Audio Technica のコンデンサーマイクAT4040はRodeのNT2やBlueのblue birdなど2~5万円辺りのコンデンサーマイク入門や、手軽に扱えるクオリティーのモノとして人気があります。今回はそんなAT4040を同価格帯の他のコンデンサーマイクと比較しながらレビューしていきたいと思います。
Audio Technica AT4040の説明
(テクニカルデータなので煩わしい人は飛ばしてください。。)
世界的ロングセラーとなった同社のAT4033aをベースに、最新のテクノロジーを投入して磨き上げた40シリーズの新しい基幹モデルであり、リファインされたDCバイアスタイプの大口径大アフラムがとらえる音はスピード感にあふれ、鮮烈かつナチュラルで、あらゆるシーンに適している・・・・と、メーカーサイトで謳われております。DCバイアスタイプとかなんのこっちゃよくわかりませんが、要するに「鮮烈かつナチュラルな音だ!」と言う事だと思います。(笑)
実際に使用してみてもその言葉は間違っていないと感じられました。実際の使用感に行く前にとりあえずメーカー発表のテクニカルデータを・・・
型式 | DCバイアス型コンデンサー |
指向特性 | 単一指向性 |
周波数特性 | 20~20,000Hz |
感度(0dB=1V/1Pa、1kHz) | −32 dB |
最大入力音圧レベル(1kHz THD1%) | 145dB S.P.L. |
SN比(1kHz 1Pa,A-Weighted) | 82dB以上 |
出力インピーダンス | 100Ω平衡 |
ローカット | 80Hz、−12dB/oct |
電源 | ファントムDC48V |
消費電流 | 4.2mA |
仕上げ | 黒つや消し焼付塗装 |
質量(本体のみ) | 360g |
● 付属品:ショックマウント AT8449、ダストカバー、マイクポーチ
★Audio Technica AT4040 高い汎用性
僕はエンジニアではないので、それほどマイクに詳しくなく、こだわりもあまりないのですが、このAT4040を入手する以前は自宅ではRODE NT1のみを使用していました。第一印象はRODE NT1に比べると、キレのあるサウンド、逆に言うとボヤッした中域がない分なじみづらい音ではないか、という印象でした。
ミキシング、EQの調節など熟知していれば、無駄な域のない音は処理しやすい音なのかもしれませんが、当時はミキシングのミの字も知らないような状態(今もミの字くらいしか知りませんw)だったので、使い慣れたRODE NT1と違うというだけでなかなか使いこなすことができませんでした。
しかし、特性を活かせる楽器ならよく録れるのではないのかと思いアコースティックギターの録音に挑戦してみるとシャキっとしたサウンドが録れました。
しばらくアコギ用や男性ボーカル用に使用して、女性ボーカルには中域の膨らみを感じられるRODE NT1を使用していましたが、AT4040のクリアな印象は意外とmixしやすいのではないかと思い、女性ボーカルでも使用するようになりました。
結果どうだったかのいうと、きっとちゃんとmixが出来ればNT1以上にクリアで抜ける音作りができるのだろうなと思えました。何故思っただけなのかって、ボーカルのmixというのは非常に難しいものですから。(笑)エンジニアさんがいる場面で使用した事もありますが、その時はアコギもボーカルも非常に抜け良く録れていました。
★Audio Technica AT4040 他のコンデンサーマイクとの比較
汎用性が高いとは言え、ノイマンとかノイマンとかノイマンに比べると音の暖かみというかマイルドさがあまりないように感じます。先日、同じ状況下でNEUMANNのTLM102というAT4040ともあまり価格帯の変わらない機種を使用したのですが、明らかにこちらの方が自然なマイルドさがありました。
また、Blueの同価格帯のもの(機種は忘れてしまいました・・・)も使用しましたが、そちらは逆にAT4040以上に高域が強くボーカルを録る場合は人(声)を選ぶマイクだな、という印象を持ちました。アコギのシャリシャリ感を出すにはこちらの方が良かったかもしれません。
★Audio Technica AT4040 のセッティング、環境にはシビア
コンデンサーマイクは大体どれもそうですが、ダイナミックマイクに比べて非常によく音を拾います。エアコンや空気の流れる音、足音、吐息など全部入ってしまいます。AT4040は特にその感度がいいように感じました。ブースのあるスタジオで使用する時には問題ないですが、自宅や何部屋もあるリハーサルスタジオでは雑音までも拾いやすく場合によっては消しきれないこともあります。
自分の経験で一番気になった事はヘッドフォンの漏れる音を拾い過ぎてしまうことです。クリックなど最終的に消す音を鳴らして録音する際には細心の注意が必要です。短時間でのレコーディングだと焦りがちになってしまい、なかなかその都度バランスを取ることが難しいので実践の前にベストなセッティングの研究をしておくべきだと思います。
とは言え、場所や歌い手(弾き手)さんのやりやすい音量などにも左右されるので難しいですが。(笑)また自分の歌や演奏を録音する際にもプレイに集中するためにベストセッティングを見つけておくことをおすすめします!
★総評
マイクはやはり録る音に応じて選べるのがベストだと思います。しかし予算や諸々の都合で1本のマイクで対応しなければならないという場合にはAudio TechnicaのAT4040はまず、まんべんなく対応できる1本だと思います。オススメです!
ライター
hoto-D
ギタリスト,映画やアイドルの作曲家として活躍
https://twitter.com/hoto_D
https://myspace.com/hotod
写真引用:参考サイト
audio-technica
⇒https://www.audio-technica.co.jp/proaudio/show_model.php?modelId=1654
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