スタジオ用モニタースピーカーの大定番であるGENELEC。GENELEC 8020はGENELECのラインナップのなかでも小型モデルですが、その音質や信頼性から多くのミュージシャンが導入しているんです。
ここでは、私自身の使ってみた感想を交えて、GENELEC 8020が支持される理由に迫ってみたいと思います。
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目次
- 導入のきっかけ
- 正確な音質
- コンパクトサイズ
- 8020にしかない機能
- 設置
- 8020の限界
- おわりに
・導入のきっかけ
スタジオのモニタースピーカーとしては、YAMAHA NS10M Studioが有名ですが、GENELECも業界のデファクト・スタンダードとして、数多くのスタジオで導入されています。
私自身、GENELECのサウンドに慣れており、自宅での作業用、また出張レコーディングの際の持ち出し用として「GENELEC 8020A」というモデルを導入しました。
※このほかにも8020B,8020CPMというマイナーチェンジバージョンがあります。
・正確な音質
音質は、まさにモニター的な色づけのない素直な音であり、GENELECのラージスピーカーのような正確さを受け継いでいます。
EQやリバーブのちょっとした変化も、とてもわかりやすいですね。悪い音も、悪い音のまま再生してくれますので、リスニング用途にはちょっと向かないかもしれません。
逆に自分の制作中の音がイマイチでも「よし、これから良い音に仕上げていくぞ」という気持ちで、作業に取り組むモチベーションアップにもなります。
・コンパクトサイズ
同じくスタジオモニターの定番であるYamaha NS10M Studioと比較してもわかるように、GENELEC 8020はモニタースピーカーとしては小型です(ちなみにNS10Mは18cmウーファー、8020は10cmウーファー)。私はこのコンパクトさを生かして、コンサートホールなどの出張録音にも、GENELEC 8020を持っていきます。ツイーターにもメッシュで保護されているので、持ち運んだりしても簡単に潰れることはないので安心できます。
付属のキャリングケースに入れれば、十分持ち運べるサイズかつ重量でもあります
・8020にしかない機能
GENELECのほかのラインナップと比較して、8020にだけみられる特徴があるんです。
それは「前面のボリュームツマミ」です。スタジオモニターって、別途モニターコントローラーがあることを想定して、ボリュームツマミがないものが多いんですよね。ツマミがあっても背面だったりします。
8020は前面に電源スイッチを兼ねたボリュームツマミがついています。このため、わざわざボリュームコントローラーを用意しなくても、スピーカー本体で簡単に再生ボリュームの調整ができます。
・設置
8020は設置がとくにかく簡単。
スタジオモニターというと「コンクリートブロックを積み上げて…」とか「スタンドとかインシュレーターにウン万円もかけて…」という、イメージがあるかもしれません。
でも、8020はもともと設置用にゴム足がついているので、作業デスクにそのまま置くことができて、角度の調整もできます。
また、マイクスタンドに適合するネジ穴がついているので、余っているマイクスタンドをスピーカースタンドとして活用することもできるんです。
音響的にも音質調整できるスイッチが本体にあるので、壁やデスクからの反射が気になる場合には、本体だけで調整することができるんです。
NS10Mなんかは「どうやって設置しようか」と悩むことが多いのですが、8020でそういう悩み方をしたことはないですね。
また、モニター用途ということで、スイートスポットは比較的狭い印象があります。
しかしながら、低域にしてもスイートスポットにしても、スピーカー単体
だけの課題ではなく、再生する「部屋」の反射や吸音といった問題と一緒に解決していく必要があります。
そういった意味で、スピーカー単体としてのデメリットは非常に少ない、ともいえます。
・「GENELEC」の秘密
GENELECは北欧・フィンランドに本拠地を置く企業ですが、実はむかしからスピーカーだけを作っていたわけではありません。もともとは放送局向けにスピーカーやパワーアンプ、そしてDSP(デジタル信号処理)技術による調整をトータルにプロデュースしていました。こうしたことから、GENELEC社は自社製品を「スピーカー」ではなく、「モニタリング・システム」という呼び方を使っています。8020のような小型スピーカーでも、十分な低音、そして正確なモニタリングが実現できているのは、ツイーターとウーファーを別々にドライブさせるバイアンプ、そしてそれらをきめ細かく制御するDSP技術の賜物です。
・おわりに
先日、代官山のとあるラウンジに入ったのですが、そこでBGMの再生用に使われていたのが、まさにこのGENELEC 8020でした。比較的大きなフロアで、アンビエント系の音楽を鳴らしていました。きっと音にこだわりを持つスタッフの方がいるのだろうな、とそんな気持ちになりました。
サイズや価格は妥協しても、音質には妥協したくない。GENELEC 8020が支持される理由がそこにあります。
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関連サイト
GENELEC 8020A バイアンプ・モニタリング・システム
⇒http://www.otaritec.co.jp/products/GENELEC/products/previous-models/8020a/index.html
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