ハーモニー生成プラグイン:Antares Harmony Engine Evoについてのレビュー

最強のハーモニー生成プラグイン:Harmony Engine  Evoについてのレビュー

今回はハーモニー生成プラグイン Antares Harmony Engine Evoのレビューをしていきたいと思います。



・Harmony Engine Evoとは?

Auto-Tune、AVOX をはじめとする優れたボーカルプロダクションツールを提供する Antares社がリリースした簡単な操作でナチュラルなハーモニーを生成するプラグインです。
コーラスのアレンジでバックグラウンドボーカルのパートを作成したり、実験的に様々 なパターンのコーラスアレンジを試してみたり。工夫次第で使い方が広がる!そんな夢の 様な機材です。

 

・Harmony Engine Evoを購入したきっかけ

納期のある作業をこなす上で、効率性は非常に重要です。歌ってみたMixでは、一発録 りメロディーのみで3日以内に!なんて依頼も結構あるんです。例えば、一発撮りしたメ ロディーから、ハモリを作るとなると、以下のような作業をしなければなりません。

  1. メロディーをピッチ修正ソフトで修正する。
  2. 修正したメロディーを別トラックに書き出す。
  3. 書き出したメロディーをピッチ修正ソフトで読み込む。
  4. 読み込んだ物を楽曲に合わせて、ピッチ3度下などに修正してハモリを作る。

※その際、必要に応じて楽曲のコードやメロディーラインの採譜を行う。

さらっと書いていますが、曲の長さに応じて、修正の数も変わってきます。これ以外に も頭出しやノイズチェック。ピーク処理や空間処理等、結構やるべき事が沢山あるんです。 この作業を短縮できないか?そう思い購入したのがHarmony Engine Evoだった訳です。

・基本的な使い方

私はAppleのDAWソフトLogic Pro Xを使用しておりますが、他のDAWでも同じ様な設 定で使えますので、参考にしてみて下さい。まずは、オーディオのボーカルトラックを作 ります。次にインストゥルメントトラックを用意し、音源をインサートする様に「AU MIDI制御 エフェクト」から、Harmony Engine Evoを選択します。最後に、サイドチェー ンでボーカルトラックを指定してあげれば完了です。

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しかし、画像のデフォルト設定のままでは、ずっとコードCのままハモリ続けます。右 上の「Harmony Control – Harmony Source」を「Scale interval」から「MIDI omni」に変 更して下さい。あとは、MIDIキーボード等でノートを指定してあげれば、思い通りのハー モニーを作成する事ができます。
全部で4声までハーモニーを生成でき、それぞれ音量、パン、フォルマント、ハーモニー の人数感やヒューマナイズを調整できます。Throat Lengthを弄ると、まるで中田ヤスタカ さん!いわゆるボコーダー的な使い方で、楽曲の中の飛び道具としても活躍してくれます。 基本的な使い方は以上です。

 

・さらに一歩進んだ3つの使い方 

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1.インサートするだけダブリング効果

デフォルト設定でHarmony Engine Evoをインサートしたら、ハーモニー生成の一つを soloモードにします。そして「interval」を「U」にして、再生してみます。それだけで、2 回歌ったようなダブリングの効果を簡単に得ることができます。2回レコーディングする 時間が無い時など、本当に重宝しています。

2.コーラスボタンを押すだけ広がるハーモニー

画像の緑色に光っているボタンを押すだけで、コーラスの人数感とステレオ感を増す事 ができます。「choir size」で最大16voiceまで。「Stereo Spread」で、強烈な広がりを生 み出す事ができます。これをパン振りなどで作る手間を考えたら…ゾッとしますね。

3.ボカロ調声不要のコーラスワークで作業効率アップ

ボーカロイドでハモリを作っていくと、結局メロディーの調声に似せていく必要がある んですよね。ボカロエディターでトラックをコピーしてノートを移動して、コードワーク に合わせていく手間を考えたら…断然こちらを使用した方が早いですよね?

 

・改善して欲しい点!

一つ目は、パラアウトできない事です。ハーモニーの一つだけにエフェクトを掛けたいとか、ちょっとだけ自由度が足らないんです。別トラックを用意すれば問題ないのですが、 アイディアが飛んでいってしまう前に、もっとクリエイティブな加工がしたいんです!
二つ目は、日本語マニュアルの不足です。以前は公式でDAWに合わせたチュートリアル セッションを配布していたのですが、今は無くなりました。例えば「MIDI omni」モード
でノートを3つ押さえたら、普通はハーモニーが3声できると思うじゃないですか?それが できないんです。もう少し直感的に操作を覚えられる環境があると、初心者も扱いやすく なるんじゃないでしょうか?

 

・最後に…

本当にこのプラグインは、今の製作環境に無くてはならない一品になりました。声だけ じゃなくて良いんですよ、動物の鳴き声とか、サンプリング素材に適用してみたり、使い 方は工夫次第なんです。最後に、定価が249ドルとお高めですが、たまにセールで49ドル になることもあるので、それを気長に待つのも良いかもしれませんね!それでは、素敵な 音楽ライフを!


関連サイト
antares HP
http://www.antarestech.com

日本代理店(イーフロンティア)
http://music.e-frontier.co.jp/product/heevo/ 




Soundorbis

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作編曲家・ボカロP。マイリスト(http://bit.ly/1ejv1Cx )ミックス/マスタリング/音楽制作/コラボ、ご依頼御待ちしております。世界の終焉するその日まで、音を作り続けたい。

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