今回は程よい価格でテンションの上がるサウンドを鳴らすパワードモニタースピーカーFOSTEX (フォステクス) NF-1Aのレビューをお送りします。
●FOSTEXとは
SENNHEIZER、SONY、YAMAHA、DENON、Beats、APPLEなどのメーカーに対して、ヘッドフォン、スピーカー等をOEM供給をしているフォスター電機株式会社が展開するブランドです。
スピーカーをはじめ、ヘッドフォンや、録音機材を製造しており、最近では、沢山のパーツから選んで自分なりにカスタマイズできる『KOTORI』などを発売しています。スピーカーのカラーバリエーションが豊富で、デザインも色々と用意されています。
●FOSTEX NF-1Aとは?
FOSTEXのスピーカーの中でも、レコーディングやミックス作業の際に使用され、業務用に設計されているニアフィールドモニタースピーカーです。なんと言っても目を引くのが、スピーカーの形状だと思いますが、この黄色い幾何学的な振動板は『HPダイアフラム』と言います。
形状についての理論は公式サイトを参照して頂きたいのですが、音への影響を簡単に言うと、フラットで癖が少なく、低域がタイトでパワフル、と言えます。
アンプを内蔵している為、スピーカーとアンプとの相性問題は発生しません。むしろ、アンプとセットで突き詰めて設計されている為、より正確なモニタリングを可能にしています。
•購入したきっかけ
いままで何台かのモニタースピーカーを使用してきましたが、始めて購入したのがNF-1Aでした。その前に使用していたONKYOのコンポに不満があった訳ではないのですが、観賞用のスピーカー/アンプは味付けがされている場合が多く、制作者が本来意図していた音を聴くためにはふさわしくないと感じていました。
一般的にモニタースピーカーを購入する理由は、レコーディングやミックス等の完成度を高める為に導入するのが普通だと思います。自分の場合はむしろ、CDにどの様な音が録音されているのかを正確に聞きたかったので導入ようと思いました。
実際に楽器店で試聴してみましたが、メーカーや機種ごとの音の違いはわかるけど、どれが良いのかわからず悩みました。モニタースピーカーというからには最低限フラットな特性を持っているはずと考え、普段聞いているCDを流してみて一番好きな音がするスピーカーを選びました。
音質は?
購入後、家に持ち帰って音楽を再生してみると、いままでONKYOのコンポでは聞こえなかった音が聞こえる上に、距離感や、音の存在感の様な物を感じ『音が見える』事にとても感動した事を覚えています。
モニタースピーカーとしてのフラットな特性を持ちながらも、低音域がパワフルに鳴り、観賞用としても楽しめるスピーカーです。
部屋の環境に合わせて周波数特性を補正できる様になっている上に、リスニングポイントを移動しても音色等が変化しづらい様に工夫されており使用場所を選びません。
•最後に
これからモニタースピーカーを購入する方や、現在使っているモニタースピーカーに不満があって新しいモニタースピーカーを探している方に伝えておきたい事があります。
それは、もし完全にフラットなスピーカーで音を聴いたとしても、部屋の反射音の影響でフラットでなくなってしまうと言う事です。
スピーカーで音楽を聞いている時に人間は、スピーカーからの直接音と、壁からの反射音とを同時に聞いています。一説ではその割合が、直接音40%、反射音60%とも言われており、その反射音の影響は大きく、反射音同士が打ち消し合うと、周波数特性がフラットではなくってしまします。
しかし、反射音を完全に消す事は現実的に不可能ですので、スピーカーの位置や置き方、リスニングポイント、部屋の形状や、壁面の吸音等で、できるだけ影響が小さくなる様にセッティングしていく訳ですが、一般的な家庭のの部屋は四角形が多く、対面した壁が大きな反射音を産みます。
中でもフラッターエコー(鳴き龍)は吸音材等で、ある程度は抑える事ができますが、定在波に関しては対応は困難で、リスニングポイントを選ばないと、低音域にほぼ聴こえない周波数が発生してしまいます。
このように、音楽をフラットにモニタリングする為には、スピーカーを取り巻く環境を総合的に整える必要があり、スピーカーだけ最高級にしても意味が無い場合があります。
NF-1Aはプロの現場で使用できるクオリティをもちながらも、価格的にリーズナブルですので、吸音材の購入等の投資を考えると、はじめの一台としてオススメできると思います。
◆ スピーカー部 ◆
形式
2ウェイ・バスレフ型
インピーダンス
8Ω
使用ユニット
160mmHPウーハー(防磁型)、20mmソフトドーム・ツィーター(防磁型)
再生周波数帯域
50Hz~40kHz
内容積
9.2L
最大出力音圧レベル
106dB/m(VOL:MAX/定格入力)
◆ アンプ部 ◆
定格出力
低域=60W、高域=60W
ツィーターレベル可変範囲
±3dB
高域補正
+3dB、0dB、-3dB(at 10kHz)
中域補正
0dB、-3dB(at 3kHz)
低域補正
+3dB、0dB、-3dB(at 60Hz)
インプット
XLR-3-31タイプ(2番HOT)/バランス、φ6mmフォーン・ジャック/アンバランス
定格入力レベル
+4dBu(XLR)、-10dBV(φ6mmフォーン・ジャック)
入力インピ-ダンス
20kΩ以上
クロスオ-バ-周波数
5kHz
◆ 一般 ◆
外形寸法
240(W)×340(H)×320mm(D)
質量
約11kg(本体のみ)
電源
AC 100V
消費電力
52W
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