サックスを吹き始めたものの、思うように吹けないと諦めている方、ちょっと待って下さい。もしかしたら、それは「腕」のせいではなく「楽器そのもの」のせいかも知れません。
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1.リード、マウスピースの選び方
よく、学校の吹奏楽部で先輩が「このマウスピースを使いなさい」「このリードを使いなさい」と、よく耳にしますが、これは大きな間違いです。
確かに基準はありますが、人間には個人差があります。という事は、道具も本来は違うものを使っていないとおかしいのです。
選ぶときには、マウスピース、リードは自分が吹きやすく、音が楽に出せる物を選びましょう。
マウスピースやリードには「ジャズ用向け」「クラシック向け」のマウスピースがありますがあくまで「向け」であり「専用」ではありません。
周りと同じ音さえ出ていれば問題ないのです。先輩から「このくらいの硬いリードが吹けなくてどうする!」と言われても無視していいです。
同じ音なら「ムリして」出すより「楽をして音を出す」方がいいに決まっています。
2.楽器の調整
まず、水道管をイメージして下さい。水道管は一本の管で水を供給しています。もし水道管に何個か穴が開いていればそこを塞がなくてはいけません。
これを「水」を「息」、「塞ぐ穴」を「指」とします。穴をキチンと塞げていないと水「息」が漏れてしまいます。息は漏れれば漏れるほど音は出ません。
そこで、漏れが無いか確認します。
自分で確認するのであれば豆電球をサックスの中に入れて光らせ、キーを閉じたときに光の漏れが無いかを確認します。(光の漏れが息の漏れです)
もし、漏れがあったら即「楽器屋さんに調整」に出します。すると楽器屋さんはその隙間を直してくれます。
これで漏れのない、効率のよい楽器の出来上がりです。
3.それくらい自分でできるのでは??
この楽器の「調整」、一見、自分で直せそうなのですが、絶対にやめた方がいいです。
一個の穴を塞ぐのは、頑張れば自分で直せます。ただ、サックスはほとんどのキーが一つ押さえると連動して動きます。ですので、一つを直すと他の連動しているキーが今度は狂います。
さらに直すと今度は別の場所が狂い・・・この繰り返しで、いたちごっこになり、時間の無駄です。さっさと楽器屋さんにいる「リペアマン」に任せましょう。
この「リペアマン」とは「楽器のお医者さん」です。キーの狂いはもちろん、他に異常はないか?また、自分の手癖や、日ごろのメンテナンスまで見破ります。
病気で例えると、自分で直すのが「薬局で薬を買う」とすれば、リペアマンに見てもらうのは「診察して病名に対して適切に治療してくれる」みたいな物です。
維持、管理の方法(健康管理みたいなものです)も聞けば教えてくれます。
自分が意外に知らない事が多いので、勇気を出してイロイロ聞く事をおススメします。
4.こんな症状に要注意
ますます病院みたいな話になってきましたので、病院っぽくお話します。
以下の症状にご注意下さい。
・キーを動かすとキーキーと音がする
キーがどこかに当たり、きしんでいます。放置しておくと、きしんでいる所がどんどん削れて、悪化すると部品を交換する事になり、莫大な費用がかかります。
・タンポに潤い、ハリがない
かさかさで硬い肌で穴を塞ぐより柔らかい肌の方がもちろん楽にキチンと穴を塞げます。新しいものに交換しましょう。また交換後は正しいお肌のお手入れをしましょう。これもリペアマンに聞けば教えてくれます。
・タンポを塞いだ時には「ポーン」や「ポン」と音がします。
もし、押さえた時に「ポス」と音がしたら、穴がキチンと塞がっていません。調整してもらいましょう。
いずれもリペアマンに見てもらえばスグに解決しますが、放置すれば重傷となり、入院し莫大な費用がかかります。
通院は初期症状のうちに、どうぞお早めに行って下さい。
但し、「医師」と「リペアマン」には大きな違いがあります。それは「免許の有無」です。リペアマンに免許はありません。誰でもなれます。という事は悪徳リペアマンも存在します。
周りの評判を聞いて、確かな楽器屋さんに持っていきましょう。
5.サビは命取り
特に気を付けて欲しいのは、「バネの部分」です。
このバネはくさび型になっており、穴に対して上から打ち込んでいます。
もし、このバネ近辺が錆びてバネがとれると、穴が大きくなり、次に入れる際は付いていた物より大きな物を入れなくてはいけません。
そして、これを繰り返すと、どんどん穴は大きくなり、最悪、支柱がダメになり交換、莫大な費用がかかります。
また穴が大きくなれば太いバネを、入れなくてはいけなくなります。すると、キーを押さえる力も変わってきます。
バネを通している穴は錆びないように、こまめに掃除をしましょう。
6.その「掃除について」も気を付けて下さい
掃除についてですが、よく楽器屋さんでお掃除するポリッシュ、キーオイルがありますが、これは「最終手段」だと思って下さい。
初心者がこれを使うと、拭き残しが出て、そこにゴミが溜まります。そのゴミは知らぬままどんどん溜まり、キーに絡みついたりして動きが悪くなる元となります。
拭き掃除は空拭きのみ、タンポはクリーンペーパーで水分を取るのみ、細かいところは麺棒で拭きます。それ以外はリペアマンに任せてもいいと思います。
7.へこみ、曲がりも要注意
管がへこんだり、曲がったりしてもリペアに持っていけば直してくれます。但し、同じ音は二度と帰ってきません。
管は金属密度が同じになるように製造時に叩いて作られています。曲がったりへこんだりすると、管の密度が変わり、それは音に直接関わります。
特にネックは曲がりやすいです。ネックの先端を持って楽器に接続すれば確実に曲がると思っていてもいい位です。
ここが簡単に曲がってしまいます。
金属だから大丈夫と思わず、デリケートに取り扱って下さい。
まとめ
なんでもかんでも「練習、練習」と良く言われますが、楽器のコンディション次第で吹きやすい楽器、吹きにくい楽器が決まります。音が出ないと音楽は楽しくないです。
上手な人は、出にくい楽器でもパワーでごまかす事がいくらかは出来ますが、初心者は吹くパワーが無いので楽器のコンディションに非常に左右されやすいです。
こまめにリペアマンに見てもらい、常にベストなコンディションを維持して練習しましょう。もっと上手くなれると思います。
以上「あなたのサックス大丈夫?サックス初心者が心得たい7つのポイント」をお届けしました。
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