普段PCで音楽制作されている方やこれから音楽を作ってみたいと思っている方もタブレットやスマホでば場所を選ばず気軽に音楽制作が出来たらいいなと思っている方も多いと思います。
今回はそんな方のためにiPadでのDAWアプリSteinberg Cubasisのレビューをお届けします。
>> iPadアプリSteinberg Cubasis購入理由 <<
私は外出先などでメール等のチェックや情報収集、滞在先のホテルでの暇つぶしの為にノートパソコンやタブレットPCを利用しています。
タブレットではアンドロイド、WindowsRTも使ってきましたが、最近はiPad mini Retinaディスプレイモデルで落ち着いています。
アンドロイド、WinRTを使っているときは、iOSでDTM関連のアプリが充実していることが羨ましかったです。
そこでiPad miniを購入したのを機にCubasisを使い始めました。
>> Cubasisの説明 <<
CubasisはiOS 6以降で動作するDAWです。
現在の最新バージョンは1.8.2でiOS8、Audiobus 2.1.3 SDKに対応しています。
デバイスの性能に依存しますが、Cubasisは無制限のオーディオとMIDIトラックを扱える設計になっています。
作成できるプロジェクトは96kHz/24bitまでに対応し、内部では32bitで処理されています。
16bitではそのダイナミックレンジは96dBですが、24bitでは144dBとなります。
32bitであれば192dBとなります。
32bitといえば32bit-floatというものがあります。これは0dBを超えてもクリップしないのです。
波形を見ると表示上限を超えているので潰れているように見えますし、I/Oで24bitに変換されればクリップして聞こえます。
しかし、32bit-floatで処理されていればクリップしていないので、-12dB下げることでクリップしていない状態に戻すことができます。
すこし話が逸れましたがCubasisの内部処理が32bitであるといことは、少なくともダイナミックレンジが192dBの状態で処理され、24bitのプロジェクトとして書き出されていることになります。
数値的にはモバイルDAW環境だから音が悪いということにはならないようです。
もちろん、音の良し悪し等はオーディオインターフェイスや録音環境、状態にも依存します。
Cubasisに付属する音源はHALion Sonic を基にした MICRO SONIC。これは70音色以上のバーチャル音源です。
そしてバーチャルアナログ音源のMICRO LOGUE。
ひと通りの音色は付属しているのでCubasisを購入後、すぐに曲を作成することができます。
そこで気になるのが同時発音数です。
デバイス性能に依存しますが、iPad2では48ボイス、iPad第3/4世代では64ボイス、iPad miniで48ボイスとあります。
もちろんオーディオトラックやMIDIトラックの処理、エフェクト処理によってデバイスのCPUリソースは消費されるので最大でという意味合いです。
>> Cubasisの良いところ、もう少しなところ <<
Cubasisの良いところ。
それはどこでもDTMが出来ることもありますが、Cubasis Project Importer エクステンションでCUBASEにCubasisのプロジェクトをインポートできることでしょう。
Cubasisで簡単にアウトラインを作り、CUBASEで本格的にプロジェクトを作成することができます。
この機能を利用できるCUBASEのグレード及びバージョンは、Cubase7.5/7、Cubase Artist7.5/7、Cubase AI/LE/Elements7です。
また、バージョンアップによって機能やエフェクトの追加が行われているところは間違いなく良いところです。
バージョン1.5では 50音色のMicrologueが追加され、Allen Morganシグネチャードラムとして、16キット80MIDIループが追加されました。
バージョン1.8ではオートメションに対応。これは嬉しい機能追加でした。
もう少しなところでは、
私がiPad miniでCubasisを利用していることもありますが、MIDI入力画面が小さく打ち込みづらいです。
やはりUSBカメラアダプターを利用してmini鍵盤のMIDIコントローラーがあると便利だと感じます。
曲のジャンルにもよりますが、iPad miniとCubasisだけで曲を完成させるには少々根気が必要でした。
私にとってCUBASEとの連携機能は必須です。
>> 使用感 <<
先にも書きましたが、やはりある程度の完成度を求めるには標準の状態では音色数やエフェクトの種類が少ないことも事実です。
またiPad単体とCubasisでのMIDI入力は少々厳しいです。
それでもモバイルDTM環境としては一昔前と比較すると格段に高性能、高機能となっています。
イメージする音色やエフェクトが無い場合は、別途サードパーティー製の製品で補完するということは、デスクトップで行うDTMと変わりはありません。私がMIDI主体でCubasisを利用し、録音を行うことが少ないためこのような印象となっていますが、録音主体で使用する場合、また違ったインプレッションとなるかと思います。
録音については最近ではiOS用のオーディオインターフェイスの種類も増え、また既存機種でもファームウェアのバージョンアップによってiOSに対応する製品もあります。
所有する機器のメーカーサイトで確認してみましょう。もしかすると新規で購入しなくても対応しているかもしれません。
>> まとめ <<
- Cubasisがあればどこでも曲のアウトラインが作成できる。
- mini25鍵のMIDIコントローラーがあれば便利。
- CUBASEとの連携はかなり便利。
- そこまでしなくてもという人でも付属の音源を弾いて遊べる。
これはガレバンでもできますが。(^^;
やはりCUBASEを所有している方が同じ操作体系で戸惑うことなく扱えるモバイルDAW。
これがCubasis一番のメリットではないでしょうか。
今回はiPadアプリSteinberg Cubasisのレビューをお届けしました。
MOMODON
シンセやシーケンサーで曲を作っていたことからDTMに興味を持つようになりました。
社会人になり音楽から遠ざかっていましたが十数年ぶりに再燃。
CUBASEと手持ちの楽器を手に休日の趣味に勤しんでいます。
Harmonic-Sound:http://harmonic-sound.com/
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