[レビュー]DTM ソフト : MOTU Digital Peformer について

DTM ソフト : MOTU Digital Peformer についてのレビュー

DTM(DeskTopMusic)なんて言葉が当たり前のように使われる以前から、コンピューターミュージックの定番ソフトとして多くのミュージシャンが使用してきたMOTU「Digital Peformer(以下、DP)」.そんな長年のノウハウが積み重なった老舗DAWの魅力を紹介したいと思います。



★ MOTU:Digital Peformerの歴史


そもそもの歴史は,

元々「Performer」(この頃はブランド名は「Mark Of The Unicorn」でしたね)という名で、Mac最初のMIDIシーケンサーとしてスタートしました。

パソコンでオーディオを取り込むなんて想像もしてなかった時代です。
実際MIDIシーケンサーとしての機能は、この頃からほとんど変わってないですから、当時の完成度がいかに高かったかがわかります。

そして、MIDIとオーディオの両方を扱えるソフトとして登場したのが「DP」。
MIDIの操作性を生かしつつ、オーディオのレコーディングから編集、ミックスの機能が追加され、現在の形になるわけです。

 


★初心者にはちょっととっつきにくい??


これからDTMを始めたいという人から、「DAWは何がいいの?』という質問を受けることがよくあります。

一昔前ならまだまだメーカー毎に一長一短もあったで、その人の用途や目的を踏まえてあれやこれと相談に乗ってたんですけど、最近はどれを使ってもほぼほぼ同じことが出来るんで「コレが絶対!」っていうのがないのが本音です。(実のところDP以外はそこまで使いこんだことがないですが^^;

そんな話をすると「じゃあ、なんでDP使ってるの?」という質問が必ず返ってくるんですが、その答えには「使い慣れてるから」と。
ホントにこの答えしかないんですね。

正直なところ、僕が今からDTMを始めよう!と思い立ったならProToolsかLogicを選ぶんじゃないかなぁ、なんて思ってます。
相談者にも実際、この二つをオススメしてますから(笑)

とまぁ、こんなこと言っててもレビューにならないので、もっとつっこんだところで、自分なりの視点でもってDPにこだわる理由と初心者にオススメしない理由は何か?を中心に紹介してみたいと思います。

MOTU Digital Peformer


★ MOTU:Digital Peformerの魅力


まずは冒頭でも述べた通り、MIDIシーケンサーとしての機能と操作性。

長年MIDIに親しんだ身としてはイベントリストでの編集(いわゆる打ち込み)がメインになるんですが、テンキーとショートカットだけである程度のところまで操作出来るので、これは指が覚えてしまうと、他のDAWだとどうもストレスを感じてしまうんですね。
当然、慣れてしまえば問題なかったりもするんでしょうが、MIDIベースで制作をしてる立場としてはここがどれだけさくさく作業できるかが重要だったりします。
実際、何度かCubaseとLogicに乗り換えを試みたんですけど、ここの部分が一番のネックでした。
ほとんど同じ機能はあるんですけど、なんか違う。
一番時間をかける作業だからこそ、このなんか違うが大きい気がします。

そして、オーディオ部分もMIDIの延長線上で同じようなエディットができるのも魅力です。

トランスポーズやクオンタイズはもちろん、ピッチ修正もオーディオを取り込んだ時点で既に解析されているため、気になった時にちょこちょこっといじれるのが有難いところ。
かかり具合も±3程度ならほとんど気になりません。

オーディオの音質の傾向としては、もちろん言葉では説明し難い部分にはなりますが、ProToolsと比べてやや攻撃的な印象で、そこが音作りをする上での手応えになっています。
これがミックスになると好みが別れるとは思いますが、基本的にクリアな音質なので、個人的には気にいってるところです。
強いていえば、若干センターが散って聞こえるかな?っていう印象はあります。
あくまで主観ですが。。

音作りという点では、プラグインの名脇役っぷりも捨てがたいところ。
EQや歪み、空間系のエフェクターなど、キャラクターは強くないとはいえ、原音を壊さずかかり具合もはっきりしていて、どれも使いやすい印象があります。
アップデートを繰り返して少しづつ洗練されたってとこですかね?
全然使えない!っていう頭数だけのプラグインは見当たらないんですよね。

MOTU Digital Peformer

もちろん、これ以上を求めるならサードパーティのものを使えばいいや、という割り切りで使ってたりもするんですが、そのギリギリまでをつきつめてエディットすると結構満足できる仕事をしてくれたります。
しかも、マスタリング向けのMasterWorksシリーズやDP7以降に追加されたギター用プラグインなんかはバラ売りでも欲しいくらいのクオリティで、ここは他のDAWと一線と画すところだと思います。


multimode-filter

ちなみに僕のお気に入りはmooger foogerのシミュレータのようなフィルター。
まずこのプラグインを立ち上げてからが制作スタート、なんてことが多々あります(^^;;

その他、DPならでは機能としては、ライブの現場で重宝されているチャンク機能だったり、タイムラインに映像を読み込んで映像にあわせた制作ができたり、といったところでしょうか。

個人的にはトーンに一貫性のあるハデすぎないデザインも好きなんです(笑)

サウンドをこちらにUPしました。聴いてみてください!

 


★初心者にオススメしない理由


このDPというDAWですが歴史が長いせいか、ある程度の制作環境が整ったユーザーに対してのみ発信をしている傾向にあります。

最近のDAWではPCにインストールした時点ですぐ制作が始められるよう、プラグインやソフト音源が大量にセットされてるんですけど、DPはその点が弱く、標準で搭載されているソフト音源だと正直どんなジャンルに向けているのかわからないような使い勝手の悪いものばかりです。

この点は、どう考えてもサードパーティのソフトシンセやハードウェア音源を持っているユーザーが前提になっているところなんですよね。
裏を返せば、コアなユーザーの目線で無駄なものを排除しているともとれるんですが、、。

そういう意味でも、これからDTMを始める人に対しては、例えば生楽器を使って録音ベースですすめる人だとProToolsを、ループなどざっくりとアイディアベースですすめる場合だとLogicやCubaseなんじゃないかな?と思ってしまいます。


★最新バージョンの8では


とはいえ、新しくバージョンアップされたDP8(僕まだDP7ユーザーです。。)では、まるで新規のユーザーを開拓するかのように、Windows対応になったり、30日間のデモ版が公開されたり、VSTプラグインに対応したりと、旧知のユーザーからは「何を今更、、」な展開が悩ましい限りです。
特にVST対応にはビックリです。


★次のバージョンアップに期待したいこと


そんなふうに、ここに来て新たな進化を始めたDP。
新規ユーザーの開拓が狙いなのであれば、やはりソフトシンセの強化はお願いしたいところ。

せめてMachFiveの簡易バージョンでも用意してもらえるとそれだけで周りにオススメ出来るんですが、、。

パッケージとしてのDAWにどこまで求めるか、ってとこですね。
もちろん現状でも満足した上での話です。

 

今回はMOTU、Digital Peformerについてのレビューでした。



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