようになります。

例えば、小規模のバンド演奏を録音する時に UR44 は効力を発揮します。マイクプリ4基と2入力、 計6入力あるので、パート別に録音することができ、録音した後の MIX が細かく行うことが出来ます。

ドラムにステレオマイクを挿しても、もう2基使用できる。ともなると多重録音の幅も広がり、 一発録りによるライブ感を演出することも可能です。

「打ち込みメインだから、多くの楽器は録音しないので、あまり入力が多くて持て余してしまうよ」と いう方も、楽器による抜き差しの回数が減るし、楽器毎に設定を変更しなくても良いので、すぐに 録音に取り掛かれる事も、入力が多い事の利点だと思います。

あと、あればあればで、別の楽器を挿して一緒に使ってみよう、なんて思ってくるものです(笑)

UR44 のプリアンプは、YAMAHA 社の誇る D-PRE という技術を用いているという事ですが、クセが 無く、楽器そのものの音を大切にして増幅する特徴になっています。私にとってこれはありがたく、 異なるジャンルの楽曲制作に対応できるので、フラットなプリアンプを持つ UR44 は、購入材料の 1 つとなりました。

 

・24bit192kHz レコーディング対応

最近では PC の性能も上がり、48kHz は当然ながら、96kHz の録音まで行う方もいらっしゃると思 いますが、その上の 192kHz まで対応しているので、まず満足の行くサンプリングレートだと思いま す。
・MIDI 入出力
最近では、USB 接続で済んでしまう機材も多くありますが、MIDI 入出力があるだけで、安心します。 iPad 接続の際には、iPad の MIDI インターフェースにも使用できるので便利です。

 

・内蔵 DSP ミキサー&エフェクト

UR44 のハード内で、エフェクトをかける事が出来ます。DAW 上でエフェクトを掛け、ダイレクトモニ タリングを行いながら、録音具合を確認するのは、多少なりとも遅れが生じ、人によっては気持ちよ く録音が出来ないという方もいらっしゃると思いますが、UR44 の DSP エフェクトには、リバーブとギ ターのエフェクトが用意されており、遅れを感じること無くモニタリングを行えます。

特に、ギタリストの方におすすめな物として、UR44 ギターエフェクトが秀逸である事が挙げられま す。

ギターエフェクトは4種類あり、「クリーン」「クランチ」「リード」「ドライブ」とあらゆるジャンルのアンプ シミュレーターが用意されており、品質も上等なエフェクトとなっています。 宅録の場合、録音したクリーンギターのあと、DAW 上のアンプシミュレーターで音作りをするケー スがありますが、録音の段階で、ある程度音のイメージを掴みながら演奏するのとしないのとでは、 録音の質に差が出てくるのではないでしょうか。

 

・iPad 接続対応

最近の iPad 事情を記載しますと、DAW の性能もかなりあがり、本格的な音楽制作が可能となるま で進化しました。セカンド DAW として扱い、作ったデータを PC に移し、じっくり仕上げていくもよし、 iPad 内で楽曲を完結させるのもよしと、iPad による音楽制作の影響が無視できなくなってきている と思います。

折角 UR44 が iPad 接続対応という事で、一度練習スタジオに UR44 と iPad を持込み、4人バンド (ピアノ・ベース・カホン・ボーカル)で録音を行いました。もちろん、6入力あるので、一発録音する ことが出来ます。

iPad アプリの「Cubasis」を用いで録音を行った所、PC の DAW と全く遜色なし!Cubasis の機能も 手伝って、まるで PC はいらないのでは!?と思ってしまうほどでした。 このように、家や練習スタジオ等、場所を選ばず録音を可能にする点も、UR44 購入のおすすめポ イントだと思います。

 

・CubaseAI7 バンドル

なんと、UR44 を購入すると CubaseAI7 が付属されます。つまり、UR44 を購入すると、他の機材等 を購入すること無く音楽制作が可能ということですね。

初めて音楽制作を行う方は、CUBASEIA で DAW の使い方になれて、目的にあったバージョンに アップデートしてもいいと思います。

 

4.UR44 オーディオ I/F としての印象


これまでは、UR44 の特徴を記載してきましたが、本項では、オーディオ I/F として、DAW で使用し た際の印象をレビューしたいと思います。

そもそも、UR44 を購入した理由の一つに、古いオーディオ I/F では、ソフトが満足に動かない状 況を解決するということもありました。

ドラム音源の BFD3 を購入した際、満足に再生することができず、新しいソフトを購入したのに気 持ちの置き場がありませんでした。色々と調べてみた結果、どうもオーディオ I/F の処理能力が低 いことにたどり着き、UR44 を購入したのですが、変えた結果、無事正常に動かすことが出来ました。

レイテンシーの話をしますと、私の環境下では、デフォルトの 512sample で、(in16.395ms out19.365ms)です。私はリアルタイムレコーディングを行うので、半分の 256sample(in 9.592ms out 11.565ms)で設定していますが、安定して動作しています。

