今回はスタジオ定番モニターとして長らく愛用されているNS-10Mの後継とも言える、パワードモニタースピーカー YAMAHA HS5 のレビューをお届けします。
ヤマハ パワード スタジオ モニター HS5は2013年6月13日に発売されたスタジオモニターです。
シリーズとしてHS5/HS7/HS8と専用のパワードサブウーファーHS8Sのラインナップです。
現在ではサブウーファーを除いて、それぞれのホワイトモデルも追加されています。
>> 購入理由 <<
DTMを趣味としていますが、実際のところパソコンでは作るよりCD等を聴く時間が長いために、これまではリスニングスピーカーを使用して代用していました。
しかし、これからもDTMを趣味として続けていくならいつかの時点でモニタースピーカーを購入しようと思っていました。
そこで、DTMデスク周辺を整理整頓するのを機会にモニタースピーカーを設置することにしました。
設置スペースを考えるとHS5以外は難しいのですが、それでも170W×285H×222Dと少し大きめのサイズです。
>> 機材の説明 <<
HS5は高域用と低域用の専用パワーアンプで増幅するバイアンプ方式を採用しており、スピーカーユニットも新開発のユニットが採用されています。
再生周波数帯域は54Hz〜30kHz
ツイーターは1インチドームで25W、ウーファーは5インチのコーン型で45W、合計70Wの定格出力で消費電力は45Wとなっています。
私の部屋には十分すぎます。
エンクロージャーも大変しっかりしており、片側だけで5.3kg、セットで10kgを超えます。
HS5は背面バスレフ方式を採用しています。
背面バスレフは壁に近すぎると低音が増幅されるので低音がキツく感じる時は壁から少し離して設置するか、壁に吸音材を貼ると落ち着いた低音になります。
本当は1.5m程壁から離すと良いのですが、なかなかそれを許せる設置環境は少ないです。
HS5にはルームコントロールスイッチが装備されていおり、500Hz以下の低域を2dB又は4dBカットすることが可能です。
また、本来、スピーカーの高域を担当するユニットは耳と同じ高さに位置するのが望ましいのですが、これもなかなか難しい時もあります。
HS5にはハイトリムスイッチによって、クロスオーバー周波数の2kHzよりうえ、つまりツイーターを2dBブースト又は2dBカットできるようになっています。
インターフェイスとの接続はXLRケーブル又はTRS(3極)ケーブルのバランスケーブルを使用しますが、ノイズの影響が少ない短距離である場合はアンバランス接続となりますが、TS(2極)ケーブルを使用することができると記載があります。
私は配線距離は短いのですが、ノイズの多い集合住宅かつ色々な機器を接続しているので、気休めですがTRSケーブルで接続しています。
>> 機材の良いところ、注意点 <<
YAMAHA HS5の良いところは新設計のユニット等によるバランスの良い再生音にあると思いますが、低域までフラットに聴けるのはHS7以上であることも確かです。
また、ルームコントロール、ハイトリムによって設置環境にも配慮されていることも好感が持てます。
注意点としては、購入時に1本又はペアで販売されているのかネット購入でクリックする時に間違わないようにしましょう。
シリーズのうちで一番小さいモデルといっても、他社の小さいモデルを想像すると大きめのサイズです。
HS5では 170W×285H×222D のサイズとなるので、実際の設置場所を測定しておいたほうがベストです。
そしてXLR、TRS、TSプラグを背面に挿すのでプラグの形状とケーブルが曲がるスペースを考慮して15cm程度のゆとりが必要です。
コンセントも左右分で2つ必要となります。
>> スピーカーとヘッドホン <<
「DTMではヘッドホンで作業するし、聴く人の殆どがヘッドホンかイヤホンでしょ。」
そこでスピーカーとヘッドホンについて
人は通常耳からの前方定位で音を聴き、音源との位置と距離を判断しています。
ヘッドホンでは両耳を繋ぐ直線状に定位を配置して音を聴いている状態です。
これは脳からすると非日常的な処理を行っているのでストレスを感じることになります。
定位は前方定位の方が脳が判断しやすいのです。
そこでスピーカーで音を聴き、リバーブの奥行感、各楽器の定位、音量(距離感)を脳の正常な処理で判断するためにモニタースピーカーは必要ではないかと思っています。
その為、モニタースピーカーに求められるものは、迫力のある聴いてワクワクドキドキするような楽しい音ではなく、先述の事を判断する為に必要なフラットな特性となります。
このことからヘッドホンとスピーカー、スピーカーでもリスニング用途とモニター用途では求められる性格がことなり、私のようにリスニングで代用していてはなかなか上達しない。
そう考えるようになってHS5を購入しました。
ヘッドホンにもモニター用とリスニング用がありますが、モニター用ヘッドホンは録音結果のトリートメントを行うのに大変重宝します。
例えば不要な接触ノイズ、リップノイズ、ミスタッチであったり、ディレイフィードバックの不要ヵ所を探したり。
モニターヘッドホンは虫眼鏡と概ねのバランス配置。モニタースピーカーは最終調整。
そんな感じなのでしょう。
そう考えてモニタースピーカーを選ぶと、また別の角度から判断することができるかもしれません。
>> 使用感 <<
リスニングスピーカーから HS5 に替えて、まず最初に思ったのは音がスッキリしていることでした。
これまで使っていた誇張された塊感のある音とは違います。
それはそれで気持ちの良い音なのですが、音を聴くのと作るのでは違うものだと感じました。
これまで作っていた曲はもしかしたら、低音のレベルが小さく、リバーブ過多の曲もあっただろうと思います。
HS5では最低再生周波数が54Hz。
低域が気持ちフラットではないのですが、設置できるスペースを考えるとここは妥協点だと思います。
>> まとめ <<
YAMAHA HS5は最新のスピーカーユニットを搭載した、
設置環境に優しい小さいながらも少し大きめなスピーカーでした。
今回はパワードモニタースピーカー YAMAHA HS5 のレビューをお届けしました。
>> メーカーサイトのリンク <<
⇒http://jp.yamaha.com/
MOMODON
シンセやシーケンサーで曲を作っていたことからDTMに興味を持つようになりました。
社会人になり音楽から遠ざかっていましたが十数年ぶりに再燃。
CUBASEと手持ちの楽器を手に休日の趣味に勤しんでいます。
Harmonic-Sound:http://harmonic-sound.com/
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