チューナー、と一口に言っても、ペダルチューナーやクリップチューナー、ラックチューナーなど、多種多様なチューナーがあります(音叉をも含めると凄い数に……)が、今回はPlanet Wavesの極小クリップチューナー(PW-CT-12)をご紹介します。
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1. 購入理由
足元がゴチャゴチャするのが嫌なので、ペダルチューナーではなく(高価なものにもなかなか手が出せないのでラックチューナーでもなく)、ギターを始めてから今までクリップチューナーを使っています。
初めて買ったチューナーは某K○RGのpitchclipでした。しかし、pitchclipは機能がシンプルで使いやすかったものの、ギターのヘッドに付けたままだと目立ってしまうのと、LEDの目盛が7つしかなくて、チューニングが合っているのかどうか分からないことがあるのとで、価格の割にはとても良いチューナーだと思いながらも少し不満を感じていました。
そして、「そろそろチューナーを買い換えようかな……」と考えていた時、周りから「Planet Wavesから出ているPW-CT-12は小さいし精度も高いし、良いですよ」と薦められ、実物を見せてもらったところ、ヘッドの裏に張り付いているようなチューナーの小ささとその佇まいに惹かれ、購入しました。
2. PW-CT-12とは
PW-CT-12は、元々、Planet Wavesのベストセラーだった小型のクリップチューナー(Mini Headstock Tuner)を改良し、さらに小型化させた極小クリップチューナー(NS Micro Headstock Tuner)です。
とても小さいので、ヘッドに付けたままでも目立ちません。リバーシブルのスクリーンと360度回転のクリップによって、ギターのヘッドのどの位置につけても、液晶部分をこちらに向かせることが出来ます。
また、液晶部分が小さいながらも、バックライトのLCDディスプレイで3色表示(赤・黄・緑)であることによって、チューニング時の視認性も良いです。
そして、完全なクロマチックチューナー(音名と#の表示)なので、どのような変則チューニングにも対応可能なほか、410-480Hzの幅広い範囲でキャリブレーション可能です。
ここまでは旧製品と同じですが、改良されるにあたり、新たにビジュアルメトロノーム機能(20-270bpm)も搭載され、それに加えてチューニングの精度と感度が向上しました。
3. PW-CT-12の良い点
非常に小さく目立たないので、付けたまま演奏することが出来ます。そのため、クリップチューナーを付けたり外したりする手間を省けます。
また、細かい刻みの目盛と赤・黄・緑の3色とで表示されることから、チューニングが合っているかどうかが分かりやすいというのも良いです。
例えば、D音にチューニングしようとした場合、先述した某K○RGのpitchclipだと、大体チューニングが合えばD音(色はずっと赤色で変化なし)が表示され、その上の真ん中の緑のLEDが1つ点くものの、「はたして、これでもうチューニングは合ったのだろうか……?」と不安に思ってしまいます。
そして、その「大体」の幅がやや広く感じられます。一方、PW-CT-12は、チューニングが合えば緑色でD音が表示され、その両隣の目盛が点灯します。
微妙にずれている場合は、両隣の目盛のうち、ずれている方向のものだけが点灯します。両隣の目盛を点灯させようとすると、結構シビアにチューニングしなければいけないので、チューニングの精度(そしてそれを液晶に反映すること)に関してはpitchclipよりも信用出来ます。
また、PW-CT-12は感度も良く、反応も早いので、素早くチューニングをすることが出来ます。
そして、410-480Hzの幅広い範囲でキャリブレーションが出来るので、A=440Hzではない曲を演奏する際のチューニングにも便利です。
4. PW-CT-12の悪い点
PW-CT-12は操作ボタンが露出しているため、何かの拍子に電源が入ってしまうことがあります。その点、pitchclipは畳むと電源ボタンが内側に来るようになっていたので、そのようなことはありませんでした。(奥がpitchclip、手前がPW-CT-12)
また、電池が減るのが早いように感じます。電池が減ると、液晶の隅にバッテリーアラームが表示される(これ自体は良いこと)ので、気付かないうちに電池切れ、ということはありませんが、この点は少し残念でした。
そして、感度が良いことはPW-CT-12の長所なのですが、これが裏目に出ることがあります。音が出ている他人のアンプの隣だったり、ドラムを叩いている人の近くだったりすると、その音の振動までをピエゾ素子が拾ってしまうので、チューニングをすることが出来なくなってしまうことがあります。
感度でPW-CT-12に劣ると思われるpitchclipではそこまで顕著に外部の音の影響は受けなかったので、やはり感度の良さが裏目に出てしまっている結果だと思います。(クリップチューナーの特性上、外部の音の振動を拾ってしまうのは仕方がないことではありますが……。)
アコースティックライブ(の合間)や一人で弾く時など、外部の音の振動が自分のギターに伝わらないような状況だと素早く正確なチューニングが出来ますが、そうでない場合は、チューニングするタイミングを見計らう必要があります。
5. まとめ・追記
ここまで、PW-CT-12の良い点・悪い点についてお伝えしました。レビューをじっくり読んでくださった方はお気づきになられたかもしれませんが、ビジュアルメトロノーム機能についての言及はしておりません。
というのも、音の出るメトロノームに慣れてしまっているので、なかなか出番がないのです。
「ギター始まりの曲を弾く時の頭出しに使おうかしらん」「テンポ確認に使おうかしらん」などと考えを巡らせることもあり、それはそれで楽しいことですが、折角搭載されているビジュアルメトロノーム機能なので、何とかして実践的に(そして有効に)使ってみたいですね……。
6. メーカーサイトリンク
Planet Waves
http://www.kcmusic.jp/planetwaves/
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