UR44_DSP

UR44 の DSP ミキサー iPad アプリでも、同じ画面で設定することが可能です。

DSP ミキサーを制御するソフトのインターフェースも見やすく使いやすいです。そのミキサーから、 リバーブやギターエフェクトを挿す事ができ、エフェクトの設定も行うことが出来ます。
オーディオ I/F で必要な事といえば、「安定感」が挙げられますが、私が今まで使用している中で は、トラブル無く非常に安定していますので、今後も特別なトラブル無く使用できるのでは無いかと 思っています。

 

5.UR44 問題点について


今のところ、問題点、使いにくい点が見当たらなく、満足の行く商品だと思いますが、1点だけ気に なる点(と言うかは気をつけるべきポイント)を記載致します。
UR44 はハーフラックサイズなので、あまり場所に関して困ることは有りませんが、先述した iPad 接 続も可能という点で、ある程度持ち運びがし易い場所に置く必要があります。

オーディオ I/F は、基本設置したらその場所から動かさず、やるとしても楽器の入力を変える時だ けケーブルを抜き差しする物だと思いますが、iPad 用で例えば練習スタジオへ持ち込む際には、 色々なケーブルを抜いて行かなくてはなりません。

ともすると、UR44 の設置場所も限定的になってくるので、その辺りで多少悩んでしまいます。 とはいえ、完全に宅録用で使用するのであれば、問題は有りませんが、iPad で録音が出来る事が 予想以上にメリットがあることですので、初期の設置場所には気を配ったほうが良いかもしれませ ん。

 

6.他メーカー製品との比較


オーディオ I/F といえば、代表的な製品として、FireFace シリーズが挙げられます。 ドライバーの品質や、安定性等、オーディオ I/F として優秀というレビューも多いです。私自身も使 用したことがあり、その噂通り優秀なオーディオ I/F だと思います。

但し、値段の事となると、やはり高価になり、中々購入しにくい印象を受けると思います。 FireFace と UR44 と比べてみると、安定性という部分では同じような印象を受けます。もちろん、 FireFace の方がオーディオドライバが優れていると思うので、レイテンシーには差が出ますが、 それも UR44 の 256Sample で十分のようにも思います。

FireFace は入出力が UR44 より多いので、UR44 よりさらに発展した使い方が出来ますが、その分 入出力の設定が複雑になるので、若干扱いづらい印象を私は受けました。

FireFace は高価ではありますが、色々な方が絶賛する実績のあるオーディオ I/F だと思います。 しかし、UR44 を始め、他メーカーから発売されている3万円台のオーディオ I/F も十分使用できる 製品だと思います。

 

7.まとめ・どんな方におすすめか?


オーディオ I/F は色々なメーカーから沢山の製品が販売されていますが、UR44 は宅録環境に置 いては十分に使用できる製品だと思います。次に当てはまる方は購入判断の材料になるかと思い ますので記載致します。

 

・どのオーディオ I/F を買えば良いのかわからない方

私の印象では、同じ価格帯のオーディオ I/F であれば、どれも満足の行く性能だと思います。 オーディオ I/F では中々じっくり性能を確認することができにくい部類の機材では有りますので、 色々なレビューを見ながら、自分の適している機能に近いものを選んだほうが良いと思います。 UR44 は私の他にもレビューの多い機材ですので、判断材料も多くなるのではないでしょうか?

 

・iPad レコーディングに興味がある方

これは本当にお勧めです。DAW ソフトで Cubase を使用している方は、是非 iPad アプリの Cubasis を購入して、UR44 の魅力を確かめてみてほしいと思います。 もちろん、音質もバッチリです。DAW で作った曲をバンド形式で演奏する方には、ベストな1品 だと思います。

 

・FireFace は高価で購入に踏みとどまる。だからといって1万円台にも落としたくない方

オーディオ I/F は、今現在3万円台を1つの目安として取り上げられています。上を見ると切りが なく、下をみると性能に不安を持ってしまう方は、一度めやすの3万円台オーディオ I/F を検討し てはいかがでしょうか? この価格帯モデルは、まさに「宅録用」に相応しい「値段」と「性能」だと思います。

最後に、2in 2out の UR44 とは兄弟機である「UR22」は機能面が限定されるも、1万5千円ぐらいで 購入できるので、予算面で都合がつくかと思います。合わせてご検討ください。

 

8.メーカーリンク


steinberg サイト UR44 http://japan.steinberg.net/jp/products/hardware/ur_series/ur44.html

UR44 解説 youtube(オフィシャル) https://www.youtube.com/watch?v=SzsCp8-h6p0




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アミューズメント関係のサウンドを制作しています。Cubaseを用いて、作曲や効果音の制作を行っています。家ではバンドや結婚式用の楽曲や映像制作を行っています。楽器はキーボードを担当です。
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