コンデンサーマイクRODE NT-1のレビュー

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入門用コンデンサーマイクとして知名度が高いNT1-A。

TASCAM マイクプリアンプ TA-1VPのマイクモデリングの使用側マイクにNT1-Aの名前があったのには驚きました。



NT1-Aは1インチダイアフラムが採用された単一指向性マイクで、感度が良い割にはマイク自体のノイズが少ないマイクだと思います。

付属品はポップガード付きショックマウント、マイクケーブル(XLR/6m)マイクカバー(ポーチ)、NT1-Aに関するDVDが付属しており、開梱後すぐにNT1-Aで録音することができる構成となっています。

注意点として、コンデンサーマイク全般にいえますが、NT1-Aを接続する機器であるオーディオインターフェイスやマイクプリアンプがXLR端子に対応しており、ファンタム電源を供給できることを確認しておきましょう。

 

>> 購入理由 <<


アコースティックギターの音を録音するために購入しました。

それまではエレアコのピエゾからの音やホールに取り付けたマグネティック・ピックアップで録音していたのですが、やはりマイクで録音した音とは大きく異なります。

そこでコンデンサー型マイクを使ってみようと思ったのがきっかけでした。

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>> NT1-Aの良いところ、気になるところ <<


コンデンサー型マイクが始めてだったということもあり、最初、12弦ギターを録音したときはその感度の良さに感動しました。

これまで録音で使っていたピエゾやマグネティックP.U.、ダイナミック型マイク(手持ちの安価な品)と大きく異なります。

録りたかった音は、コードストロークのアタックが8分で刻むハイハットに重なるような音でした。

その点では初めてのコンデンサー型マイクとしてNT1-Aを選択して正解だったと思っています。

気になるところと言えば、NT1-Aには高域に少しジリッとした成分があるように思います。

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NT1-Aの周波数特性をみると2kHz以上の感度が高いようです。

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人間の耳は2kHz〜5kHzに対しての感度が高いため、録音環境や録音結果によっては耳に痛い成分を強く感じることがあります。

この為、この帯域をブースト処理しようとするとジリっとした成分も一緒に持ち上がって耳に痛く感じることがありました。

マイクには近接効果というものがあり、マイクとの距離が近いと低域が強調された音になります。

マイクから適度な距離を置き、中低域と高域のバランスを取ることが録音のコツとなるのですが、NT1-Aの場合、近いと中低域が強く、離れると高域が薄くなる。

その丁度良い距離のスポットが少し狭いと感じました。

ボーカルの録音に使用してみた感想ですが、高域のジリッとした印象は変わりませんでした。

音抜けを良くするためにイコライザーのシェルビングで14kHz周辺を上げたときにも感じます。

コンプレッサーを掛けた時も同じ印象です。

また、サ行、タ行、カ行で耳につくアタック音やサ行の歯擦音を下げる為に5kHz〜7kHzを少し下げるのですが、そうすると少し引っ込んだ感じの音になってしまい、前に出そうとするとザラついた成分の帯域に引っかかるのです。

その為、ボーカルを録音するとするなら、NT1-Aは声又は歌い方を選ぶマイクであり、オケには空間がある曲の方が好ましいと感じました。

空間が少ない曲の場合、ボーカルを抜けさせるためにどうしてもジリっとした帯域を上げなければなりません。

多少使い方を選ぶマイクかなとも思いますが、マイクの使い方を知り尽くしたプロの方が使うのではなく、初心者向けということを考えれば、声又は歌い方を選ぶというのは、この価格帯ではどのマイクでも言えることとも言えます。

あくまで私の個人的な感想ですし、私の曲の作り方の問題ともいえますが、ハマれば抜けるマイクであることも確かです。

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>> 他の機材との比較 <<


手持ちのコンデンサ型マイクはRODE NT1-AとAudio-Technica AT4040の2機種です。

価格帯が異なるために安易な比較は出来ませんが、RODE NT1-Aは明るい音、AT4040は落ち着いた音。

そんな印象です。

用途目的によってマイクの感想は変わってくるかと思いますが、付属するショックマウントについての感想は多分同じだと思います。

ナイロン製と金属製のポップガードでは同じマイクでも音が変わってくるので面白いですが、NT1-Aのショクマウントはポップガードと一体型構造なので、別途用意したポップガードを取り付ける際は付属のポップガードを外して使用する必要があります。

この際、付属のショックマウントが大柄であるため、マイクスタンドに取り付けるポップガードは柄の部分が長くないと、思ったほどマイクとの距離を調整できないことがあります。

また、ショックマウント自体が重いため、ブーム式マイクスタンドのネジ等の強度が弱いとマイクがお辞儀をしてしまいます。

これもブーム式マイクスタンドでのことですが、マイクを出し過ぎるとスタンドの足の向きに注意しないと倒れてしまうことがあるかもしれません。

マイクを差し出した方向に足を出しておくのがベストです。

円形座のスタンドでは調整できないので、重量のあるものか円形座の径の大きなものが良いでしょう。

最近、マイクスタンドも安価なものが増えており、強度や重量が不足するものがあるのも事実です。

コンデンサー型マイクはその構造上、ショックに大変弱いのでスタンドにも少しだけコストを掛けておきましょう。

同価格帯のマイクと比較すると、NT1-Aのショックマウントはもう少し軽量設計又は重量バランが整っていれば良いと思いました。

 

>> まとめ <<


現在ではRODE NT1-Aより価格帯が下に位置するコンデンサ型マイクも、メーカー、機種ともに多くなっています。

NT1-Aは同価格帯前後の比較対象によく登場していることから、この音を知っておくと他のマイクの印象が理解しやすいかもしれません。

そして、RODE NT1-Aは価格、セット内容、ノイズの少なさ等を考えると、使用環境に合った時のコストパフォーマンスは高いマイクだと思います。

今回はコンデンサーマイクRODE NT-1のレビューをお届けしました。




MOMODON

MOMODON

高校生の時にバンドでギター担当。
シンセやシーケンサーで曲を作っていたことからDTMに興味を持つようになりました。
社会人になり音楽から遠ざかっていましたが十数年ぶりに再燃。
CUBASEと手持ちの楽器を手に休日の趣味に勤しんでいます。

Harmonic-Sound:http://harmonic-sound.com/
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