皆さん、こんにちは!サウンドクリエイターの櫻井慎吾です。
皆さんのプライベートスタジオ…もとい、自室には、マイクはありますか?昨今は“うたってみた”動画に代表されるよう、ご自身の歌声を披露することは珍しくない時代に なってきたため、いわゆる生放送のためにマイクを購入した方もいらっしゃるかと思います。クリエイターとしても、特に歌もの楽曲クリエイターにはマイクは欠かせないアイテムの一つであり、“仮歌”と呼ばれる肉声の歌声を乗せた楽曲サンプルでコンペに応募するなんて機会もあるのではないでしょうか。
さて、私のプライベートスタジオには、上記画像の「C3000(AKG)」が備わっています。今回は現在数多くのマイクが出回っている中、このマイクを備えた理由や使いどころをご紹介したいと思います。
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【1.C3000 の特徴と導入理由】
C3000はAKG(アーカーゲー)社から出ている“コンデンサーマイク”です。このマイクの特徴をざっと説明すると、「あらゆる周波数帯域を拾う」や「万能マイク」といった内容です。そのため、楽器のレコーディングだけにとどまらず、ボーカル録りや音 素材の収録等、色々な用途があります。しかし、裏を返せば不要な帯域まで拾ってしまうということになりますので、EQ(イコライザ)での調整はマストということになります。(※不要な帯域はカットするということですね。)
さて、ここで私がこのマイクを導入したきっかけですが、第一に素材作成の目的があります。仕事上、効果音を作成する機会も多く大抵は手持ちの音源で何とかなるのですが、まれに録った方が早い効果音(※拍手の音や、動物の鳴き声等)もありますので、スピード重視に一役買ってくれています。第二にボーカル録りです。歌もの楽曲を作った際 に仮歌を乗せるのですが、お金と時間をかけてプロの歌い手の方にお願いするよりは、 “(どうせ仮歌だし)自分で歌ってしまえ!”と思ったのがきっかけですね(笑)。歌の練習にもなりますし、何より“歌ってストレス発散!”みたいなこともできますので、 一石三鳥といった感じでしょうか!もちろん声が録れるということは、ナレーション録 りもできますので、仮ボイスであったり端役のようなセリフは自分で録っちゃってます。 これが結構面白くて、役になりきってセリフを言ってるとなんだか声優になった気分になれます!(笑)
また、私が使っているオーディオインターフェースが「ファンタム電源」を備えていたことも、購入の後押しになっています。通常のマイクは別途電源を必要とするのですが、 コンデンサーマイクはファンタム電源で動作するよう作られており、また一般的にはコンデンサーマイクの方が感度がよいと言われています。それこそ、コンデンサーマイクを使うためにファンタム電源を増設する方もいらっしゃるくらいですから、その点で私はラッキーだったかなと思っています。
↑セッティングされたマイクはこんな感じです。マイクを乗せるサスペンションホルダーと呼ばれるパーツは同梱されていました。
上記画像をご紹介したところで超余談になってしまうのですが、背景の白い壁はなんだと思った方もいらっしゃるかと思います。実はこれ、有孔ボードと言いまして、この無数の穴が音を吸い取ってくれるらしいのです。学校の音楽室がこの壁になっていたらしいのですが憶えてますか?(※私は忘れてました。というか、気にしてませんでした!)
で、なぜこんなことを言うかと申しますと、ここ、自室のクローゼットなんです。そうです、私は自室のクローゼットを改造してボーカルブースをDIYしたのです!この有孔ボードの裏には吸音材と呼ばれるスポンジのような素材が張り付けられており、さらにその裏には遮音シートが壁に貼られています。これがクローゼットの入り口以外全面に張り付けられているので、結構な遮音効果を持っています。ちなみに、入り口は(入りやすいように+予算の都合上)遮音シート+毛布が垂れ下がっておりますが、それ以外の面でほとんど遮音してくれるようで、特に問題はないです!防音室の DIY は調べ れば色々出てきますので、ここに実践した奴がいたことを念頭に、興味のある方はチェックしてみてください!私の場合、ざっくりとしたお値段は総額40000円くらいでした。
【2. スイッチ系の装備について】
マイクの側面には2つのスイッチがあります。1つめは、ローカットフィルターのスイッチで、録りの段階で低音成分をカットしてくれます。楽器のレコーディングの場合は楽器によって低音を残してもいいかもしれませんが、声をレコーディングする場合にはほとんど低音の成分は不要ですので、録りの段階でカットしておいてよいでしょう。もちろん、楽器においても不要だと判断した場合には、このスイッチをオンしてよいと思います。
↑スライド式のスイッチで、上にするとフラット状態、下にするとローカット状態です。
2つめは、レコーディングのレベル調整のスイッチです。マイクに入ってきた音をそのままのレベルで録るモードと、-10db してくれるモードがあります。あまりにも小さい音をレコーディングする場合には 0db でもよいかもしれませんが、一度クリッピング してしまうと修正は困難になります。音量が小さい分には、やり方によってはいくらでも大きくできるのに対し、クリッピングは一度してしまうと元には戻せず、往々にして “クリッピングノイズ”が乗るため、このスイッチは-10db にしておくのが無難でしょう。
↑このスイッチは、常にこの状態で問題ないです。
【3.サンプル音源はコチラ】
ではここで、実際にレコーディングしたものをサンプル音源としてご紹介します。私の声がデータデビューしてしまいますが(笑)、エフェクトをかけた歌もの、下手をする とクリップしてしまいそうな声を張る系のボイス、大きな音量が出づらいセリフ系のボイスを録ってみました。なお、オーディオインターフェースは、Steinberg 社製の「CI2+」 です。オーディオインターフェースによってもレコーディングの質は変わってきますので、必ずしも同じにはなりませんが、参考にはなるかと思います。
■歌もの楽曲
→シロウトですので、ボーカル向けのプラグインでごまかしてる感が満載です(爆)。
録った素材を複数トラックに分散にて、エフェクトや定位の違いなどを出してそれっぽくしています。
■声張る系
→ゲームとかによくありそうなザコ敵をイメージしました(笑)。処理は EQ とコンプでのボリュームアップのみです。
■セリフ系
→某ゲームのセリフです(笑)。分かる方いらっしゃいますかね??こちらも処理は 同じく EQ とコンプのみです。声張る系に比べてコンプを強めにかけているので、音量的には同じくらいに聴こえるかと思います。
【6.最後に】
最後になりますが、各Webサイトのリンクをご紹介しておきます。お値段は20000円前後が相場となっているようですが、当然ながらマイク本体の他にもケーブルやマイクスタンド等が必要になってくると思われますので、購入するならパーツもまとめての方がよいでしょう。(※下記の取り扱い販売店のサイトが便利です!)
いかがだったでしょうか。これでボーカルに目覚めてくれる方が出てくれると幸いです。
皆さん、声も武器にしましょう!楽しいですよ!
【公式リンク】
■メーカーWebサイト
http://www.akg.com/Microphones/Condenser%20Microphones/C3000.html?
■取扱い販売店Webサイト
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/138497/
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櫻井慎吾
座右の銘は「成せば成る」「継続は力なり」です。皆さんも、好きなことをとことん突き詰めていってください!
努力は、いつか必ず実を結びます!
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