PCDJが増える中、レコードプレイヤーにとってPCDJ用のコントローラーは使用しづらいと思います。その中で出てきたコントロールレコードでDJソフトを操作出来るSERATO SCRATCH LIVE SL3についてレビューしたいと思います。
○SERATO SCRATCH LIVEとは
専用のコントロールレコードを使用してPC内の音楽データを操作し、スクラッチなどのテクニックが出来るPCDJセットです。
○SCRATCH LIVE SL3を選んだ理由
私がSCRATCH LIVEを選んだのは友人が使用していたのを見て「超カッコ良い!」って思って衝動買いしました。理由はただそれだけだったのですが、SLシリーズの中で何故SL3を選んだのかというとABLETON LIVEとのThe Brige機能を使用したかったからです。PCDJのソフトは他のDAWとのREWIRE機能が無い為にソフト間の同期は不可能なのですが、SCRATCH LIVE SL3とABLETON LIVEだけは可能でThe Brigeを使用することによってプレイスタイルを広げられる可能性があったので選びました。
○SERATO SCRATCH LIVE SL3の使い方
他のPCDJと違って分かっていないと面倒です。ミキサー、ターンテーブルをPCと連結させるわけなので手順を踏まないとうまく動作しません。以下には手順を説明していきたいと思います。これさえ分かれば現場に行けば簡単に設置出来ます。
1.PCとターンテーブル、ミキサーの接続。
SCRATCH LIVE SL3に付いて来るオーディオインターフェイスを使用してPCとターンテーブルを接続します。その後PCからの音出力がミキサーに来るように配線を接続します。ここでミキサーとオーディオインターフェイスのつなぎ方を間違えると音が割れたり出なかったり、低かったりと様々なトラブルに会います。慎重に行いましょう。
2.SERATO DJの起動。
SERATO DJを起動します。
3.入力信号の調整。
ターンテーブルや針によって入力信号が異なります。ですのでプレイする前のリハの段階で必ず入力信号の調整をしなければなりません。これをしないと、本番中音量差に悩まされ、聞いてる側は不快な感じになりかねません。左右共に同じ円と大きさを作りましょう。
4.曲をインサート。
音源データを選択、検索出来るブラウザがあるのでそこで選択し、ドラックでターンテーブルの形のところに持って行きます。そこからアナログレコードを再生するようにターンテーブルで操作すると再生が出来ます。後はターンテーブルとミキサーで操作できるので曲を繋いだり出来ます。
5.エフェクトの使い方。
これらの機能を使用するためには別途MIDIコントローラーが必要です。MIDIコントローラーを接続してエフェクトを選び、つまみで操作することが出来ます。
6.サンプラーの使い方
これもエフェクト同様別途MIDIコントローラーで操作します。6個の音源を入れるところがあり、それをコントローラーで再生することが出来ます。
○SERATO SCRATCH LIVEの良いところ
良い所と言えば機能性も安定していて、不具合が少ないことでしょうか。ショートカットキーを覚えればもっともっと楽に操作できますし、悪いところを探せと言われる方が難しい機材です。また見た目も見やすいですし、シンプルにまとめられた画面はプレイ時でも安心できます。
○SERATO SCRATCH LIVEの悪いところ
良い所で悪いところを探すのが難しいと言いましたが一つあります。それは値段が高いと言うところです。それさえ無ければSCRATCH LIVEはすばらしい機材になります。
○他のソフトとの比較
比較対象としてはやはりTRAKTOR SCRATCHになります。SCRATCH LIVEとTRAKTOR SCRATCHの違いは使える機材の幅でしょうか。DJソフトによるハードの互換性が重要視されます。例えばTRAKTOR SCRATCHの場合はコントロールレコード以外にもDJコントローラーがあればソフトは同期して使用できます。ですがSCRATCH LIVEの場合コントロールレコード以外のDJコントローラーを使用する場合はソフトを変えなければ使用できません。その為TRAKTOR SCRATCHはテクノやハウスなどMIX時にツマミやパッド系の操作を優遇できる仕様になっていて、SCRATCH LIVEはスクラッチやテクニックを重視できるヒップホップ、レゲエをプレイする人向けだと私は見ます。
でも使ってみればどちらも一緒なんですけどね。あと違いと言えば、TRAKTOR SCRATCHのソフトはスペックの低いPCでは重く落ちやすいぐらいですね。
○最後に
SCRATCH LIVEにするか、TRAKTOR SCRATCHにするかは好みだと思います。しかし、それに対応する他社のハードウェアとソフトを考えるとどちらが良いか選ぶ基準になります。良い悪いじゃなくて自分のスタイルややりたいことに合わせるべきだと思います。
私はSCRATCH LIVEを選んだ理由を前文で書きましたが、他の方が選ぶ機材は自分にあった機材を選ぶべきだと思います。
~ライター紹介~
HAGA
PA,レコーディング、ノイズ屋
参考サイト
SERATO
⇒http://serato.com/scratchlive
DTM Review
Latest posts by DTM Review (see all)
- 歪み系コンパクトエフェクターの定番 BOSS OD-3とmaxon OD-820の比較レビュー - 2017年7月25日
- USBオーディオインターフェイス Apogee ONEのレビュー - 2017年7月24日
- YAMAHA THR10 レビュー - 2016年9月14日
Speak Your Mind