今回はYAMAHAから。iOSアプリの「Mobile Music Sequencer」についてレビューしたいと思います。
Mobile Music Sequencer 購入理由
お値段は1,600円とそこそこしますが、Sequencerということでオーディオを扱わないで純粋にMIDIのみを扱う潔さと、だからこそ軽快で汎用性にとんだシステム構築ができそうだと思い購入しました。
主な内容
Mobile Music Sequencerはシーケンサーです。なのでMIDIの録音再生はできますが、オーディオは扱えません。一応Mobile Music Sequencerでも音の確認ができるように音源は付いていますが、確認用と思ったほうがいいかもしれません。でも今の時代ですから、そこそこの音色数と良い音なってくれます。そしてXG規格のエフェクトや音色エディットの能力も備えています。
ウインドウはDAWのそれと同じくプロジェクト(SONG)、ピアノロール、ミキサー等も備えられています。トラックは計8トラックです。
Inter-App Audioでその他対応のインストゥルメントをトラックに割り当てることもできます。 さらに大量のLOOPデータが入っていますから、それらを利用して曲をつくったり、リアルタイムで任意またはランダムに入れ替えたりもできます。ライブで使うのも面白いと思います。
使い方
内蔵の音源は大容量のサンプルには敵いません。でもXG規格のエフェクトや音色エディットの能力は捨てがたい。いろいろ思うところはありますが、やはりここはシーケンサーとしてほかの音源を鳴らすことが一番の使い方と思います。
そこでMobile Music Sequencerをフルで使うために必要になるのがMIDIインターフェイスです。
YAMAHAのi-MX1と、筆者の環境はiPhone5SなのでLightning – 30ピンアダプタ(0.2 m)が必要になりました。両方ともお高めです!!
(ここで注意!「Lightning – 30ピンアダプタ(0.2 m)」のLightning側は「Lightning – USBケーブル(1 m)」に比べて太いのでケースしだいで接続できません。筆者のは樹脂製のケースだったので広げてギリギリ入りました。そもそもケース付けてないという方はケーブル部なしで安いのがあるので、そちらがいいと思います。)
こんな感じで太めです。
接続するとこんな感じです。あとはMobile Music SequencerでMIDIportを設定してやります。
これでMIDIoutをMIDI機器に繋げばMobile Music Sequencerから鳴らせます。
ここで一つ残念なことなんですが、MIDIスルーがないのでMIDIinに入ってきたものを直接はoutに繋いだ機器を鳴らせません。一度シーケンサーに録音してからという使い方になります。MIDIスルーは欲しいところでした。(もしかしたら方法があるかもしれませんが・・・今後にも期待したいです。)
最近試した接続なんですが、i-MX1のMIDIoutは一つだけですがthruBOX(beatnic.jpの#005 MIDI through box)を間に入れてやり、KORGのvolcaを3台接続しています。Mobile Music SequencerはトラックのナンバーがそのままMIDIチャンネルになっているので、volca側のチャンネルと合わせてやり、シーケンスをスタートさせてやれば鳴ります。 更に前述したとおり、MIDIスルーが無いのでMIDI鍵盤からvolcaを鳴らせませんが(写真では見えませんがi-MX1のMIDIinにtaktileが繋がっています。)Mobile Music Sequencerは鳴らせるので打ち込んだものをベースにMobile Music Sequencerの音源を重ねていくのも良いかと思います。
最近はMIDIスルーがない製品も多いですし、スルーを使っての直列の接続も3台までなのでthruBOXは必要不可欠。DTM環境ではMIDIインターフェイス(オーディオインターフェイスについていること多し)からthruBOXを介し、それぞれの機器に接続するといいと思います。MIDIケーブルで遅れるのは16CHまでですが、16CHのマルチティンバーなんかはそもそもUSB-MIDIなので16CHで十分です。
Mobile Music Sequencerの使い方一番はシーケンサーとして外部ハードを鳴らす王道の使い方なんですが、MIDI鍵盤を使ってMobile Music Sequencerを音源にしたり、楽曲制作をするDTM環境として使ったり、といろいろな使い道があります。
「MIDIスルーが無い」ということが壁になって、これらが一つのシステムにはなりませんが、多目的に使えます。
ここではシーケンサーとして外部機器との接続を使い方として取り上げましたが、MIDIの編集能力も高いと思います。
PC制作と比べて(いいところ、わるいところ)
圧倒的に移動が楽。普段携帯電話は携帯しているので、無いも同然です。ノートPCは持ち出すのも起動させるのも億劫ですし、オーディオをその場でどうこうしないのならタブレット端末Mobile Music Sequencerで十分と思います。
悪いところはやはりMIDIスルーがないところです。少し高くなっても付けて欲しかったところです。あとはタブレット端末でソフトウェアであることのマイナス面が出ているところぐらいです。
ミュージックモバイルシーケンサーを使ってみて
気軽にシーケンサーからハードを鳴らせるようにもなりましたし、気軽にMIDI鍵盤を音源化できた気分にもなりましたし、十分です。以前はハードのシーケンサーも持っていなかったのでPCを起動しないといけませんでしたが、その必要はなくなりました。それにMID鍵からMIDIでMobile Music Sequencerのパラメーターの一部をコントロールできるので、タブレット端末では得られないハードのトルク感なども楽しめます。
最後に
MIDIインターフェイスのi-MX1の恩恵もあって、少し偏ったレビューになりましたが、Mobile Music Sequencerはシーケンサーとして、いろいろなシステムに組み込めるのでいたるところで活躍してくれます。あとはやっぱり手軽さですね。 どうしてもMIDIスルーが欲しいとなるとCubasisとかになってくると思うのですが、それでもMobile Music SequencerにしかないMIDIの機能は捨てがたいです。特にこのLOOP REMIX VARIATIONSなんかは
それでは最後にいくつかのウインドウ見ていきたいと思います。
DAWでもお馴染みのプロジェクトのウインドウです。
ミキサーです。
エフェクトの設定画面です。エフェクトの種類もそこそこありますし。パラメーターも細かく設定できます。
音色のエディット画面です。ミキサーと重なるところもありますが、2と3ではAMPEGやビブラート、フィルターにポルタメントの設定もあります。
プロジェクト全体の設定のウインドウです。
ここではMobile Music Sequencer自体の設定します。MIDIクロックやポートの設定からファイルのセーブやロードを行います。
以上、YAMAHA Mobile Music Sequencerのレビューでした。
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